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生きていたいいこ
b0045944_183916.jpg いいこはうちに来るとすぐにお気に入りの椅子に座ります。 フィリピン製の、海草を編んでつくられたラウンジ・チェアがいいこの居場所です。 なぜいいこがこの椅子を選んだかは定かではありませんが、おそらく細いロープのように編まれた海草が爪を研ぐのにちょうどいいからだと思います。
 そんないいこですが、ここ2週間ほど姿を見ないのです。 これまでも同じぐらいの期間、僕の前からふっと姿を消すことがあったのでそれほど心配していたわけではなかったのですが、先日うちの近所の交差点にたくさんの花束とキャット・フードが供えてあったのを見てからというもの、いいこの身を案じる毎日でした。
 ところが今日、仕事に出かけるために家を出ると、どこからともなくいいこが現れたのです。 僕は安堵のあまり、いいこを抱き上げてぐるぐる回してしまいました。 いいこをぐるぐる回しながら「天に召されたのは八百屋のトラジマだったか・・・。 志なかばでさぞかし無念だったろう・・・。」と、やはり最近めっきり姿を見かけなくなった近所のデブ猫を想いました。
b0045944_1832035.jpg ともあれいいこは無事、さっそく家で御馳走のモンプチ(通常はキャラット)をあげると瞬く間に平らげてしまい、かなりお腹を空かせていた様子。 見ての通りの巨体に更に磨きをかけてしまいました。 時々小型の牛と見紛うこともあるのですが僕はそんないいこが大好きです。
 せっかく始めたいいこのコーナーが「いいこの死去」という最悪の事態によって打ち切りにならずにほっとしています。 これからもいいこの日常生活を克明にリポートしていきたいと思います。(1999/4/6出稿を再録)

