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インド人すら抜けない三都主、怒りの長距離砲連打
 インド戦。 日本6対0の勝利。 はなからこの試合は5対0以下はありえないと思っていたので、結果だけを見ればまずまずだろう。 インドも後半やや息切れしたものの、組織的にプレスをかけてきたあたりはW杯予選の頃のチームとは違い、数段良くなっていた。 ただ、それを差し引いても前半の日本の停滞ぶりはいただけない。 かたや間近に控えたW杯に臨もうというチームと、アジア一次予選でグループ最下位に甘んじたチーム。 しかもホームでの試合とくれば、前半から2、3点取って圧倒しなければ物足りない。
 日本が前半イマイチだったのは、アメリカ戦でも露呈した最終ラインでの稚拙なパス回しと両サイドの停滞、さらにラストパスの精度の低さに要因があったと思う。 DFラインでのイージーなパスミスが目立ったし、選手間の意思疎通もイマイチ。 三都主は1対1でも抜けないし、加地さんはバックパスばかりで、たまに上げるクロスはすべて相手へのプレゼントボール。 それにしても1対1でインド人も抜けないブラジル人って・・・。
 ハーフタイム。 控え室でジーコから往復ビンタで活を入れられたのは藁、ボンバヘ、宮本。 グーで殴られたのは三都主。 控え室にも入れてもらえなかったのは加地さんと思われる(いずれも推定)。 この5人のうち、ボンバヘと宮本はようやくパス回しが安定し、インド人すら抜けないと悟った三都主はロングシュートに活路を見い出し、別の部分でアピールした。 ただし藁は90分を通して物足りない出来だったし、加地さんに至っては存在自体ほとんど無意味だった。
 後半の後半、中盤でパスが回り、いい流れでボールが右サイドに展開、加地さんにボールが入った瞬間それまでのいい流れが途切れる。 持ち前の運動量でいい上がりをみせてボールを貰いルックアップ、途中交代で入った佐藤がいい動き出しでボールを引き出しても加地さんのクロスはいつものように無人の荒野へと消えていく。 業を煮やした長谷部が右サイドに開いた途端、本来加地さんの仕事場であるそこは活性化。 得点の匂いが漂い始める。
 僕は以前から阿部勇樹を右サイドで使うことを提案している。 人余りのボランチのポジションにおいては未だオプションの一人でしかない彼をベンチに置いておくほど日本は人材豊富ではないはずだ。 改めて言っておくが、彼の右足は特別なものである。 簡単なことだ。 加地さんを外して阿部を入れるだけなのだ。 たったそれだけの決断で今夜加地さんの右足から放たれた多くのプレゼントボールのうち半分以上は得点に繋がるか、際どいボールになるはずだ。 FKの時、茸と阿部がボールを中心に左右に並んで構えたら、世界中のどんなキーパーでも脅威となるはずである。 ジーコは阿部をボランチの控えではなく、もっと広い視野で見るべきなのだ。 加地さんの運動量は多いかも知れないが、オシムにいつも走らされている巻があれだけ動けるのだから、阿部にだってかなりの運動量が期待できるはずだ。
 久保はスロースターターながら、確実に感覚を取り戻してきているようだ。 1点目のような、どこかアフリカの選手を彷彿とさせる独特のリズム。 あれが出てくれば本調子は近い。 佐藤もまだまだ見てみたい。 大黒がこのままフランスで腐敗していくなら、似たようなタイプの佐藤がファースト・チョイスになる可能性もある。
 そして最後にどうしても触れておきたいのが藁とともに2列目に入った長谷部。 彼は本当に素晴らしい。 常にゴールを意識して動き、パスを出せる。 守備の意識も高い。 藁の出来が悪かったせいもあるが、その良さが随所に出た今日のゲームだった。 茸やヒデ、松井らとの相性も見てみたい。 僕個人としては23人どころかスタメンの11人の中に入れるべき才能だと思う。 無論ジーコもそのことを感じているに違いない。 アメリカ戦での35分間に続いての今日のフル出場は、今回新たに召集されたメンバーとしては破格の待遇である。 28日、欧州組が合流するドイツでのボスニア・ヘルツェゴビナ戦において、ジーコが彼らと長谷部をどのように起用するのか興味深い。
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by theshophouse | 2006-02-22 22:33 | 蹴球狂の詩
北欧の国とのお寒い試合
