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スタジオセットが目に沁みる
 健康上の理由から或る特定の局のニュース番組は見ないようにしている。
 日本のプライムタイムのニュース番組に、リビングルーム的なスタジオセットが登場するようになった先駆けは「ニュースステーション」だったということは以前にも書いたが、今ではそんなリビングルーム的なスタジオセットの時代は終焉を迎え、各局ともに新たな方向性を打ち出している。
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 「ニュースステーション」の後番組である「報道ステーション」では出演者の背後に池を造り、「これでもか!」というぐらい左官仕事によって仕上げられた白壁に、ペールトーンの赤、青、緑で塗られた荒いテクスチュアの柱がライトアップされている。
 それまでの具象から抽象へと180度方向転換したスタジオセットだが、これは前任者だったアンカーの久米宏の、良くも悪くも強烈なイメージを払拭するためにも必要不可欠な作業だったといえる。 そこから伺えるイメージは「ナチュラル」ぐらいのものだが、常に偏向気味のこの番組にあって、唯一中道を保っていると言っていい。
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 「NEWS ZERO」のテーマカラーはグリーン。 フロアや壁面の一部に使われている色味の違う木質系パネル(シート?)とテーマカラーのグリーンの相性は良い。 これは樹木の幹と葉の直喩なのかも知れないが、この番組が頻繁に取り上げるエコの話題とも連動する。 番組開始当初スタジオを彩った大石恵や川原亜矢子ら痛いキャラも淘汰され、番組は落ち着きと自信を手にしつつある。
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 「News JAPAN」はこのところスタジオセットを変えていない。 そのデザインはアメリカの三大ネット(ABC、CBS、NBC)のニュースショーを彷彿とさせる。 暗めの色調のスタジオに抑え目なライティング。 各局の中で一番遅い放送時間帯であるということと、視覚的にもスタジオに「明るさ」を要求されるスポーツの部分を「すぽると!」という別番組に分離させることで報道に特化できるので、このような落ち着いた雰囲気のスタジオセットが実現している。
 「斜め45度の女王」滝川クリステルの背後に見えるパイプオルガンのパイプの配列のようなパターンは、建築家ミノル・ヤマサキが設計し、911テロで倒壊したワールドトレードセンターの低層部にも表現された尖頭アーチの連続を逆さにしたようにも見える。 ちなみにこの尖頭アーチはイスラム建築にも見られる構成要素で、ミノル・ヤマサキが自らの作品に好んで使ったモチーフである。
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 問題なのは、その番組名に亡霊のようにその名を連ねていた「筑紫哲也」がようやく撤去された、「ただのNEWS23」のスタジオセットである。
 まず目に飛び込んでくるのは強烈な赤い光を発する巨大な網目模様。 これがどうにも目に痛い。 出演者はまるで巨大な電気ストーブの前で仕事をしているかのようである。 どうやらテーマカラーは赤らしく、デスクに備え付けられている椅子も赤い革張りのものである。
 一方でその電気ストーブの網の目の奥に見えるのは白い石積みの壁、例の赤い光を発するグリル、幾何学的な凹凸がつけられた白壁、ミラーボールをバラして貼り付けたような世界地図と、異なる要素が共存している。 そしてそれらはお世辞にも良いバランスでそこにあるとは言い難い。 ローテクとハイテクが最悪の形で共存し、多種多様な素材は個々に主張し合ってノイズを発し、例の赤い光によって悪趣味な見せかけの統一感で虚飾され、スタジオはカオスと化している。
 セットをデザインした人間がどういう意図を持ってこのような世界を創り出したのかなんてもちろんさっぱりわからないが、これはもうほとんど視覚テロの領域だ。 視聴者に危害を加えるのが目的なら仕方ないが、そうでなければこんなものに莫大な費用をかけるより、いっそこんな悪趣味なセットなど全部撤去して背景はすべてブルーバックとし、少しはニュースを正しく伝えることの方に注力して欲しいものである。


