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チベットと国境を接する国へ
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 今年は妻が1月の終わりから2月にかけて単身フランスとベルギーを優雅な視察旅行に出かけ、その間僕は店番をしたり出庫したり配達をしたりしていたのである。
 で、今度は僕が一人で旅に出る番になったのだが、例によってこちらはアジア・ツアー。 ビルマ(ミャンマー)の工場での出荷前の検品という地味でシブ~イ仕事なのである。 出張にかけられる予算も少なく、夜討ち朝駆けならぬ夜行き朝帰り4泊7日の強行軍である。
 周知のとおり、ビルマでは昨年9月の民主化運動の際に日本人カメラマンの長井健司さんが射殺される事件があった。 この事件以降日本人の渡航者へのビザの発給は停止されていたのだが、今では人知れず再開されている。
 先日ビザを申請しに御殿山のビルマ大使館に行ったのだが、以前よりも手続きが面倒になっており、2種類の申請用紙に加えて社員証もしくは源泉徴収票、さらには旅行計画書などの提出も求められた。 さらに手数料も窓口で直接支払うことができず、唯一の方法はビルマ大使館の三井住友銀行の当座預金口座への振込みである。 幸い僕は三井住友に口座があったのでキャッシュカードから振り込もうとしたのだが、何故かATMの機械が受け付けてくれず、今度は現金で直接振り込もうとしたのだがこれも駄目。 慌てて窓口に駆け込んだら何故か外国送金扱いとなり、面倒な振込み用紙を書かされそうになったので、たまらずビルマ大使館に電話したら、ATMが当該口座への振込みを受け付けてくれるのは何故か他行であるみずほ銀行だけだそうで、幸いすぐそばにあったみずほから振り込んで事なきを得たのであった。
 とにかく、ただ行こうとするだけでこれだけ多くの「何故?」に遭遇する国である。 おまけに今は国境を接するチベットで僧侶たちが抗議行動を繰り広げている。 ビルマもチベットの僧侶と同じエンジ色の袈裟を着た僧侶たちがいる仏教国である。 幸いにも?トーチリレーはこの国にやって来ないので、沿道でチベット旗が打ち振られることはない。 もっともこの国では軍部が「不穏な動き」はきっちり封じ込めてしまうだろう。
 今回のトーチリレーのルートには中国の膨張主義的な思惑が透けて見える。 その根底にあるのが伝統的な「華夷秩序」だからタチが悪い。 日本を含め、中国の周辺国でトーチリレーが行われる国は、良く言えば中国が今後も影響力を行使したい国々であり、悪く言えば支配下に置きたい国々ということになる。 だからこそトーチリレーの通過を拒んだ台湾の態度は評価されるべきだが、その台湾とて国民党が政権を手中にした今後は不透明だ。
 チベットで行われている人権とチベット仏教の弾圧がより顕在化した今回の事件だが、高野山真言宗はじめ日本の仏教界からこれといったステートメントもないどころか、善光寺は今日に至るま長野でのトーチリレーのスタート地点を辞退することができなかった。 本来ならチベットでの僧侶の虐殺があった時点ですかさず返上すべきであり、各国で聖火が文字通り火だるまになってる様子を見て、たくさんの抗議電話を受け、世間の空気を読んでから辞退するんだったら坊主でなくてもできる。 今回の善光寺の判断は日本国とその仏教界にとって最悪の事態が回避されたに過ぎない。 今回のチベット虐殺について、唯一テレビを通じて天台宗別格本山の書寫山圓教寺(しょしゃざん えんぎょうじ)の大樹玄承執事長が発表した仏教人としてはごく当たり前の声明文がネットに拡散して賞賛を浴びているのも、考えてみれば異常な状況である。