 フィンランド戦。 日本2対0の勝利。 日本を束の間の越冬地にしようとしていただけのフィンランド相手に、我らが日本代表は相変わらずの物足りない内容だった。 もとよりリトマネンのいないフィンランドにまったく興味は湧かないのだが、それにしても主力不在でまったく怖さが感じられない相手にこのぐらいのサッカーしかできない。 悲しきかな、それが今の日本代表である。 久々の解説で明らかに興奮気味だった松木が前半から異常なほどに日本代表を褒めちぎっていたのが理解に苦しむ。
 2点取ったことは評価していい。 ただその2点のいずれもレベルの高い相手だったらゴールになっていなかっただろう。 アメリカ戦とは違い、フィンランドの中盤でのプレッシャーはかなりヌルいものだった。 こうなると日本のパスは回りだすのだが、相変わらずドリブルで仕掛ける選手はおらず、ゴールという「解」から逆算したようなパス回しは少ない。 ただパスを回すことに酔ってしまういつもの悪癖が顔をのぞかせた。
 褒めるに値するプレーをしたのは後半の藁ぐらい。 その藁にしても前半は酷い出来だった。 久保はだいぶ良くなってきたので、とにかく試合に出し続けてコンディションを上げることだろう。 小野は終始安定したボールを供給していたが、時にはドリブルでつっかけフィニッシュまでもっていく強引さが欲しい。 他に目に付いた選手はいなかった。
 それにしても、W杯を間近に控えた代表のマッチメイクはいったいどうなっているのだろうか。 この前はアメリカ代表とズルズル滑るシート状の芝が敷き詰められた野球場で、W杯での公式球でもない弾み過ぎるボールを使って1試合やるためだけにわざわざ渡米して現地で合宿し、今夜は主力不在のうえに直前来日でコンディションも悪いフィンランド代表である。 仮想オーストラリアやクロアチアなんてとんでもない。 さらにこの次はアジアカップ予選のインド戦だという。 インドには申し訳ないが、いっそのことアジアカップ予選はU22あたりを出して、A代表はもっと歯ごたえのある相手と試合をしたほうがいいと思う。
 とにかくお寒い試合だった。 この時期にそんな試合やってて勝てるほどW杯は甘くない。 そんなしょーもない試合そのものより俄然面白かったのは、何と言ってもハーフタイム中のアディダスの新CMでした。 漏れもデル・ピエロ潰しにいきます。

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”中村俊輔+「10」” VS ”デル・ピエロ+「10」”【adidas Japan】
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by theshophouse | 2006-02-18 21:49 | 蹴球狂の詩
岩盤浴に行ってみた
 40歳以上の方ならみなさんご存知だろうとは思うのだが、今年40歳になるという人には役所から「成人病検診」のお知らせが届くのである。 世間ではスキージャンプの原田を「中年の星」なんて言ってるが、そんな原田ですら僕より2つも年下。 自分ではいまだ学生気分が抜けないまま今日まで生きてきてしまった気がするが、精神的にはともかく肉体的には確実に齢を重ねていくわけで、老化していることは間違いない。 ここ数年ちゃんとした健康診断など受ける機会すらなかったので、こうした制度は非常に有難い。 国民健康保険、払っておいて良かった。 最寄りの病院で受診できるのも便利だ。
 店が休みの日を利用してさっそく検診に行った。 身体検査に始まり、尿検査、血液検査、レントゲン、心電図など一通りの検査に加えて肝炎ウイルス検査に血清ペプシノゲン検査も受けた。 「血清ペプシノゲン検査」というのは聞きなれないものだったが、問診の時に先生に尋ねてみると、この検査で胃の荒れ具合がある程度わかるそうで、潰瘍や癌の早期発見につながる検査とのこと。 いずれも採取した血液から判定されるもののようで、患者である僕自身は特に何をされるということはなかった。
 一週間後、検査の結果を訊きに病院へ。 先生からは中性脂肪がやや多めとのご指摘を受けたが、幸いこれといって生命の危機に直結するような症状もなく、おおむね健康ということで一安心。 ここはひとつこの健康体にダメ押しすべく、その足で今流行りの「岩盤浴」とやらに行ってみることにした。 もちろん健康オタクの妻のご託宣であることは言うまでもない。
b0045944_2135499.jpg 向かったのは仙川の「湯けむりの里」の中にある「岩盤浴 Surga」。 利用料は施設の入浴料550円に加えて岩盤浴が700円の1,250円。 妻によると、この価格は岩盤浴においてはかなりリーズナブルな方だという。 まず30分ほど入浴して、貸与された岩盤浴専用着に着替え、アジアン・リゾート風の内装に設えられた待合室に行く。 ここでは冷水のサービスなんかがあったりして、照明も落とし気味。 大衆的な入浴施設の中にあるにしてはなかなかの雰囲気である。 やがてほのかなアロマに満たされた岩盤浴の部屋に通される。 両側に玉石みたいなのが敷き詰められたベッドがあり、待合室で貸し出された大きめのバスタオルを玉石の上に敷いてから仰向けに寝る。 枕は籐製のものが置いてある。 石は既に熱い。 これらの玉石には北投石や生効石、トルマリン鉱石などが含まれており、遠赤外線やマイナスイオンを発生するという。