滝川クリステルの角度についての一考察
最近のニュース番組について
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by theshophouse | 2008-06-28 01:55 | Design | Comments(2)
【QMK】バーレーンGK「急に巻が来たので」
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 どうやらバーレーンにとって埼スタは呪われた場所らしい。 
 バーレーンと埼スタで思い出さずにはいられないのが、2005年3月30日に行われたドイツW杯最終予選での試合。 引いて守るバーレーンのゴールをこじ開けられず、焦燥感がスタジアム全体を覆い始めた後半27分、ジーコジャパンはバーレーンの10番サルミーンの起死回生のオウンゴールによってドイツに一歩前進した。
 歴史は繰り返す。 あの時と同様、圧倒的にボールを支配しながら決め手を欠き、一方で時折繰り出されるカウンターや際どいミドルシュートに手を焼いていた今夜の岡田ジャパン。 既にグループリーグ突破は決まっているものの、最終予選に臨む日本代表に漠とした不安感が募りつつあったロスタイムにそれは起こった。
 相手のクリアボールを内田がヘディングでゴール方向に押し戻す。 ボールはゆるやかな放物線を描いてエリア内でワンバウンド。 相手GKにとって不運だったのは、明らかにボールへの反応が遅れながらも無理やり特攻してきた巻がその瞬間に自分の前を横切ったこと。 巻のトリッキーな動きに幻惑されたのか、その動きでボールが一瞬ブラインドに入って目測を誤ったのかは定かでないが、とにかくボールは呆然と立ち尽くすGKの上をあざ笑うかのように超えてネットを揺らした。 記録上は内田の代表初ゴールだが、実質的には巻のゴールと言っていい。 もっともその事は巻自身が一番良くわかっていたようで、直後に相手ゴールネットを鷲づかみして咆えていた。
 無論マトモなGKなら難なく処理しているボールである。 その重過失があの時間帯に起こってしまうのもこのスタジアムの魔力の成せる業なのだろうか。
 思い返せば埼スタでのW杯予選には終了間際やロスタイムのドラマがつきものだった。 ドイツW杯一次予選オマーン戦での久保、同最終予選初戦の北朝鮮戦での大黒の勝ち越しゴール。 それらはいずれも相手のクリアミスを得点に繋げたものだった。 そう、まるで今日の巻のエアゴールのように。
 このスタジアムで飽くことなく繰り返される奇跡のようなゴールを目にする時、やはりこの地には日本代表を守る「何者か」が存在していると考えるのが自然であり、そろそろスタジアム内の然るべき場所にロスタイム神社を建立すべきだろう。

 結果、岡田ジャパンはグループ1位で最終予選への進出を決めた。 結果を出したことについては評価に値するものの、内容には大きな不満と不安が残った。
 主力選手の数人を連れて来なかったバーレーンに対し、ボールは支配するものの、なかなかフィニッシュに至らない。 特に後半は内田と安田の両SBの裏のスペースを使われたり、中央でボールを失ってカウンターを喰らい、FKやミドルシュートでゴールを脅かされる。 経験不足の若手両SBを本気で使うつもりなら、ボランチの一枚には鈴木啓太のようにカバリングと運動量で勝負できる選手が必要だ。 でなきゃ危なっかしくてとても見ていられない。
 松井と長谷部の欠場は最終予選初戦での警告累積欠場を避けるための処置だが、ただでさえパサーばかりのこのチームからドリブルという推進力を奪った。 内田と安田にもライン際をぶっちぎる突破力はない。 中村と本田の二列目もピッチの中央でのプレーが多くなってサイドに起点ができない。 いきおい攻めは単調になり、バーレーンも時間を追うごとに日本の攻めへの対処の仕方を学習していった。
 ようやく日本の攻めに躍動感が感じられるようになったのは後半27分の玉ちゃんのシュートあたりから。 ピッチをワイドに使い、相手のクリアボールを拾って連続攻撃に繋げる。 早いテンポでパスが繋がり、玉ちゃんが立て続けにシュートまで持ち込むが、バーレーンもゴールを許さない。
 後半35分、岡ちゃんは巻を投入し、釣男を前線に上げて禁断のパワープレーに出たが、二人に効果的なボールが入る気配はない。 いよいよロスタイムに入り、ドローを覚悟した刹那の決勝ゴール。 それは3ヶ月前にマナマで日本が受けた屈辱をひとまず払拭するものとなった。

