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僕ら夫婦には或る法則がある。 それはとても恐ろしい法則だ。 この法則はかなりの確率で発動されるのである。 あまりに恐ろしい法則なので、今日に至るまで他人に口外はおろか、最近では夫婦間でもあまり口にすることすらはばかられる一種の不文律になっている。 しかし、今日は大きな決断をもってその「法則」を白日の下に晒すことにする。
その法則とは、「僕ら夫婦が気に入った店や商品は、即座に潰れるか生産中止になる」というものである。 産業界で僕ら夫婦の名前は有名なのである。 ありとあらゆる商品の開発者は「あの夫婦に気に入られたらおしまいだ」を合言葉に日々商品開発に励んでいる。 ロングセラーといわれる商品は、実のところすべて僕ら夫婦の嗜好から微妙にズレた性質や特徴を持ち、それ故に企業に大きな利益をもたらしている。 精緻なマーケティングの賜物だ。 僕ら夫婦は産業界でこう陰口をたたかれている。 「あの夫婦が通った後は草も生えない」と。 産業界の人々は僕らのことを「デモリション・カップル」と呼ぶ。 ただ僕らだって好き好んでこの役目を引き受けているわけではない。 ただただ当たり前に暮らしていたら、いつの間にかそのようになってしまったのだ。 事実、僕らも自分が気に入った多くの店や商品が地球上から跡形も無く消滅していくさまを見続けてきた。 多くの失望とともに。 最近、初めての店を訪れたり、初めて見る商品を手にした時、どこからか厳しい視線を感じることが多い。 ある時は後方に張り付いた店員から。 ある時は頭上の監視カメラから。 店が、メーカーが、僕らの一挙手一投足を注視しているのをひしひしと感じる。 最近ではそうした彼らの動きを逆手にとって、まったく食指が動かない飲食店にふらっと入ったり、たいして興味のない商品を購入してみたりして反応を楽しんですらいる僕らである。 ただ僕らも普通の人間である。 やはりおいしい店には何度も食事をしに行きたいし、気に入った物は使い続けたい。 しかしながら、僕らが気に入った店は潰れ、物はなくなり、TV番組さえ打ち切りになった。 法則は何より僕ら自身の生活に大きな不利益をもたらしているのである。 先日も妻が自宅近くのドラッグストアにお気に入りのサプリメントを購入しに出掛けたのだが、店員曰く「ああ、あれあまりに売れないから置くのやめました。」と言う。 最近ではメーカーの対応も早まるばかりだ。 肩凝りで悩む僕も同じドラッグストアで一度「メンフラA」という鎮痛消炎薬(貼り薬)を購入したのだが、次の日にはもう店頭から消えていた。 ![]() しかるにこのメンフラは押し寄せる法則発動の荒波に例外的に耐え、細々とではありながらもそのシェアを保ち続け、僕を含むコアなメンフラ愛好者によって支えられてきたのだが、もはやそれも限界点に達しつつある。 僕も最初のうちは自宅の近所で購入できていたメンフラが、いまや遥か遠方までクルマを走らせないと購入することができないという非常事態に陥っているのである。 日々失われているメンフラのシェア拡大に必要なもの。 それは、肩凝りにとって希有な効能を持つこの商品を一人でも多くの皆様に知っていただくこと。 そして実際に購入し使っていただくこと。 これ以外にないのである。 どうかメンフラにだけは法則発動の日が来ませんよう。 大正製薬殿、何があってもメンフラの製造だけは続けることだ。 でなきゃ僕ら夫婦で毎日リポビタンD飲んじゃうぞ! ■
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by theshophouse
| 2006-08-30 02:02
| Critique
アジアカップ最終予選対イエメン戦。 日本2対0の勝利。 一言で言えばヌルい試合だった。 ペナルティエリアに常時5人が入って守るイエメンに対し、アイデアを欠く日本の攻めは単調に終始した。 それでも数多く訪れた決定機もネットを揺らすには至らない。 引かれた相手をいかにして崩すかという、格下相手との試合での課題がまたも表出した。
相手にこれだけ引かれるとラストボールの精度がモノを言う。 アバウトな照準にボールを放り込むだけでは局面を打開することはできない。 日本は、前半加地の右サイド中心、後半は左の三都主と右の加地の両サイドから攻めはしたものの、精度を欠くアーリークロスがほとんどで、巻の高さをほとんど生かせなかった。 引いて守る相手が嫌がる攻撃は、サイドを完全に崩されてからマイナスの折り返しを入れられることや、エリア内にドリブルで侵入されることである。 そうした意味で途中交代で入った羽生の突破だけがこの試合の救いだった。 あのプレーがチームに活力を与え、直後の阿部のゴールに直結した。 ゴール前での高さに勝る日本がイエメン陣内でこれだけ多くのFKを蹴りながら、後半25分まで得点できなかったのは物足りない。 選手たちはオシムのサッカーに染められようとするあまり、日本人生来の従順さであまりにも律儀に実行し過ぎてはいないだろうか。 