 岩盤浴は25分間。 その間、ボーズの立体音響設備からは絶えずヒーリング・ミュージックや潮騒の音が流れている。 確かに汗はよく出る。 サウナほどの量は出ないものの、温度のわりにはけっこう出る感じだ。 サウナみたいな苦しさはないので、楽に汗が出るのはなかなか良い。 爽快感もある。 出た後には冷たいおしぼりと冷水、氷飴のサービスなんかもあったりして、700円のわりにはけっこう至れり尽くせりである。
 ふたたび入浴して汗を流して終了。 この「湯けむりの里」、温泉でないのが玉に傷だが、ジェットバスの種類も豊富だし、サウナや蒸し風呂、露天岩風呂もあったりしてなかなか良い。 なかには「コエンザイムQ10バス」なんてのもあって、試しに入ってみたのだが、「もうあんたにコエンザイムQ10パワーは要らないだろう」というようなジジイが同じ湯船にいっぱい浸かっていて、なんかコエンザイムQ10パワーが中和されちゃった感じがして有難みは薄れた。 ともあれ、なかなか充実の「湯けむりの里」なのであった。


仙川湯けむりの里
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by theshophouse | 2006-02-17 01:57 | Non Category
長谷部の効能
 アメリカ戦。 日本2対3の敗戦。 試合内容からすればよく1点差までもってきたなという感じだった。 アメリカという国はいつだって飛び抜けた選手はいないものの、個々の選手のアスリートとしての資質が高く、チーム全体のパッケージはハイレベルだ。
 日本は1月末に合宿を始めてから最初の試合。 対するアメリカは非公開の韓国との練習試合を含めると既に4試合を消化しており、試合勘やコンディションの面で優位にあったと言っていいだろう。 加えて野球場にシート状の天然芝を敷き詰めたグラウンドは滑りやすく、日本選手はやたらと足を取られていた。 アメリカの選手も滑ってはいたが、日本の選手ほどではなかった。
 それにしても前半10分あたりからのアメリカの攻勢はなかなかだった。 僕がもし敵将で、日本と対戦するとしたら今日のアメリカのような戦い方をするだろう。 すなわち前線と最終ラインとの距離をコンパクトに保つことで中盤に数的優位を保ち、かつ前線と中盤が一体になって日本の後方でのボール回しに常にプレッシャーをかけ続けること。 日本は相手の前線から追い回されるとパス回しにミスが生じやすく、中盤でやすやすとボールをカットすることができるし、苦し紛れのクリアボールを拾うことも容易い。 日本の最終ラインでのボール回しはけっこう稚拙だ。
 アメリカは立ち上がりからかなり入れ込んでいたので後半のどこかでバテることは十分予想できたが、だからといって前半のほとんどの時間帯、日本がサンドバッグ状態になってしまったのは不甲斐ない。 今日の日本は久保のワントップの3-6-1からスタートしたが、久保も周囲のプレッシャーに孤立無援でボールをキープできず、相手の高い最終ラインを崩すのに有効な2列目以降の飛び出しもほとんどなかった。 もっとも中盤を完全にアメリカの支配下に置かれたため、前線にボールが行くことすら少なかった。 本来こういう「厳しい時間帯」が続く時こそサイドに起点をつくってカウンターを狙いたいところだが、加地も三都主もするずる下がって5バック状態になってしまい、中盤はますますアメリカのやりたい放題、せっかく加地や三都主にボールが渡ってもハーフラインを超えない位置ではたちまち相手に数的優位をつくられバックパスするのがやっと。 パスが通らないならドリブルを選択してもいい場面もけっこうあったと思うのだが、そういうときでも日本の選手はパスに固執する。 なかば強引にでもドリブルを仕掛けた時はけっこうファウルを貰ったりできるものだが、日本の選手は時々ドリブルという選択肢を忘れる癖がある。 中田英寿が時折見せるなかば強引なドリブルはアクセントになるし、相手のリズムを狂わせるという意味で、それをやること自体に意味があるのだ。