 目下のところ、岡田ジャパンはやはり守備から始まるチームである。 攻めてくる相手に対しては高い位置でプレスをかけてボールを奪取し、手数をかけずにフィニッシュに持ち込み、引いて守る相手に対してはサイドから崩すという青写真があるのはわかるが、いずれもフィニッシュの部分は個の力頼みで、オシムの時のように複数のプレイヤーが連動して崩していくスタイルは影を潜めた。 それでも後半27分からパワープレーを始めるまでの数分間には連動性を感じさせる攻めが見られた。 やはり活路はここにある気がしてならない。
 人数をかけてボールを奪いに行って、もし奪取できず相手に前にボールを繋がれたらどうするのか? サイドのスペースを消された時にはどう攻めるのか? 釣男と中澤のツインタワーでより破壊力を増したセットプレーはひとつの答えだが、それだけで最終予選を戦い抜くのは心もとない。
 オシム色を拭い去りつつある岡田ジャパン。 それでも彼らに必要なのはオシムが説いた連動性なのではないだろうか。


 巻のエアヘッド、キーパーのブラインドにすらなってないな…。
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by theshophouse | 2008-06-23 01:45 | 蹴球狂の詩 | Comments(6)
美容室の猫
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 いつも行ってる美容室。 ドアを開け、いつものように待合いのソファーに座ろうとしたら先客がいた。 猫だった。
 以前からこの界隈で時々目にしていた奴だ。 聞けばこのところ夕方になると毎日ご相伴に預かりに来るようになったという。
 猫は瞬時に空気を読んだのか、のろのろとした動作で起き上がり、ソファーから降りてカウンターの陰に隠れた。 そばに行って鼻先に指を近づけてみると、くんくんと匂いを嗅ぐように鼻を擦りつけてきた。 そのことを美容師さんに告げるといたく驚かれた。 なんでも、この猫は警戒心がとても強いそうで、直接触れることができた人間は僕が二人目とのこと。 美容師さん曰く「○○さん(僕の名前)って動物には好かれますね!」。 感受性が人一倍強い僕は、「動物には」のところにアクセントがあったのがとても気になった。
 この美容室に毎日散歩の帰りに立ち寄っていた近所のおばさんの老犬が先日亡くなり、この猫はちょうどその犬と入れ替わるようにこの店に来るようになった。 もっとも老犬と野良猫が共存していた時期もわすかながらあったようで、二匹の間では人知れず「引き継ぎ」が行われていたのかも知れない。

 このブログのアクセスログを見ると、以前こちらの美容師さんのことを書いたエントリーこんなページにリンクされていた。 そのせいで当該エントリーの閲覧数はこのブログの中でも一、二を争う。 ご自身の知らぬところで有名になっている美容師さん。 さすがにあの巨匠の髪を捌いていただけあって、その手腕は既にマエストロの域。 店はいつも大盛況でなかなか予約を入れることすらできない。
 実はこの美容室のウェブサイト、今から6年前に僕が依頼されてつくったものなのだが、さすがに古くなってしまった。 そろそろどうにかしなければ…。
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by theshophouse | 2008-06-18 01:59 | Non Category | Comments(4)
どうしようもない藤井アナの亡国実況と日本の両サイド
 試合が行われたラジャマンガラ・スタジアムは、僕が観戦するつもりだった昨年のアジアカップ、タイ対オーストラリア戦が行われた場所。 ちなみにこの試合、タイは終始アグレッシヴなサッカーを展開したが詰めを欠き、ヴィドゥカとキューウェルにチンチンにやられて0対4の大敗を喫した。 タイはホームでしばしば驚くべきパフォーマンスを見せるが、脆さも同居する。 今夜のタイはどっちのタイだろうか。

