ドイツW杯2006グループリーグ第二戦、対クロアチア。 0対0のドロー。 試合終了と同時に画面に大写しになった日本人女性サポーターは手を叩いて喜んでいた。 もちろんサッカーにはいろんな楽しみ方がある。 明らかに日本より強くしたたかだったクロアチアに負けなかったという、その事実に喜ぶのもいいだろう。 ただ、日本は引き分けではなく勝ちが欲しい試合だったし、勝つこともできた試合だった。 日本代表が置かれたシリアスな状況すらよく把握していない人がドイツまで応援に行っている。 悲しきかなそれが日本のサッカーを取り巻く状況なのである。
「サッカーは戦争だ」という人がいる。 一方で、クロアチアの英雄でフランスW杯でキャプテンを務めたボバンは「サッカーは戦争だなんて言う奴は本当の戦争を知らないのだ」という。 ボバンにとってサッカーは平和の象徴なのかも知れない。 戦争を知らない平和ボケの日本人がボバンの心境を理解することはできないだろう。 だが、それはそれでいい。 サッカーはゲームだ。 楽しめばいい。 平和ボケの国には平和ボケなりのサッカーがあるはずだ。 事ここに至っていまさらこんなことを言うのも気が引けるのだが、日本のFWのクオリティには唖然とさせられる。 ドイツ戦が人生最良の日になってしまった高原と、こともあろうにクロスをもう一度折り返した柳沢。 柳沢にとっては「へナギ・サイクロン」以来の大技披露となった。 つまるところFWっていうのは、サッカーボールなしのストリートファイトでやり合った時に相手を叩きのめすことができるかどうかで決まるような気がする。 そういう視点で見た場合、プルソとクラスニッチに対して高原と柳沢では完敗である。 それどころか出場32カ国の中で最弱コンビとなってしまうかも知れない。 ストリートファイトにルールはない。 懐にナイフを隠し持とうが、どんなイカサマを仕掛けようが、相手をのしてしまえば勝ちだ。 体格で劣り、正攻法では敵いっこない日本のFWには、それを補うために隠し持つべき凶器も、相手の上を行く狡猾さもなかった。 勝負することを恐れ、失敗を恐れ、ただただ献身的にディフェンスに汗をかき、千載一遇ののシュートチャンスが巡ってきた時にはボールをまともにミートすることすらできない。 最終盤、まったくついて来れなくなったクロアチアDFを尻目に左サイドを突破した三都主が入れたグランダーのクロス。 次の瞬間にはゴール前に走り込む玉田や大黒の姿があるものと思ったが、影すらもなかった。 1点は果てしなく遠かった。 FWのみならず、中盤も最終ラインもミスが多く、簡単にボールをカットされては何度も速攻を許した。 クロアチアの攻撃の精度の低さに助けられたが、2~3点取られていても不思議ではなかった。 ただ、オーストラリア戦の反省からか、ある程度ラインを上げてコンパクトに保とうとした点は評価したい。 ラインコントロールという点でも4バックの方がスムーズにいったと思う。 次はブラジルだ。 恐れることはない。 失うものもない。 オーストラリア戦の悪夢は払拭できた。 後はサムライの名に恥じない末期を遂げるのみ。 ■
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by theshophouse
| 2006-06-19 11:08
| 蹴球狂の詩
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