 後半、ジーコは最初から巻と佐藤を入れて3-5-2にした。 2列目やサイドが飛び出す気がないならハナからこうするしかない。 ところがセットプレイから失点し0-3。 試合のリズムは変わらない。 後半10分、ジーコは長谷部と阿部を投入して4-4-2に変更。 僕が知るなかで、ジーコが試合中に2度システムを変えたのは初めて見た。 おそらくジーコも半分はパニック状態で、あとの半分は神頼みか妙な確信があったのか。 ところが結果的にはこの4バックへの変更が試合の流れを変えた。 前半さっぱりだった加地と三都主が生き生きしだしたのは、2人が4バックになって低い位置にポジショニングしてからだった。 そのことで2人がオーバーラップしてきた時にまわりにサポートができ、パス交換によってライン際を抜いていくことができるようになった。 前半2人が単独で持ち上がって潰されていた状況から考えるとこの違いは大きい。
 そして後半15分、加地からのクロスが上がる。 相手を完全に抜けずともボールひとつ通る隙間だけは作り、予備動作をできるだけ小さくした速い振り足の素晴らしいクロスだった。 ああいうクロスだと応対した相手DFはタイミングが計れず、コースに足を出すことすらできないものだ。 間違いなく加地が上げた生涯最高のクロス。 いつもの牧歌的なクロスではなく、明確な殺意が込められたクロス。 ワールドクラスだった。 そして巻。 彼らしい体を張ったゴールだった。 この時の2人のプレイには殺意があった。 僕はこういうプレイが好きだ!
 しかしこの負け試合で日本のマン・オブ・ザ・マッチを選ぶとすればそれは間違いなく長谷部だろう。 代表デビュー戦ながら落ち着いてボールを散らし、時にはドリブルで突っかけ中盤に活力を与えた。 2点目のコーナーキックを得るきっかけとなった巻へのスルーパスは見事だった。 長谷部と阿部が加わって中盤にタメができ、両サイドも生きた。 長谷部のいいところは常にゴールを意識して動き、パスを出せるところだろう。 松井に続いて中盤に頼もしいオプションが加わったことは喜ばしい。 この試合、遠藤や福西はほとんど印象に残らなかったが、長谷部のそれは鮮烈だった。
 中盤には続々と新しいタレントが生まれる日本代表だが、前の方の人材不足は相変わらず。 病み上がりの久保もまだまだトップフォームにはほど遠い。 ジーコは平山や大久保を招集する気はないのだろうか。 これはオランダ・エール・ディビジの得点ランキングだが、今季1部に昇格したばかりの弱小チームで平山はけっこう頑張っていると思う。 ロクに試合にすら出れないへナギや寿司禿をまるで常連のように代表に召集するよりも、今日点を取った巻や平山、ダメもとで大久保をガンガン使ってみるのもまた一考と思うのである。 もう決定力不足を解消する時間はないのだ。
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by theshophouse | 2006-02-12 00:04 | 蹴球狂の詩
チャオプラヤ川の水上タクシー
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 タイという国はエコロジーなどという概念とは無縁のところでリサイクルには熱心だ。 バンコク市内にはクルマの中古部品だけを販売するエリアがある。 そのあたりの店を回って部品を掻き集めれば、やがて1個のクルマが完成するぐらいありとあらゆる部品がスクラップ寸前のクルマから取り外されて集められている。 実際こうした中古部品だけで組み上げられたクルマが平気で街中を走っているのがタイという国。 
 はじめてバンコクの水上タクシーに乗ったのは15年ぐらい前のこと。 まず驚かされるのはそのエンジン。 船尾に剥き出しのままマウントされているのは元々トラック用のディーゼル・エンジン。 無造作に取り付けられたフォードのV8ディーゼルが轟音とともに長いドライブシャフトの先に取り付けられたスクリューを回す。
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 エンジンは一般的なモーターボート同様ピボット式に取り付けられているので、操縦士はエンジン本体を「制御棒」で左右に動かして面舵と取舵を操作する。 手元にはキャブレターの開閉を制御するレバーがあり、クルマでいうアクセルペダルの役割を果たしている。 もちろん手元でシフト操作も可能だ。
 船体が非常に軽いにも関わらず、船尾にこのように場違いな重量級エンジンを搭載しているこの船はお世辞にもバランスがいいとは言えない。 したがってバラスト代わりに客が乗って初めて船体が安定し、スピードを出すことができる。
