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チベット大虐殺と朝日新聞
チベット大虐殺と朝日新聞_b0045944_2324077.gif チベットの独立と自治を支持する人。 たとえそこまでいかなくてもチベットにシンパシーを感じている人なら、その人が朝日新聞を読むことには大いなる論理矛盾がある。
 「チベット大虐殺と朝日新聞」は、1945年からの朝日新聞のチベット報道約6000件を徹底検証した書である。
 かつて中共がチベットに侵攻した時、それを「チベット解放」と伝えたのが朝日新聞である。 以降、朝日新聞は一貫して中共の側に立ってチベット問題を報道してきた。 時には中共のチベット政策を礼賛し、時には(中国国営の)新華社電が伝えるチベット報道に何の論説も加えずタレ流すことに努めてきた。


 【北京3日=加藤特派員】中国・チベット自治区のラサで1日の国慶節(中華人民共和国の建国記念日)に起きた2回目のチベット分離・独立要求デモについて。 3日付の党中央機関紙人民日報など中国主要紙の1面に掲載されたラサ2日発の新華社電は、この「重大な騒乱」状態の中で最低6人が死亡、公安要員19人が重傷を負ったと伝えた。 死者がデモ隊員なのか、一般市民なのか明らかにしていないが、「公安要員は厳命により発砲していない」としている。
 ラサからの報道によると、先月27日に続くこのデモは1日午前、国慶節のお祭り気分の中で発生。 十余人の袈裟を着たラマ僧と、身分不明の数十人の人々がチベットの宗教的シンボルである「雪山獅子」の旗を掲げ、「チベット独立」などのスローガンを叫んで市内随一の繁華街でふだんは外国人旅行者も多い八角街をデモした。
 これに対し公安当局が「祖国統一と安定団結を破壊する違法行為」として規制に入ったが、同報道によると、デモ隊は公安要員に殴りかかり、八角街派出所建物は自動車数台に火を放って破壊。 さらに石で殴りかかったり、公安要員から奪った銃を公安要員や群衆に向けて発砲したという。(1987年10月3日)


 万事こんな具合である。 チベットの僧侶が独立を訴えるデモを行い、それを阻止しようとした中国公安の銃を奪って、公安はおろか一般市民にまで発砲したという、にわかには信じ難いニュースを淡々と伝えている。 もちろん表面上はあくまで新華社電という前提を示しつつも、事件をチベットの側から捉えるような視点、事件を多角的に捉えようとする姿勢はまったくない。 それならば最初から新華社電のベタ記事で良いはずで、そうであれば記事を受け取る側も「はいはい新華社電=プロパガンダね」で済むところ、なまじ北京に特派員がいるせいで、わざわざ新華社電を一度咀嚼して、プロパガンダ色を希釈した記事に作り変えているあたりが実に姑息である。 そしてこの「加藤特派員」こそ、先日まで報道ステーションで古舘伊知郎の隣に座っていた加藤工作員その人である。
 加藤千洋が「工作員」と呼ばれるようになったのは、加藤が「親交がある」とした人物を、その時スタジオに生出演していた安倍晋三(当時官房長官)に「その人は(北朝鮮の)工作員ですから」と指摘されたことによる。 また、それまでは中国が問題視すらしていなかった日本の首相の靖国参拝について、1985年に度重なる批判記事を書き、中共に「ご注進」したのが加藤千洋である。 おかげで靖国参拝は政治問題化し、韓国なども追随して今日のような異常事態に陥っている。 加藤が工作員と呼ばれる所以である。
 先頃その加藤が報道ステーションを降板した。 表向きは一記者に戻りたいということだが、最近急速に露わになってきた、世界中に被害を拡大させる食品・玩具・薬品テロ国家、少数民族抹殺国家、環境破壊国家、民族の宿願であった五輪の終了を待たずして崩壊した経済失政国家など、同氏が異常偏愛してきた心の宗主国の見るも無残な光景をニューススタジオで自ら伝えることに耐えられなくなってきたというのが本音だろう。
チベット大虐殺と朝日新聞_b0045944_23423441.jpg
 例によって話が横道にそれてしまったが、同書はそんな朝日新聞がチベット問題をどのように伝えてきたかを時系列で参照しながら、その中国共産党機関紙としか思えないような記事にいちいちツッコミを入れている。 今でこそネットの普及などで世界中が知るところとなった中共のチベット弾圧だが、朝日はそうした今の空気を読み、まるでこれまで何十年と続けてきた「中共によるチベット解放」報道などなかったかのように中立を装った報道をしている。 まさに「朝日新聞」と書いて「厚顔無恥」と読むべきだが、自分らで思い通りの記事が書きにくくなったとみるや、今度は読者投稿を隠れ蓑に本音を晒して見せる。
チベット大虐殺と朝日新聞_b0045944_23232381.jpg
 この横須賀市の石井彰氏は朝日川柳の常連であり、この名前でググれば過去の作品などもズラリと出てくる。 おそらくは採用時に朝日から贈られる「朝日新聞」のロゴ入りボールペンのようなくだらない記念品を集めるのが唯一の楽しみで、川柳仲間にその「戦利品」を見せて自慢するのが生き甲斐の団塊世代のおじさんだと類推する。
 むろん石井氏に罪などあるはずもなく、おそらくは中共を揶揄したはずであるこの句も、朝日新聞が採用した場合にはまったく違った意味を帯びるのである。 噂によると朝日とか毎日とか東京新聞とかの論説トップは月に一度中国大使館詣でをするのが義務付けられており、そこで駐日大使の薫陶を受けるそうである。 この川柳を載せた朝日は崔天凱駐日大使からたいそう褒められて大喜びしたはずだ。
 同書に参照された朝日新聞の一連のチベット報道は、今日のチベットの現状やこれまでの歴史を知る者から見れば驚愕するものばかりである。 当初いくつか引用しようとも思ったが、あまりに恐ろしい記事が多過ぎて小欄では紹介し尽くせないのであきらめざるをえない。
 11月、ダライ・ラマ法王が仏教界の招きで来日し、福岡と東京で講演を行う。 朝日新聞はそれを伝えるのか、或いは伝えないのか? 伝えるとすればベタなのか、何らかの論説を加えるのか? どちらにしてもきっとその醜悪な本性を晒してくれることだろう。
by theshophouse | 2008-10-30 23:40 | Books
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