b0045944_128513.jpg 試合開始前から日テレの藤井アナの亡国実況が耳につく。 口を開けば中村の右足のケガのことばかり。 おまけに「この審判は昨年のアジアカップで日本が韓国にPK戦で敗れた試合を裁いたレフェリーです」と、わざわざご丁寧に不吉なエピソードまで紹介。 さすが「ドンチャンゴールイムニダ!」の藤井アナ、今夜も正常運転である。
 藤井アナの中村の右足のケガへの言及は試合が始まってもいっこうにおさまる気配がないどころか、むしろ言い続けることで中村の右足に呪いでもかけようとしているかの如く執拗に繰り返される。 一方で中村は、その右足のケガもなんのその、軽快に動き回り、ディフェンスでも体を張る。 もちろん痛みはあるのだろうが、ピッチに立っている以上ベストを尽くす。 少なくとも画面を通して見る限り、その動きにケガの影響はまったく感じられなかった。 それでも藤井アナはなおも続ける。 「中村の右足は最後までもつのか?」 もうね、アホかと、バカかと。

 前半、日本はこないだの横浜でのオマーン戦のように前線からプレスをかけた。 攻守の切り替えは早く、早い時間帯に点を取って試合を決めてやろうという意図が見てとれた。 果たして日本の目論見はあたり、セットプレーから釣男とボンバヘのゴールが決まって2対0で折り返した。
 ところが後半に入ると、前半の飛ばしすぎがたたってか、徐々に日本の足が止まり始めた。 最終ラインは終始下がり気味になり、前線との距離は間延びし、コンパクトな状態を保てなくなってきた。 必然的に選手間の距離は離れ、プレスもかからなくなり、中盤に大きなスペースを空けてしまったところをタイに使われ始めた。 特に後半3分から入ってきたタナー・チャナブットのスピードに手を焼き、日本は受けに回る時間帯が続いた。 しかし、タイが脆さを露呈するのは、決まって自分たちが攻勢に転じている時である。 後半43分、途中から入っていた中村憲剛にゴールを許す。 やはり詰めが甘かった。
 それでも、後半に限ればタイの方が日本よりいいサッカーをしていたと思う。 後半36分、釣男がエリア内に侵入したティーラシンを際どいショルダーチャージで防いだシーン。 日本はタイにショートパスをダイレクトで何本も繋がれ、完全に崩されていた。
 日本のブレーキとなったのは、やはり両サイドだった。 左の駒野。 中村憲剛への浮き球のスルーパスは賞賛に値するものの、それだけだった。 むしろ印象に残ったのは前半に左サイドを駆け上がり、その挙げ句相手DFに見舞った崩れ横四方固め。 やはり芝生より畳の上でこそ輝ける選手だ。
 内田についてはもはやコメントする気もおきない。 A代表はおろか、U-23にも不要な選手であることだけは間違いない。 あろうことか、あの加地さんのワンパターンの突破が、ゆるやかな放物線を描いた末にサイドチェンジと化すクロスが、危険なところを嗅ぎつける能力が高いがゆえにしばしば戦犯扱いされるディフェンスが、それらすべてがいとおしい。
 本来両サイドは危険に満ちた「追い越し車線」であるべきなのに、日本のそれは登坂車線とか路側帯とか側溝の類いだ。 ここをどうにかしないと日本代表に明日はない。