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# by theshophouse | 2004-10-16 18:04 | Iiko et Tama
長浜ラーメン
b0045944_17361718.jpg 先日仕事で福岡に行ってきました。 福岡は僕にとって故郷であり、生まれてから22年間を過ごした街でもあります。
 福岡という街には、大陸に近いことから交易によって様々な文化が流入してきました。 なかでも食文化は中国や朝鮮の影響が今でも色濃く残っています。 朝鮮から伝わった明太子や中華火鍋をルーツとするもつ鍋も、大陸からはいってきたものを福岡の風土に合うように咀嚼していった結果生まれたものです。
 これから紹介する長浜ラーメンもそんな食べ物のひとつです。 そもそも長浜ラーメンの名前の由来ともなっている長浜通りは港に近いところにあり、戦後長浜に屋台が立ち並び始めた頃はもっぱら港での荷役に従事する港湾労働者のためだけのものでした。
 今でも長浜通りの屋台街でラーメンを注文すると、まず最初に空のどんぶりに塩がたっぷりと盛られ、そこに豚骨スープが注がれます。 これは苛酷な労働で大量の塩分を必要とした港湾労働者たちの嗜好の名残りなのです。 この屋台街は、はっきり言って「日本じゃない」です。 福岡は直線距離で見ると東京より上海の方が近い土地柄ですから、初めてこの地を訪れた人がアジア的なものを感じてしまうのも無理もないことです。
 ところがこの博多名物の屋台も行政の横暴で「今の代限りで廃業」を余儀なくされ、博多の街から姿を消そうとしています。 行政ってやつは必要なことは何もしないくせにまったく余計なことばかりやるものです。 日本の行政は一方で町おこし、村おこしを奨励しながら一方で地方色の消滅を画策し、日本全体を金太郎飴のような画一的都市の集合体に作り変えようとしているのです。
b0045944_17363994.jpg すっかり話がそれてしまいました。 長浜ラーメンの話に戻ります。 数ある長浜ラーメンの店のなかでも定番中の定番といわれる店が『元祖長浜屋』です。 この店は長浜通りにあるのですが屋台ではありません。 ラーメン一杯400円、替玉50円、替肉そして替汁もあります。 ちなみに僕が学生だった10年前は一杯250円でした。 店に一歩足を踏み入れることイコール「ラーメン一杯ちょうだい」です。 言葉を発する必要すらありません。 ただし、硬めの麺が食べたいなら入店時に「かた」と言わなければ普通の硬さの麺が出てきます。 店の人は客の入店と同時に麺をゆで始めるからです。 寡黙な人なら一言も口をきかずに店を出ることも可能です。 味は最高。 言葉はいりません。
 東京にも多くの豚骨ラーメンの店があります。 ごく稀に「うまい」店はありますが「本物」の店は残念ながら一つとして存在しません。 断言できます。 多くの店が「こってり」を売りにしているのに対して本物は「さっぱり」しているからです。 こってりの東京型長浜ラーメンに慣れてしまった人が本物を食べた時に物足りなさを感じてしまう。 これは実に嘆かわしいことです。
b0045944_17365341.jpg 話はまたそれるのですが、最近よく「頑固なラーメン店主」とか「頑固な寿司店主」をテレビで見ることがあります。 僕の持論として「客にサービスできないなら店など出すな」というのがあり、こうした「頑固系」が社会的に認知されつつある現状に激しい憤りを感じています。 だいたいにおいて頑固系はラーメンとか寿司のような単品しか料理することができません。 色々作る技術自体持ち合わせていないような最低の料理人なのです。 そのくせ「俺はこの道を極めた」なんてことを堂々と言ってのける。 吐き気がします。 テレビで見てわざわざ並んでやっと席に着いてラーメン食べて怒られて追い出される間抜けな客も客。 みんなでこういうふざけた店はボイコットして潰しましょう。 今すぐこの地球上から抹殺しましょう。(1999/4/20出稿を再録)
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# by theshophouse | 2004-10-16 17:51 | Food
選挙ポスターにもの申す!
b0045944_16571135.jpg もうすぐ東京都知事選挙です。 このコーナーで政治的発言をする気は毛頭ないのですが、乱立する候補者で混迷の度合いを増してきた今回の知事選挙の候補者ポスターのなかに面白いものを発見しました。
 宮崎喜文氏30歳。 マスコミへの露出も皆無なので、このポスターを見るまではその存在すら知るところではなかったのですが、ポスター紙上にも略歴などのデータはまったくなく、謎の人物です。
 一見しただけで失笑をかってしまいそうなこのポスター、何だか平壌の街頭にでもありそうなプロパガンダ的な色彩と新興宗教の匂い、「セルフヘルプ東京」というやや具体性に乏しいスローガン、花によってさらに際立つシュールさ、そして本人のすっかりイッちゃってる目と不自然に赤いほっぺた、そのすべてが「あやしい」の一言に尽きます。
 意外に、この機会に顔を売ってから芸能界にデビューしようなんていう電波少年的なゲリラ戦法を得意とする三流お笑い芸人かもしれません。 と思っていたら今日の新聞に入っていた選挙公報に彼の主張が載っていました。 言っていることはごく普通でひどく失望させられてしまいました。 とにかく居並ぶお歴々のなかで異常に注目を集めているポスターなのでした。
b0045944_16573570.jpg 柿沢こうじ氏には僕はあまり良い印象をもっていません。 何年か前に彼が初入閣した時に、例の記念撮影で自分より年配の老議員と肩を押し合いへし合い、少しでも真ん中の方で写真に写ろうと、実にこそくで見苦しい「おしくらまんじゅう作戦」を展開していたのをテレビで見てしまったからです。
 今回の知事選挙でも「党を離脱してでも私は立つ!」なんて大見栄をきって出馬したのですが、それもこれも彼一流のポーズであることは自明の理。 都政には無関心で権力欲は旺盛、とても一国の首都のかじ取りを任せられるような人間ではありません。
 だいたいこのような写真をポスターに使うこと自体、変です。 正しい選挙のポスターに求められるべき正しい笑顔とはあくまでさわやかな笑顔であったはず。 そこへいくと柿沢氏のこの笑顔は、どっかの料亭で間抜けな支援者に袖の下でも渡されて「どうかこれでひとつ・・・例の件、よろしくお願いします。 しかしまあ柿沢さんもワルですなあ。」などと言われて思わず「フヒヒヒ」と苦笑いしているまさにその刹那の笑顔ではないでしょうか? 風車のやひちが聞いてたらただじゃ済まないぞ! まったくこんな輩にレジオン・ドヌール勲章を進呈したフランス政府は何を考えているのか。
 結論としてドクターしかいませんね。 ゴミ・環境ホルモン・ダイオキシン対策発明「ドクター中松ムカンホ」、交通渋滞を解消する発明「ナカマトラフィック」、都民の携帯電話の通話料を現行の半分にする発明、原発にかわるエネルギーの発明「ドクター中松ジェネレータ」、消費税をゼロにする発明、貸し渋りを防止する発明「ナカマファイナンス」、サラリーマンが十年で家がもてる発明「ドクター中松ハウス」、高齢化社会を救う「リポディ」発明、少子化対策発明「ラブジェット」、そしてテポドンから東京を防衛する発明「ロケット180°反転DND」などの素晴らしすぎる公約(選挙公報より抜粋)の数々。
 やっぱりマスゾエにしようかな。(1999/4/6出稿を再録)