 そんなつもりで書き出したのではなかったのだが、 チベットでの虐殺以降、どうしても話がそっち方面にいってしまう。 そう、ツラい旅になりそうなのだ。 そんなツラい旅を楽しい旅にするツールが必要なのだ。 ということで、これを機に海外でもそのまま通話ができる「世界ケータイ」に買い替えた。 というのも、妻がベルギーとフランスに旅行した時に現地から携帯でブログを頻繁に更新していたのが面白そうだったので、自分もやってみようと思ったからなのだが、調べてみるとビルマはドコモの国際ローミングのサービスエリア外で、残念ながら今回は使えないということがわかった。 世の中に便利になればなるだけ不便なことも増える。
 現時点で日本人がビルマ国内で携帯電話を使う手っ取り早い方法は、経由地のバンコクでAIS社製のプリペイド携帯を買うことである。 タイのAIS社製SIMカードのままラングーン(ヤンゴン)などでローミングするという。
 「SIMロック解除の聖地」MBKの4階に買ったばかりのノキアでも持ち込んでみるか(笑)。
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by theshophouse | 2008-04-18 23:45 | Odyssey
破綻しつつある中国のチベット支配
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 またチベットについて書く。
 上に載せた写真は2003年にチベットのラサで撮影された「便衣兵」である。 便衣兵とは一般的に市民と同じ服を着用した人民解放軍兵士を指し、敵を欺いてゲリラ戦を行う姑息な連中である。 これがチベットの場合はあろうことか僧侶に化ける。
 今回の「暴動」においてもこの便衣兵が暗躍したと言われている。 実際に今回の「暴動」の画像を見ながら検証してみた(すべての写真はクリックで拡大します)
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 「漢人経営の商店を襲撃する僧侶たち」の写真だが、まず暴動する側と鎮圧する側の距離が異常なまでに近い。 丸腰の僧侶たちに対峙する完全防備の人民解放軍に殺気は感じられない。 しかも明らかに多勢に無勢である。 本当に鎮圧する気があるなら、ものの10秒とかからない状況だ。 バリケード封鎖はかたちだけで、その距離感はまるで何かの見世物を最前列の特等席で観ているかのようである。
 バリ封するにしても、本来ならすべての商店のシャッター前を完全に覆い尽くしてガードすべきところ、なぜかわざわざ一店舗分だけ封鎖を解いているのも理解し難い。 恐らくは襲撃シーンの撮影用に必要な「演出」なのだろう。
 僧侶にしても、これだけ周囲を鎮圧部隊に包囲されているにしてはどの顔からも切迫した様子は感じられない。 「いいかおまいら、これから派手にやるからよーく見てろよ」という感じだ。 僧侶のなかには私服の上から袈裟を羽織った者もおり、なかには「着付け」がなってない者までいる。 さらに「同僚」に怪我をさせないように「放水攻撃」とは実にお優しい限りだ。
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 これも同様の写真だが、今度は僧侶が手に持ったこん棒のようなもので鎮圧部隊に殴りかかろうとしている。 ただ、このシーンにしても、右端の僧侶の独断専行に後方の僧侶たちは気後れしていて「おい、まだ”アクション!”の声が掛かってないぞ」という感じである。
 また、一枚目の写真同様にダウンジャケットの男がここにも写っている。 想像するにこの男は一般市民に扮してはいるが、撮影現場においてディレクターの役割を担っていたと思われる。 言うまでもなく暴徒化した僧侶役と鎮圧部隊、撮影班を現場で指揮し、プロパガンダのために最も効果的な一枚を撮るためである。
 男は左手で手招きしているように見える。 たぶん撮影者側の鎮圧部隊が暴徒化した僧侶と距離を置きすぎてファインダーの中にすら入らないので、もっと距離を詰めるように指図しているものと思われる。
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 最後の写真は大規模な抗議行動があった3月14日、ラサ市内をチベットの旗を持ってデモ行進している本物の僧侶の写真をAFPのマーク・ラルストンというフォトグラファーが撮ったものだが、僧侶たちの靴に注目して欲しい。
 僧侶たちはみな一様に黒のシンプルなズックのような靴を履いている。 ここであらためてさきほどの「便衣兵」とおぼしき僧侶たちを見てみると、その足元は思い思いのスニーカーでみなバラバラ。 どうやら中国人はコスプレの極意というものがおわかりでないらしい。

 事件以降、外国のメディアが強制退去させられたチベットだが、先日ようやく中国政府主催のプレスツアーが行われ、各国の比較的中国寄りのメディア(日本からは共同通信)ばかりが選ばれ、あらかじめ周到に準備された取材スポットで三文芝居を見せられた。
 ところがジョカン寺でプレスブリーフィングが行われているさなかに30人の僧侶が突如乱入し、メディアの前で涙を流しながら中国政府のチベット統治を批判するハプニングがあった。(→そのシーンの動画
 不完全なコスプレと緊張感のない演技でプロパガンダに水を差した便衣兵といい、プレスツアーでのハプニングといい、中国当局のチベット統治は明らかに綻びを見せつつある。

 FREE TIBET ! CHINA FREE !
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by theshophouse | 2008-04-01 01:51 | Asian Affair



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