タ、タ、タイランド~
日本の右サイドはこれでいいのだ!/藤井アナの亡国実況
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by theshophouse | 2008-06-15 01:30 | 蹴球狂の詩 | Comments(5)
FAIR JUDGEMENT, FAIR BROADCASTING PLEASE !!
b0045944_239405.jpg 試合前、笛を吹くのがマレーシアのサレー主審と知り、愕然とした。 この試合は荒れる。 確実に荒れる。
 日本がアジア予選などで中東勢と試合をする場合、中立的な地域ということで東南アジアの国の審判が笛を吹くことになる。 ところが、東南アジアにおいて一定水準以上の笛が吹けるのはタイの審判のみである。 しかし今回はタイが同じグループにいるため、必然的にタイ以外の審判になるのだが、シンガポールやマレーシアの審判は非常にレベルが低く、ゲームをコントロールする能力は概して低い。 
 特にマレーシアのサレーシンガポールのマイディンはオイルマネーによって買収済みで、必ずと言っていいほど中東寄りの笛を吹くことで知られる。 日本は過去何度もこの二人の異常な笛に苦しめられてきたものだ。 そしてこの試合でも日本はサレーの笛に悩まされることになった。
 オマーンは、前のエントリーで予想したように日本の中盤のプレスを嫌い、立ち上がりからロングボールを蹴ってきた。 それも日本の左サイド・駒野の裏を一点集中で衝いてきた。 前半12分、それが功を奏して日本の左サイドの深い位置で得たFKからオマーンが先制する。 オマーンも駒野のポテンシャルの低さには気づいていたのだろう。
 1点を先制したオマーンはドン引きに引いて、カウンター狙いへと作戦変更する。 それとともに中盤をフリーにしてくれたため、日本もパスを繋ぎながら徐々にリズムをつかんできた。 前半30分には遠藤のCKに中澤が合わせ、33分には中村のクロスに大久保が合わせるが、いずれもGKアルハブシの好セーブに阻まれる。
 後半、日本はサイドからの攻めが目立ち始める。 両サイドからのクロスが弾き返されても執拗にこぼれ球を拾い、連続攻撃に繋げる。 後半8分、長谷部のスルーパスに反応した玉ちゃんが倒されてPKゲット! GKアルハブシにとって、ペナルティスポットに歩み寄ってきた選手が中村でなかったことは想定外のことだったはず。 夜な夜な中村のVTRを観てはそのPKの球筋を頭に叩き込み、万全の対策を立ててきていたであろうボルトン所属のGKは、日本の誇るPK職人のコロコロPK弾の前に微動だにできなかった。 その姿は受験当日に自分が予習した問題がまったく出題されず絶望した受験生のそれであった。 アホである。
 一気に日本のペースになりかけたが、後半12分、自陣深くからの駒野のクリアミスが相手に渡り、ペナルティエリア内に侵入したサレハを釣男が倒してしまいPKを献上。 いよいよサレーお得意の不可解な笛が本領を発揮し始める。 ところが楢崎がこのPKを止めて事なきを得る。 ビビっていたのはPKを蹴ったドゥールビーンの方だった。
 まさに日本に勝って下さいと言わんばかりの展開となり、日本がジワジワ攻め立てる。 後半23分、松井が相手DF二人の間を抜きにかかってエリア内で倒され、そのこぼれ球を拾った玉ちゃんも倒されるがサレー主審は華麗にスルー。 古今東西老若男女問わない明らかなファウルだった。
 そんなサレーにおあつらえ向きだったのが後半29分の大久保の病気発症。 松井の見事すぎる「助演」で相手の4番が道連れにならなかったら日本は数的不利で残り15分以上を戦う破目になっていた。 この後、終始プレーにキレを欠いた松井は山瀬と交代させられたが、まさに1点ものの名演技だった。 松井は隠れたMVPである。
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 後半34分にも山瀬と玉ちゃんが倒されたが、またもやサレー主審は豪快にスルー。 ここに至ってサレーは自ら退場処分を課した4番の代わりに自らがオマーンの11番目の選手となった。 昨今の原油価格の上昇によりウハウハ状態のオマーン王族、サレーへの持参金が破格のものだったことは想像に難くない。 いったい今回はいくら積まれたのだろうか?
 後半40分に投入されたオマーンの13番が、電池切れで戻れなくなっていた内田を尻目に何度も日本の右サイドを脅かす。 この時間帯の内田のポジショニングは中途半端で、内田のみならずチーム全体としても決勝点を狙うのか引き分けで良しとするのかがはっきりしておらず、非常に危険な状況だった。 結果的に岡田監督の交代も後手に回った感は否めない。 ロスタイムになってから内田に代わって今野、玉ちゃんに代わって矢野が投入されたが、ほとんど無意味な交代だった。
 酷暑のなかの消耗戦だったが、フィニッシュに課題を残しはしたものの、日本はタフな戦いをしたと思う。 選手が疲弊していくなか、山瀬投入のタイミングは悪くなかったが、残り二つの交代枠をロスタイムまで引っ張る必然性は感じられなかった。
 岡田監督はおそらく最後まで勝ちにいっていたはずであり、そうであるならもっと早い時間帯に後ろはともかく前線にフレッシュな選手を投入すべきだった。
 それにしてもこの灼熱地獄のなかでの試合は理解に苦しむ。 アウェイの日本はおろか、ホームのオマーンでさえ足が止まるようなコンディションでは質の高いサッカーなど望むべくもない。 聞けば当初現地時刻午後6時15分キックオフだった試合が、日本での放送のために午後5時15分に繰り上げられたという。 中継したT豚Sではこの夜EUROの開幕戦の中継が組まれており、その為にダブルブッキングを回避したのがミエミエである。 結果として日本は暑さに苦しめられることになってしまった。 ドイツW杯の徹をまた踏んだわけである。 同じ組のバーレーンとタイの試合が午後7時半キックオフだったことからも、この薄暮のキックオフの異常さは明らかだ。
 自らの都合でキックオフの時間を変えさせるようなテレビ局には金輪際代表の試合を中継してもらいたくないものである。


