去る3月21日未明、精神疾患の27歳の男がこのブラフマー神の像をハンマーで破壊してしまった。 男は居合わせたタイ人に袋叩きにあい、それが原因で亡くなってしまった。 信仰心の発露がベクトルを間違えるとこうした暴力沙汰になってしまうのは洋の東西を問わないが、タイの人たちにこのヒンズーの神様がどのくらい愛されていたかを物語る証左であろう。 在りし日のブラフマー神像(上の写真ではちょうど柱の陰で写っていないので) 石膏でできているものの、表面には金箔が貼られてまさに神々しく輝いている エラワンとは、ヒンズー教のインドラ神(帝釈天)の乗り物である伝説の像で、1956年、この名前を冠したエラワン・ホテルがこの地につくられる時に作業員に怪我人が出たり、建設資材の運搬船が沈没したりする事故が続発したため、占星術師が建立を命じたものだそうで、エラワン廟の完成後は一切事故が起きなかったという。 現在このホテルはグランド・ハイアット・エラワンになっている。 以前、向かいにあるメリディアン・プレジデント(現インターコンチネンタル)が火災に見舞われたのも、工事中にクレーン車が誤ってエラワン廟の敷地内に建設資材を落下させたせいだと言われる。 今回の事件も災厄がタイを襲う前兆ではないかとの噂がたちまち広がり、総選挙を間近に控えていたタクシン首相以下政府要人も次々と参拝に訪れ、「ブラフマー神像がタイに災厄が降りかからぬよう身代わりになってくれた」とやや無理のある解釈を引き出し、騒動の沈静化に努めた。 しかしながら、結局タクシン首相はプミポン国王の勅令で辞任に追い込まれ、結果今回のブラフマー神像の災厄を一人で背負い込むことになってしまったのは周知のとおりである。 僕らも宿が近いせいか、滞在中に一度はお参りしに行くこのエラワン廟なのだが、祠の中心に安置されていたブラフマー神の御姿は見る影もなく、窮余の策なのか四つの窓にはそれぞれ四つの角度から撮られた像の写真がはめ込まれていた。 「これでもご利益があるのかなあ?」と不安になりつつも、受付で線香と蝋燭を買い一応型どおりのお参りをした。 エラワン廟に参拝するヨメ 祠をを中心にぐるっと一周しつつ四方向それぞれに線香を立て、それぞれの方角から地面に両膝をついて合掌する 6月に控えるプミポン国王の在位60周年記念式典を控え、ブラフマー神像の修復は5月末の完成を目指して急ピッチで進められているらしいのだが、タイ人の言う「急ピッチ」ほどこの世でアテにならないものはなく、エラワン廟の完全復活の時期は未だ不透明。 と思っていたら、ブラフマー神像の修復が予定より大幅に早く完成し、5月10日に再安置が行われるという。 僕の知っているなかでこれほど迅速に仕事をしてくれるタイ人は皆無だが、事が事だけに彼らも本気で突貫作業したのだろう。 もし連休が長い方で、5月10日にバンコクに滞在している方がおられたら、ぜひ再安置のセレモニーを観に行かれることをお勧めする。 そしてもちろんその日にお参りされることも。 やはりこのエラワン廟のそばにあるのがアマリン・プラザである。 これまではどことなく少々さびれたショッピングセンターという印象だったのだが、密かに利用価値が高いことを再認識した。 これまでも地階のマックとスタバは利用していたのだが、上階にもなかなか油断ならない店があるのだ。 このアマリン・プラザ、BTSのチットロム駅からスカイウォークが2階部分に直結しているのだが、その2階入口を入って真っ直ぐ進んだ突き当たりの右側にある「○○○・メディカル・マッサージ(名前失念)」というマッサージ店はなかなか良かった。 今回、1時間のフットマッサージをやってもらったのだが、さすがに「メディカル」を謳い文句にしているせいか、チェンマイの30分100バーツ(約300円)のフットマッサージ屋と違い、なかなかツボを心得ていた。 足が一通り終わった最後の10分間は、足を載せていたスツールに座っての上半身のストレッチ(いわゆるタイ・マッサージ)と肩揉みもあり、ちょっと得した気分。 僕の他に二人の現地在住とおぼしき日本人女性もフットマッサージを受けていた。 こういうのは評価のバロメーターになる。 おまけに料金の1時間300バーツ(約900円)もかなりリーズナブルだと思う。 さらに同じく二階の吹き抜けを囲む回廊部分でひっそりとやっているネイルのお店。 ヨメ曰く非常に丁寧な仕事ぶりで、ハンド&フットそれぞれケア込みで1,000バーツ(約3,000円)ほど。 延べ2時間半に渡ってみっちりやってくれたという。 やはりここも現地在住の日本人御用達のようである。 この他にアロマ・マッサージの店やスパもあり、雑貨専門のフロアもあり、バンコク巡りの必需品である「歩くバンコク」をゲットできる東京堂書店、体調が悪くなった時に助かる薬局、更には新しくフードコートもオープンして、チットロム周辺のホテルに滞在する人(特に女性)には非常にユーティリティーなスポットなのである。 ところで、タイによく旅行する人なら誰でも知っている前出の東京堂書店。 ここの社長さんがなかなかの苦労人というか、実に波乱万丈な人生を歩んでこられた方なのである。 興味のある方は下のリンク先をご参照いただきたい。 世の中にはいろんな人がいる。 人と出会うことは、だから面白い。 倉沢澄夫さん(バンコク):パソコンとソロバンで本屋経営
by theshophouse
| 2006-04-26 23:46
| Odyssey
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