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# by theshophouse | 2004-10-16 17:23 | Critique
日本でワールドカップをやるなんて100年早い!
 これまでこのページではあまり言う機会がなかったが、僕はサッカー好きである。 今年もかれこれ3回もJリーグを観に行った。 今年はすべて新しくできた東京スタジアムでのゲームであった。 最初がスタジアムのこけら落としでもあったFC東京対東京ヴェルディ1969、つまり初めての東京ダービーで、次がピクシーことドラガン・ストイコビッチの日本でのラストゲームとなった東京ヴェルディ1969対名古屋グランパスエイト戦、最後が先日の今シーズン最終戦の東京ヴェルディ1969対FC東京、つまり2回目の東京ダービーであった。
 しかしこの2回目の東京ダービーはただのダービー・マッチではなかった。 そう、東京ヴェルディのJ1残留をかけた大一番だったのである。 当初J2降格が確実視されていたヴェルディだったが、つい一ヶ月前に助っ人として来日したエジムンドの活躍もあって、彼の加入後の5試合を3勝1敗1分けというおよそ今年のヴェルディでは考えられない土壇場の快進撃で最悪の状況から脱し、この日の試合に勝てば残留する可能性が高くなっていた。
 僕は降格するにしても残留するにしてもとにかくヴェルディの最後を見届けようと、急遽近所のローソンに赴きLoppiにてチケットをゲットしたのであった。 しかしこの試合を観に行きたくなった理由はもうひとつあった。 末期症状に陥ったヴェルディの中で孤軍奮闘するエジムンドをテレビで観て、これは実際にこの目で観なければと思ったのである。