FAIR JUDGEMENT PLEASE !!
FAIR JUDGEMENT PLEASE !! その2
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by theshophouse | 2008-06-08 23:46 | 蹴球狂の詩 | Comments(2)
ゾーンプレス?
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 台風5号が日本列島に接近するなか、日産スタジアムの上空は厚い雲に覆われていた。 それはまるで停滞している岡田ジャパンの現状ともダブって見える。 果たして分厚い雲を突き抜けるブレイクスルーがあるのか。 それとも岡田監督最後の試合になってしまうのか。
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 3バックのオマーンに対し、日本が採用したのはパラグアイ戦でも採用した4-2-3-1。 ただし今度はワントップの玉田のシャドーの位置に大久保が入り、松井が左、俊輔が右の両サイドアタッカーという、パラグアイ戦の「山瀬、遠藤、俊輔」という並びとは違った配置である。 玉田と大久保の前後の関係と松井と俊輔の左右の関係は流動的で、頻繁にポジションチェンジが行われた。
 前半10分、もはや日本のどのFWよりも得点力がある中澤が遠藤のCKに飛び込んで先制。 相手CKの際、マンマークで守っていたオマーンは、他の選手の中澤が飛び込むスペースを空ける動きにまんまと引っ掛かり、ゴール前をガラ空きにした。
 前半22分の2点目は、パラグアイ戦後のエントリーで攻めのヴァリエーションの少なさを指摘した際に提案させていただいた「ロングボールを蹴って競ったところに走り込む」古典的なやり方だったが、相手DFの裏に正確なロングボールを入れた俊輔、なにげにオーバーラップしていた釣男の落とし、落ち着いてゴール左隅に蹴り込んだ大久保ともに素晴らしかった。 前半開始早々にも釣男が入れたロングボールを大久保が競って、こぼれたボールをタマちゃんがボレーシュートしたシーンがあったが、単純でもこうした攻め方を混ぜられると相手のDFは対処するのが難しくなるものである。
 二列目の両翼が常に高い位置取りをし、3トップ気味になった場合、オマーンの3バックはそれぞれ1対1の局面に陥る。 それを避けるため、次第に中盤の両サイドが最終ラインに吸収されて、5バック状態になる。 事実後半のオマーンは、点を取り返そうというよりはむしろこれ以上余計な失点を防ごうと考えたのか、最終ラインはしばしば「フラット5」状態になっていた。
 後半4分の日本の3点目はオマーンの最終ラインと中盤の間に生まれたスペースに松井が切り込み、大久保がそれを広げたところに松井から俊輔にパスが繋がり、俊輔の右足でのゴールが生まれた。 僕がスタンド観戦した代表の試合で3点入ったのは初めてだ。
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 それでもやはり岡田ジャパンは守備的なチームだと思う。 この試合を制することができた一番の原因は、組織的な守備に尽きる。 相手ボールになった瞬間に複数の選手が相手ボールホルダーに対しアプローチを開始し、相手が前にボールを出す前に包囲して奪取する。 ボールを奪ったその位置を起点に、そこからいち早く縦にクサビを入れ、両サイドに展開し、サイドから攻める。 これを繰り返すことでオマーンはまったく前に人数をかけられなくなる悪循環に陥った。 オマーンのシュート数は前半2本後半1本の計3本のみ。 枠内に飛んだシュートは0だった。 岡田監督が徹底させた「攻撃的守備」が結実した試合だったと言える。 今日の試合においては選手間に戦術的な意思統一が図られていた。
