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可能性と限界
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 岡田監督の方法論は正しいのだろうか? オランダ戦はあらためてそのアプローチに疑問を抱かせる内容だった。
 確かに日本は前半押し気味に試合を進めた。 中盤でのプレスが効いてたびたび相手ボールをインターセプトして攻め上がるものの、フィニッシュの部分での精度は相変わらず。
 後半、オランダも立て直し序盤は互角の展開だったが、前半から飛ばしていた日本は急激に電池切れを起こして失速、中盤でプレスがまったくかからなくなり、ロッベンと代わって入ったエリアの面倒を一人で見させられて消耗が著しかった内田の裏のスペースを再三突かれた。 後半24分からの3失点は必然だった。
 痛かったのは2点目。 ペナルティエリア前のスナイデルの正面で中澤がシュートブロックの態勢にあったが、その外側のわずかな隙間を通されて失点。 小さな振り脚で放たれたシュートに中澤の反応も遅れ、ブラインドになったGK川島も反応が遅れた。 この2点目はヘコむ。(´・ω・`) フンテラールの3点目もそうだが、チャンスはピンポイントでゴールに結びつける。 やはり決定力の差は如何ともし難い。
 岡田監督で試合直後のインタビューで「攻守にわたってどこか1つでも抜けるとやられるということがあらためて分かりました。 厳しさというか、どこか1つでも甘いところがあるとほころびが出る。 1人走るのが遅れるともう間に合わない。」と語っているが、今日オランダと少なくとも前半だけは互角以上に戦えたことをよすがに今後も戦っていくつもりなのだろうか? つまり、日本がオランダのような国に勝ってベスト4入りするには今日の前半のようなプレーを90分間続けることが大前提だと。
 たったひとつのミスさえ甘受できないというのならフットボールなんてやらなければいい。 ピッチには11人の仲間がいる。 そのミスをバックアップすることまで考えて初めて「戦術」だろう。 フットボールの戦術は、システムエンジニアが頭の中で考えるソフトウェアのプログラムとは違う。 後半足が止まった時のマネージメントをどうするか? 消耗の激しい選手を交代する策もあるし、システムをいじる策もあるだろう(この点いつもは単に五月蠅いだけの松木は今日珍しくマトモなことを言っていた)。
 今日の試合はドイツW杯でのオーストラリア戦、ブラジル戦の延長線上にある。 つまり前半から飛ばしていった挙げ句失速し、最後に立て続けに失点する試合。 つまり日本はこと試合運びという点においては2006年から3年以上たった今もまったく進歩していないということになる。
 世界ランク40位の日本はフットボールにおいて明らかに弱者である。 そして、フットボールにおいてアップセットを起こすチームが採用するセオリーといえば、ガチガチに自陣ゴール前を固めてからのカウンターというリアクション・フットボールである。 その戦術をカテナチオという「国技」にまで昇華させてしまったイタリアはともかく、今さら日本にそんなものを期待するわけでもないし、日本人の民族性にも合わないと思う。
 結局日本は今日のように後半20分ぐらいから電池切れするのを覚悟で、それでも強者には最初から玉砕覚悟で特攻していくしかないのだろうか?
 W杯において仮にその戦術が完璧に機能し、ひとつの試合を成功裏終えることができたとして、それから数日後の次の試合で同様のパフォーマンスを見せることができるのだろうか?
 日本代表の可能性と限界を同時に見せられた。 そんな試合だった。
by theshophouse | 2009-09-06 01:18 | 蹴球狂の詩
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