初戦と違い、選手間の連携もスムーズにはいかず、本来あるべきポジションチェンジも少なく、2列目や3列目が飛び出す動きもあまりなかった。 やはり僕としてはどうしても右サイドに注目して見てしまうのだが、ドイツで一皮剥けたと思っていた加地さんはただのへタレに戻っていた。 この出来なら田中隼磨にすら勝てない。 前半、そんな加地さんのところに何故か執拗にボールが回ってくる。 結果、スタッカートを刻み始めた攻撃のリズムは加地さんのところで全休符。 ボールは行き場を失った。 それでもオシムはジーコと違って選手を出し惜しみするような監督ではないことがわかった。 後半アタマから羽生、26分に佐藤勇人、44分に佐藤寿人と、それぞれのポジションの役割に応じて、必要に応じて投入している。 結果として羽生が流れを変えて阿部のゴールを呼び込み、佐藤寿人がロスタイムにダメを押したことを考えれば、この采配は評価に値する。 決してオシムが思い描いたようなゲーム内容ではなかったものの、そうしたゲームの中にあって監督としてできるほとんど唯一の実効的な手段である選手交代によって、最悪引き分けもありえたこの試合を2対0の勝利という結果に導いたのである。 今度の代表監督は、間違いなく試合の流れや性質、選手が滞留して動きが止まっているエリアを見定めることができるのだ。 それにしてもここ数年の日本代表の応援はなんでこんなにヌルくなってしまったのだろう。 もちろんそれなりにゲームの流れを読んでやっているはずなのだが、傍から見てるとただただダラダラダラダラ歌を歌い続けてるだけ。 ホームの試合なのに、相手がビビるような応援は皆無だ。 9日夜の「川淵解任デモ」の時の威圧感、あれこそが代表戦のスタンドにあるべきものではないだろうか。 そして松木。 今夜はセル塩がいたので少し抑えめだったが、それでも十分うるさかった。 たいしたピンチでもないのに大騒ぎするわ、解説している内容は「そんなこたぁ、見てりゃわかるよ!」ということばかりだわ、もうホントに無意味。 田畑&セル塩で十分。 僕は今、テレビを地上デジタル放送で観ている。 地デジでは、リモコンのdボタン押したら試合の情報とかリアルタイムでいろいろ見れる。 W杯の時なんか試合中の両チームのボール支配率まで見れた。 もう最近のテレビはそこまで来ているのだ。 ならば、である。 dボタンの次に青ボタン押したら実況が「松木抜き」になるとか、赤ボタンで「角澤不要」になるとか、そういう「オンデマンド実況」にしてもらいたいものである。 技術的には何ら問題なく、明日にでもできることだろう。 あいつらはホントに迷惑以外の何物でもない。 ■
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by theshophouse
| 2006-08-16 23:51
| 蹴球狂の詩
【9日試合後のデモ動画】川淵会長にレッドカードを!ヽ( ・∀・)ノ【YouTube】
【9日試合中のデモ動画】川淵ヤメロ「早稲田×古河+電通=0勝2敗1分」【YouTube】 トリニダード・トバゴ戦。 日本2対0で勝利。 イビツァ・オシム新監督が率いる日本代表の初陣は新鮮なものだった。 考えてみれば、僕らは事実上トルシエが選んだ日本代表の中心メンバーを8年間に渡って見続けてきた。 ピッチにはいつも同じような顔がいた。 柳沢、高原、中田英、小野、稲本、宮本・・・。 見慣れた顔がいない日本代表は、それでも国立のピッチで躍動した。 正直、もうトルシエ・ボーイズは代表で見たくない。 まず僕が驚いたのは鈴木啓太の成長ぶりだった。 アテネオリンピック代表を落選した頃の彼への僕の評価は非常に厳しいものだったが、今夜の彼は最終ラインと中盤のつなぎ役としてうまく機能していたと思う。 カバーリング、ポゼッションも申し分なく、中盤の底でバランサー役を見事にこなした。 もともと汗かき屋タイプだが、あとは中・長距離のパスの精度を高め、前線にいいボールを供給できるようになったら本当にいい選手になる。 闘莉王も大好きなオーバーラップは最小限にとどめ、体を張った守備を続けた。 代表引退を表明した中澤もいない今後の代表の最終ライン。 宮本とはまったくタイプの違う代表のセンターバックとして定着してもらいたい。 1点目はそんな闘莉王の数少ないオーバーラップから生まれた。 闘莉王が持ち上がって田中達へ。 田中達からのパスをポストに入った我那覇が倒されて得たフリーキック。 三都主が右隅に決めた。 駒野も派手さはないものの、左サイドを突破してクロスを挙げたり、三都主の2点目をアシストするなど潜在能力の高さをみせた。 両脚で正確なクロスが挙げられる駒野は今後も貴重な存在であり続けるだろう。 中盤に入った長谷部と山瀬の出来には少々不満が残る。 何度かダイレクトパスに彼らも連動し、日本が誇る中盤での「ピンボールサッカー」でシュートチャンスを演出したが、見せ場といえばそれだけだった。 ただやはりそれ以上に見せ場がなかったのはやっぱり右サイド。 田中隼磨には期待するものの、粒の小ささは否めない。 現状では加地さんに軍配といったところだろう。 