 ただ、こうしたやり方は選手にはかなりの負担になる。 高温多湿のマスカットやバンコクで同じやり方を継続するのにはリスクが伴う。 移動の疲れも出てくるはずだ。 アウェイで同じやり方ができるとは思わないが、ベースの部分は変えることなく継続すべきだろう。 攻めに関しては、オシムが志向した「ボールも人も動くサッカー」は影を潜め、集団というよりはやや個の力頼みになった感は否めないが、W杯予選を勝ち抜くという目標から逆算したプラグマティックなものに変わった捉えるべきなのかも知れない。
 ただ、かつて日本は加茂監督の時代に「ゾーンプレス」と称して似たようなサッカーを実践しようとしたことがある。 この時はしばしば相手に日本のプレッシング・ゾーンである中盤を省略され、ロングボール放り込まれて最終ラインがずるずると後退し、結果プレスがかからない事態に陥った。 アウェイのオマーンやタイが同様の戦術を仕掛けてくることは十分予想される。 かつてゾーンプレスの崩壊とともに代表監督に就任した岡田監督は、当然そうしたケースにおける処方箋を用意しているはずで、アウェイ2連戦ではそれがどんなものなのかお手並み拝見である。
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 今夜岡田監督が選んだスタメンと採用したフォーメーションについてはほとんど異論がない。 ただそれでも両サイドの出来には不満が残る。 左の長友は終始高い位置をキープしており、オマーンもかなり警戒していたが、松井との連係がなかなか合わず、いい形でボールを持つことができなかった。 それでも相手が5バック気味になってスペースがなくなった後半は松井との連係も良くなり、逆に松井が深い位置からクロスを入れるなど、この二人のコンビネーションが更に良くなれば日本の大きな武器になる。
 一方、右の駒野だが、前半21分にサイドを深くえぐっていいクロスを1本入れた以外は、相変わらず冴えない出来だった。 フリーでボールを持っても5バックが身構えているエリア内に漫然とアーリークロスを放り込むようでは厳しい。 フィジカルは強くても、技術と戦術眼が欠落している。 これではかつての加地さんと同じだ。
 長谷部の出来もイマイチだった。 彼の良さを出すにはもう少し前めでプレーした方がいいのは間違いないが、自分より前のポジションの顔ぶれに少し遠慮もあったのだろう。 次戦も同じ相手なので、目先を変える意味でも中村憲剛の起用を希望する。 もう少しミドルシュートが打てる選手が欲しいからでもある。
 その他の選手についてはみな出来が良かったが、やはり中村俊輔だろう。 リアルで見るのは俊輔とピクシーがいた頃の鞠VS鯱戦以来なので相当昔だが、さすがの存在感だった。 10番背負ってるだけあってゴールへの意識も高く、ディフェンスも一生懸命やる。 自ら「意図的に」消えてる時間帯もある。 ただ彼がピッチの中央でプレーしている時間は少なく、そのほとんどの時間帯をいずれかのサイドで過ごしていた。 ピッチの中央に君臨する10番という姿にはもはやノスタルジーの香りが漂う。 現代サッカーにおいて、もはや真ん中でのプレーに自由なスペースと時間は与えられないのだ。