b0045944_1122189.jpg 11月24日、3万6千人の観衆を飲み込んだ東京スタジアムは一種異様な雰囲気に包まれていた。 3月10日の東京ダービーの時には多勢に無勢で完全にFC東京のサポーターに圧倒されていたヴェルディサポーターもこの日はホーム扱いということと、降格の危機という非常事態がこれまでにない一体感を生み出したのか、威勢の良さではFC東京側にひけをとっていない。 やがて試合開始。 ヴェルディは前線からプレスをかけまくって怒涛の攻め、ケガや累積警告でアマラオ、ケリー、サンドロのブラジルトリオを欠くFC東京は終止押されっ放しで、三浦文丈の偶然の突破と右サイドの佐藤由紀彦からのクロス頼みの展開。 やがてエジムンドがペナルティエリア内で相手ディフェンダーと競ったこぼれ球を永井がゴール左隅に蹴り込んで、結局これが決勝点となりヴェルディがどうにかJ1残留を果たした。
 ヴェルディの運命は他会場の経過にも左右される状況だったので、ヴェルディの小見監督はナーバスな日本人選手たちを試合に集中させようと、ハーフタイムにもまったく他会場の経過を選手に教えず、ただただ試合に集中するよう求めた。 スタジアムの大型スクリーンにも一瞬他会場の途中経過が表示されたが、音声でのアナウンスはなかった。 後で知ったが、アナウンスするとロッカールームの選手たちにも聞こえてしまうとの配慮から取り止めたそうである。 日本人は何とナイーヴなのであろうか! そんななかでエジムンドは「俺にだけは他会場の経過を教えろ。 俺は状況に応じてプレーを変えられる。」と小見監督に要求。 監督もこれに応じ、試合中アビスパ福岡の試合経過は逐一エジムンドにサインで伝えられた。 これこそプロ、まさに仕事人である。
 エジムンドは素晴らしかった。 僕もこれまで色々なプレイヤーを実際にこの目で見てきた。 レオナルド、ストイコビッチ、中田英寿、デビッド・ベッカムそしてライアン・ギグス。 しかしこの日のエジムンドはその誰よりも素晴らしかった。 額に入れて飾りたくなるようなトラップ、圧倒的なキープ力、的確なポジショニング、無尽蔵のスタミナ、そのいずれもが超一級品であった。 相棒のマルキーニョスが審判や相手ディフェンダーに文句を言っているのを諌めたり、チームの為に一人ひたすらボールを追いつづける姿勢に「問題児」の面影は微塵もなかった。
 そのエジムンドが試合後、泣いていた。 ヴェルディの他の選手が笑っているのに、である。 エジムンドは昨年のシーズン終盤にもセリエAから降格目前のナポリに助っ人として呼ばれ、奮闘するもチームを残留させることができなかったという苦い経験をしている。 そんなこともあったのだろうか、ヴェルディを事実上自分一人だけの力で残留させたことに心から満足しているようだった。 しかしそんなエジムンドに来期のヴェルディのオファーは来ていないという。 種目は変わっても読売グループの人材登用のやり方は相変わらずの使い捨て方式のようである。 たった一ヶ月プレーしたチームにここまで感情移入し、チームをJ1残留に導いた男と契約を更新しなくていいのか? エジムンドなくして来期のヴェルディのJ1残留もありえない。 毎日サッカーをやってメシ食ってるのがサッカー選手であろう。 であれば誰もが彼ほどの高みに登れるよう努力すべきだ。 日本人プレーヤーのなかにはお粗末としかいいようのないプレーしかできない選手も多い。 ヴェルディの他の選手は残留が決まり、みな喜々としている。 彼らがもし降格していたら彼らのなかに涙を流す者がいたであろうか? エジムンドの涙を見て、僕は彼らとエジムンドの間にあるサッカーへの情熱、勝利への渇望に天と地ほどの隔たりを感じざるを得ない。

 久しぶりに金を払ってまで見るべき価値のある選手とそのプレーに出会い、僕は心地よい高揚感とともにスタジアムを後にした。 日本でワールドカップをやるなんて100年早い。(2001/11/30出稿を再録)

※2001年12月14日、エジムンド選手の2003年1月までの契約延長が決まりました。
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# by theshophouse | 2004-10-16 01:14 | 蹴球狂の詩
Author's profile
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 1966年福岡生まれ。
 大学卒業と同時に上京し、インテリアデザイン事務所に勤務。 主に商業空間のデザイン・設計に携わる。 のちにプロダクトデザイン事務所に勤務。 家具を中心としたプロダクトデザインのソフトを顧問契約を結ぶ複数の企業に提供するという、少々地味な仕事に従事。 時はバブル期、やがてデザインそのものとそれに関わる自分に失望、業界から一旦足を洗う。
 その後、インドネシアからのアンティーク家具の輸入卸業で起業。 都内在住。

趣味/古地図収集
好きな食べ物/釜飯、ハモン・イベリコ
好きな酒/ペルノー・オレンジ、そば焼酎
嫌いな食べ物/甲殻類
好きなインテリア/映画「探偵物語」で松田優作扮する探偵・辻山の部屋
好きな作家/ロラン・バルト、レヴィ・ストロース、カルロス・カスタネダ、宮嶋茂樹
好きな建築エレメント/ドリス式オーダー
好きなアーティスト/ロバート・ラウシェンバーグ、エドワード・ホッパー
最も魅力的な国/日本、タイ、チベット、マレーシア、スペイン
このブログの目的/随想、備忘録、主張、暇つぶし
更新頻度/10日に1回ぐらい
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# by theshophouse | 2001-10-01 10:30 | Profile



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