石川直宏がトップフォームを取り戻すのを待ちたい。 このままではオシム・ジャパンも左偏重になってしまう。 そして我那覇。 気に入った。 何がいいって、あの猛禽類を思わせる目がいい。 やっぱりストライカーはあのくらい目がイってないとだめだと思う。 アジアではアリ・ダエイの次にイってる目をしてた。 肝心のプレーはよくわからなかったが、あの眼光があれば大丈夫だろう。 とにかくもう僕は寿司禿とかヘナギとか師匠とかを代表で見たくないのだ。 最後にもうひとつ見たくないものがある。 なぜ僕らは、オシム・ジャパンの記念すべき船出の試合を角澤・松木の最狂ツートップによる騒乱実況のうちに見なければならないのか。 しかも副音声という視聴者最後のシェルターも用意されていないではないか。 先日のなでしこの対オーストラリア戦なんか、この二人に大竹奈美も加わった最狂スリートップによる「実況という名のテロ」だっただけに、さすがに今後こいつらの出番はないだろうと思っていたのだが、これに懲りずまたこのツートップを起用してくるあたり、さすがテロ朝である。 日本代表同様FWの人材不足か、それとも確信犯か。 というわけで、僕らは今後もこの、選手の名前すらまともに言えないアナと、叫ぶしか能がない解説者による実況を聞かされ続けることになりそうだ。 どこからどうみても田畑&堀池のコンビの方が優れているにも関わらず、なぜこの騒乱実況コンビを起用し続けるのだろうか? この二人にもドイツでの惨敗の責任をとって腹を切ってもらいたいというのが僕の本音だ。 ■
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by theshophouse
| 2006-08-10 00:33
| 蹴球狂の詩
亀田、今夏世界王者へ!(もちろん八百長)
5月24日に今回の八百長を予言していた人がいました。 そのあまりに完璧な予言は、夏まっ盛りというのに寒気を覚えるほど。 ![]() この数日の間にさまざまな議論を巻き起こしたこのタイトルマッチについては、既に語られ尽くしているはずなので、もうここでは触れない。 協栄ジムという胡散臭いジムと、TBSという最近特に電波全開な放送局と、亀田人気に相乗りしたスポンサー企業とWBA(世界ボクシング協会)の合作による茶番だった。 興行主である協栄ジムからジャッジに報酬が支払われるということ自体、ボクシング界の古い体質、興行性を強く感じさせられるものである。 判定が作為的になったとしても何ら不思議はない。 たいして強くもない武蔵や魔裟斗がK-1で勝ったりするのと同じ構図である。 しかもWBAは試合後に前から準備していたチャンピオンベルトを亀田の父親に贈呈してもいるのだ。 これではまるで最初から亀田の勝利ありきではないか。 11ラウンドと12ラウンドはほぼグロッキー状態でクリンチに逃れて倒れるのを堪えるのが精一杯だった亀田。 12ラウンドを亀田の勝ちと採点した韓国人のジャッジは協栄ジム側から実弾の他に酒池肉林の接待でも受けていたのだろうか? 誰もが理解に苦しむ不可解な判断であった。 その1ポイントがなければ試合はドローだったのだから。 最近では若手の有望なスポーツ選手が頭角を現すと、TV局で囲い込む傾向が見られる。 福原愛、宮里藍、浅田真央にもそうした囲い込みが行われたが、TBSの亀田三兄弟に対するそれは露骨極まりない。 それは取材の優先権や試合の独占中継権のみならず、キャラクターグッズやDVDの販売権にまで及び、人気者を食い物にしてひたすら利潤を追求する。 結局行き着くところは視聴率至上主義だ。 本来は父親思いで練習の虫、どちらかといえば真面目な少年である亀田興毅の一部でしかないやんちゃな部分を過剰に演出し、そうしたTV局側の意図に亀田が踊らされているのか踊ってやっているのかは知らない。 ただ、試合が終わって拳を交えた相手に敬意のひとかけらも表せない彼の態度を見る限り、未成熟な少年としか思えなかった。 試合の前の記者会見の際、ハンバーガー片手に会見場に現れた亀田は、ベビーフェイスのあだ名をもつランダエタにキューピー人形を贈った。 ランダエタは笑顔で応じた。 翌日の計量の際、今度はランダエタがお返しとばかりに亀田に紙オムツと哺乳瓶をプレゼントした。 亀田はキレた。 このやりとりを見ていて正直「亀田はこいつには勝てないな」と思っていた。 試合も実際予想通りになった。 でも結果だけが違った。 彼に相応しいのは「TBS世界ライト・フライ級チャンピオン」という称号だろう。 きっと彼を勝たせたのはこの国の八百万(やおよろず)の神なのだ。 続きを読む(いつも長くてスミマセン) ■
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by theshophouse
| 2006-08-05 23:53
| Critique
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カテゴリ
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