 代表不人気のおかげで久々にA代表の試合を見られたわけだが、俊輔はじめ松井、中澤、釣男、遠藤ら、今の代表にはカネ払って見る価値のある選手がたくさんいることを改めて認識させられた次第である。 願わくばこのままチケットが取りやすい状況が続いて欲しいものだ。

 この試合の直前、日本サッカー協会最高顧問の長沼健氏が急逝した。 同氏の功績に深く敬意を表するとともに、その死に哀悼を捧げる。
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by theshophouse | 2008-06-03 23:42 | 蹴球狂の詩 | Comments(4)
MKが浦安にキタ━━━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━━━ !!!
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 タイ好きの方なら大抵は知ってるタイすきチェーン「MK」。 チェーン店なので当然のことながら、何処の店も同じような内装である。 ただ、サイアム・パラゴンにあるMKは「MK GOLD」と名乗り、内装もシックでハイソである。 さらに「MK trendi」という名前の店もあって、こちらは若者をターゲットとしているのか、カラフルな内装である。 店名はいろいろだが、タイすきの具材が高級になったり、安っぽくなったりするわけではない。 いずれの店でも具材のバリエーション、価格ともに普通のMKと同じである。
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 昨年7月の出張の際、バンコク最後の晩餐に選んだのがこのMK trendi のサイアム店だったのだが、いつものようにタイすきを食べていると、店員さんたちがどうにも挙動不審なのに気がついた。
 ホールのすべてのスタッフが通路に等間隔で立ち、何かが始まるのを待つような仕草でどことなく落ち着かない様子なのである。 するとそこにけたたましい音楽が流れたと思いきや、店員さんたちは曲に合わせ、パラパラと北朝鮮の律動体操を足して2で割ったような中途半端な踊りを始めたのであった。
 突然のことで、連れ合いと顔を見合わせて笑ってしまったのだが、店員さんたちは笑顔で踊り続ける。 「MKはいつの間にエンターテイメント・ダイニングになったんだ?!」と当惑しているうちにお客さんの万雷の拍手とともにダンシング・タイムは終了した。
 後でわかったことだが、この店員さんのダンス・パフォーマンス、2006年頃から特定の店舗のみで行われているそうで、たまたま僕らが行ったMK trendi サイアム店もそのひとつだったというわけなのである。 ダンス・パフォーマンスについてはようつべに動画があったので以下を参照されたい。

    MK employee motivation dance


 そんなMKだが、日本にも出店しているのは以前のエントリーでも書いた。 先頃ほっかほっか亭改め「ほっともっと」になった弁当チェーンを運営する株式会社プレナスがライセンスを取得し、これまでは九州地方だけで展開してきた。 「ほっともっと」じゃ「ほか弁」が「ほも弁」になってしまうではないか、という問題も確かに存在するのだが、この際それはどうでもいい。 とにかく九州、特に福岡においてMKはまるでそこいらのファミレスのような外観で、郊外の街道沿いに普通にある。 最初に見た時は心底驚いたものだ。
 とはいえ、なにせ九州である。 関東近県に住む方なら「わざわざ九州行くぐらいならバンコク行って食べるわ」と考えるのも無理はない。
 しかし、先頃そのMKがようやく関東初進出を果たしたのである。 場所は浦安駅前。 オープンしたのが2月なので、目ざとい方ならもう既にチェック済みで攻略済みだとは思うが、以前福岡の店のことを書いた時に僕自身が関東進出を熱望したこともあり、小欄でも一応お知らせしておこうと思った次第である。
 今年の夏は浦安駅前にあの甘辛いソースの香りが立ち込めることになりそうだ。


タイ風しゃぶ鍋と飲茶のファミリーレストラン MKレストラン
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by theshophouse | 2008-06-01 01:58 | Food | Comments(2)



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