人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Top
クレイマー、クレイマー
クレイマー、クレイマー_b0045944_2259748.jpg 世の中には何かにつけて文句ばかり言う輩がいる。 そうした人種に属する人たちは、むしろ文句を言うためのささいな落ち度を全方位的に24時間捜しまわっている。 或いはそもそも何の落ち度でもなかったものにすら因縁をつけてやり込めることに心血を注いでいる。 そうした阿呆どもの戯れ言に過剰に反応する企業側の腰抜け的姿勢にも看過できぬ問題がある。
 湘南に一度でも行ったことがある人なら、サーフボード用のキャリアーがついた自転車が存在することは御存知であろう。 もう何年も前、僕も初めてその光景に出くわした時、「さすが湘南、こんな自転車がフツーに走ってる。」と思ったものだ。 従って三井不動産販売が「海辺の近くということを演出するため」にこの素材を使おうと意図したのはまったく正しい。 これに対して「危険ではないか」とクレイムしてきた視聴者は「自転車へのサーフボードの取付けを増長する」との危惧があるようだが、この後ろ姿の自転車のサーファーの映像は、画面中の背景の一部で小さく2秒間映るのみである。 こんなことに「危険ではないか」と抗議の声をあげる人々とはいったいどういうヒトなのであろうか?と思うのである。
 僕がもし三井不動産販売の広報担当だったら、「危険ではないか」と抗議してきた人に「そういうあなたの態度こそ自由な表現や言論の弾圧に直結する危険な行為である。」と一喝するであろう。 したがってこのような無様な新聞沙汰になど絶対になってはいなかった。 あれが危険なのであれば、すべての健康系アミノ式のCMも当然「危険ではないか」となり、リポビタンDのCMも無論「危険ではないか」となる。 たぶんこの類いの人は「自衛隊はイラクへ行くな! 自衛隊の派兵反対!」と、絶頂期のオウム真理教よろしく奇妙なリズムで太鼓を叩き、ドンチャン騒ぎをやっている団体の方々と同じ人種なのであろう。 彼らにすれば、当然自衛隊がイラクに行くのも「危険ではないか」となる。  僕も危険だと思う。 極論すれば、世の中に危険でないことなんてない。 要するに僕が言いたいのは、このケースがほぼイチャモンのレベルである、ということである。 この新聞の見出しのつけ方も、そうした風潮を揶揄しているようにも見える。
 いま世間では鯉ヘルペス、牛のBSE(狂牛病)そして鳥インフルエンザの話題で持ち切りである。 鯉については元々好んで食べるほうではなかったが、牛肉も鶏肉も事件前と何も変わることなく食べている。 霞ヶ浦の鯉養殖業者の方々にとっては本当に死活問題であり、国の手厚い保護があって然るべきだと思う。 アメリカの牛肉についてはその危険性よりもむしろ、一昨年に日本でBSEが発生して以来アメリカが日本の牛肉の輸入禁止措置を未だに取り続けているという立場でありながら、自国でBSEが発生し、その後の抜本的な検査体制に何らの改善もないまま、日本に対して輸入を再会せよと、極めて理不尽な要求に及んでいるこの国の厚顔無恥な姿勢に腹がたつ。 鳥に至っては過熱処理でOKなのだから、ウイルスが人から人へ広がるようなことがない限りまったく問題はないと思われる。 人間を取り巻く環境について言えば、これから悪くはなることはあっても決して良くはならない。 人間はもっと強くならなければならない。 人間が矢継ぎ早に開発する殺鼠剤をものともせず、体中に新しい抗体を作り続けてタフになっていったスーパーラットのように進化し、サバイバルしていかなければならないのだ。
 先日テレビで或るニュースを観た。 BSE騒ぎの中、ニューヨークのハンバーガーショップで「狂牛病バーガー」なるものが発売され、なかなかの売れ行きだという。 もちろんブラックジョークで、実際に狂牛病に汚染された牛肉が使用されているわけでは無論ないが、このアホさ加減というか逆転ヤケクソ商法とでも言うべきノリが日本という文化国家にはツメの垢ほども存在しない。 どこもかしこも「~の販売は休止させていただきます」調のいわば敗北宣言の貼り紙が掲出されるだけである。 鯉の洗いヘルペス風はまだしも、吉野屋の狂牛丼、インフルエンザ鳥・スリル満点ミディアムレア焼きなどという挑戦的な新メニューの開発の話は聞かない。 アメリカってのは横暴で阿呆で最低な国だが、唯一この点においては日本も、そして我々日本人も大いに見習うべきではないかと僕は思うのである。(2004/2/4出稿を再録)

Vote for Design+Art Blog Ranking
by theshophouse | 2004-12-12 23:01 | Critique
<< バンコクの籠売り(2000) くうねるあそぶ >>



思うところを書く。
by theshophouse
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
Critique
Asian Affair
蹴球狂の詩
Odyssey
Photographs
Iiko et Tama
Non Category
Food
Mystery
Design
アジア人物伝
Alternative
Books
Movie
Sounds Good
昭和
モブログ日報
F1
号外
Profile
以前の記事
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2001年 10月
フォロー中のブログ
国境の南
osakanaさんのうだ...
青いセキセイインコ推定4...
THE SELECTIO...
V o i c e  o...
わしらのなんや日記
90歳、まだまだこれから...
午前4時から正午まで
藪の中のつむじ曲がり
PISERO しゅうまい...
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