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オシムに代表監督復帰を求む!
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 トライアングル、ゾーンプレス、オートマティズム、自由、ボールも人も動く・・・。
 これらはオフト以降の歴代日本代表監督が自らのテーマとして掲げたキーワードである。 もっともファルカンの場合、そのテーマも見えないうちに解任されてしまったのだが。
 そもそもこれら全てはモダン・フットボールにおいて欠くことのできない要素ばかりであり、そこには目新しい言葉など何一つない。 前任者のオシム監督が使った「ボールも人も動く」、「ポリバレント(多様性=複数のポジションをこなす)」にしても、特にこれといって新しい概念とは言えない。
 ところが、なぜか不思議なことに日本のスポーツメディアはこうしたレトリックの前に思考停止に陥る傾向がある。 トルシエの時でさえ、スポーツ新聞は、まるでそれ以外の事はどうでもいいと言わんばかりにフラット3とオートマティズムについて論じた。
 そういう意味で、新たに監督に就任した人物が、間抜けで子供じみた日本のスポーツジャーナリズムの機先を制し、自らのコンセプトをチームにいち早く浸透させるためにはキャッチーなキーワードを提示してやることが必須となる。
 またしても代役として10年振りに代表監督に復帰した岡ちゃんが口にしたキーワードは「接近、展開、連続」というものだった。
 無論これにしても目新しいテーマとは言えない。 むしろこれまでの代表監督が掲げてきた数々のテーマを取り込んだ包括的な概念であると言える。 いずれにしろ、お粗末な日本のスポーツジャーナリズムを体よくあしらうには効果的な「三行詩」になりそうだ。
 無論この「接近、連続、展開」はマスコミ向けに発せられたものではなく、個々の選手の意識付けに必要不可欠なものである。 岡ちゃんも前任者同様、言葉の魔力や重要性というものを認識している証左である。 何を始めるにしても「はじめに言葉ありき。 言葉は神と共にあり。 言葉は神なりき。」なのだ。

 しかし、である。 僕は未だに岡ちゃんが代表監督になったことが受け容れられない。 確かにオシムが倒れてから岡ちゃんが就任するまでのプロセスは、ただでさえ危機管理能力が低いと言われる日本人が関与したにしては至極まっとうでスムーズな政権移譲だった。 W杯予選まで時間がないこともあり、代役の岡ちゃんも基本的にはオシムの路線を継承していくという。 これまた危機管理マニュアル通りだ。
 だが、オシムは死ななかった。 実際にベンチで指揮をとれるかどうかは別として、試合を観戦できる状態にまで回復したという。 ちょうどオシムが倒れていた時期に代表戦はなく、結果的には合宿が2回召集されたに過ぎなかった。 オシムの前任者のジーコなどはこの時期リオ・デ・ジャネイロで休暇を過ごしていたはずである。 極端な言い方をすれば、オシムの場合それが病院のベッドになったということだ。
 あくまで僕の妄想だが、オシムは脳梗塞で倒れる際にも「ちょっと無理が続いてたから2カ月ぐらい休むか・・・」ぐらいの気持ちでいたのではなかろうか。 そもそも意識不明になったのも治療をスムーズに行うために処方された投薬によるものだし。 それを川淵会長が空気読めずに号泣会見やっちゃってすべてを台無しにしてしまったと。
 今僕が思うのは、オシムの回復を待ち、例えば大熊コーチあたりに監督代行をさせて三次予選は乗り切るという手はなかったかということである。 監督がいなくなったぐらいで動揺し、三次予選で敗退してしまうようなら所詮それまでのチームと割り切ることもできるし、重要なのはオシムの路線を100%継続していくことの方ではなかったか、と思うのである。
 それというのも、オシムのそれと比べるのは酷なのかも知れないが、少なくともこれまでの岡ちゃんのサッカーには何ら魅力を感じないのである。 札幌や横浜の監督時代もとにかく基本は守備的であり、攻撃はエメルソンや久保ら突出した個人の能力任せの感があった。 手駒が揃えばアベレージ以上の結果は必ず出すことのできる監督であると同時に、上値は重そうだとも思える。
 そうなのである。 僕はもう一度オシム監督が見たいのである。

 で、今夜のチリ戦。 岡田ジャパンの船出がどうこうより、ビエルサが造り上げつつあるポスト・サモラノ、サラスのチリ・サッカーが興味深かった。 それは彼の母国アルゼンチンとメキシコのスタイルの中間とでも言おうか。 大きな展開はさほどないものの、狭いスペースでショートパスを交換してサイドに展開しクロスを入れる。 日本も同じような狙いだったが、チリの方が個人としてもチームとしても日本より一枚上だった。
 意外だったのは岡ちゃんが右サイドに加地ではなく内田を抜擢したこと。 岡ちゃんは10年前にも市川を抜擢したが、フランスW杯では結局名良橋を起用した。 ただ、岡ちゃんが日本の右サイドに不満を持っていることは間違いないようで、この点についてのみ僕と意見の一致をみたのは喜ばしいことである。 ただ、内田はおろか加地もいまだ名良橋の域にすら達してはいないのだ。
 左の駒野も頑張ってはいたが、それでもやっぱり「小物感」は否めない。 一体いつまで両サイドは日本代表のアキレス腱であり続けるのだろうか。
by theshophouse | 2008-01-26 23:25 | 蹴球狂の詩
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