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 とはいえこのような複雑な操作をたった一人の操縦士が行いながら他の船にぶつかることなく、そんなに川幅が広いとはいえないチャオプラヤ川を走らせていること自体、奇跡とさえ思える。 実際乗ってみると、とにかくやたらとスピードを出すので、両舷に張られている水しぶき防護幕を飛び越えてあのチャオプラヤ川の黄土色の汚水が飛び込んでくることもしばしば。 道中、服にちょっとついただけでも異臭漂うこの川の水に飛び込み平気で泳いだりしているタイのガキの横を通り過ぎる時、互いに笑顔の交歓をしながらふと思うのは、「自分はやっぱりタイ人にはなれないなあ」ということ。 この国に生きる人は現代の日本人よりもはるかにたくましいのだ。


FLASH 「古畑任三郎vsホリエモン」
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by theshophouse | 2006-02-09 01:56 | Asian Affair
俺の名はサブ
土曜AM3:00 男はガレージで野獣の唸り声に似た低く獰猛なアイドリングを奏でる愛機ZX-11の前にいた。
漆黒のレーシングスーツを見に纏った彼はサザエの知る「三河屋のサブ」では無い。
「湾岸のSABU」 彼は走り屋仲間から畏怖の念を込めそう呼ばれている。
SABUは暖気を終えた愛機に跨りヘルメットの中で微笑んだ。
(サザエの奴・・・今日は激しかったな。まるでコイツの様に官能的だったぜ)
黒き猛獣はSABUを乗せ狂った雄たけびと共に闇の彼方へと吸い込まれていった・・・

夜の首都高を走るサブ。
昼間は決して見せる事の無い過激なライディングに追随できる者はいない。
スピードと言う名の快楽を貪る彼の脳裏にサザエの淫らな痴態がよぎる。
(サザエは何故、あんなウダツの上がらない婿養子の妻になったのか?)
平凡を絵に描いたような男・・・オレとは住む世界の違う男・・・・
その時、愛機ZXの爆音とは異なるエグゾーストノートを耳にしてサブは我に返った。
「!!」サブはミラーを覗くが敵機の姿は無い。
(まさか・・・!!)
その刹那、スリップストリームから飛び出た真紅の機体が一気にサブの前に出る。
紅いハヤブサを駆るのは同じく真紅のライダースーツに身を纏う男。
背中に「魔 棲 雄」の縫い取りが見てとれた。
「魔棲雄・・・まさか、マスオだとっ!!?」

黒いカワサキが背後でもがいているのがミラー越しに見てとれる。
彼は気づいていた。
爽やかな勤労青年の仮面を被った彼が、我が妻と情事を重ねている事を。
だが怒りは無い。むしろ感謝の念すらマスオは感じている。
over300、そこは死が手招きする悪魔の領域。
「魔に棲む男」マスオはかつてそう呼ばれていた。
だが、気づけば彼は平凡で退屈な世界の住人と化していたのだ。
それがサブによって戦士のプライドと野獣の闘争本能を呼び覚まされた。
「ありがとよ、坊や」
最速の猛禽類の名を冠したマスオの愛機がフロントを持ち上げ更に加速する。
まるで大空に羽ばたくかのように・・・(END)
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俺の名はサブ【ワラタ2ッキ】

さ~て、来週のサザエさんは~?
「中島 初めてのトランクス」
「マスオ 明日が見えない」
「波平 最後の一本」
の、3本です。
来週も見てくださいね! んがぐぐ
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by theshophouse | 2006-02-04 17:22 | Non Category
イエスとノーのあいだ
b0045944_361298.jpg 過熱する一方の報道を見ながら違和感を感じずにはいられなかった。 耐震強度偽装問題と違い、少なくとも人命に直結するような大事ではないと思うのである。 東横インの場合。 そりゃあ確かに彼らがやったことは違法行為だし、身障者の皆さんから見れば言語道断であろうと思う。 あの社長も言葉があまりに軽すぎたし、明らかに自覚に欠ける会見での態度だった。 叩き上げで地位を築いてきた人間というのは時に悪意なき放言をすることがある。 あの会見での社長の態度がこの問題が大々的に報道される契機になったのは間違いないと思う。 時あたかも耐震強度偽装禍の真っ只中、ただでさえ建物の安全性や適法性が国民的注視の的になっている現状では、あるていど報道が過熱気味になることは理解できる。 
 しかし、である。 連日のマスゴミの東横イン報道について言わせてもらえば、それはもうほとんど「吊るし上げ」の領域だ。 自分自身インテリア・デザインの仕事をしていた時の経験から誤解を恐れずに言わせてもらえば、今回の東横インがやっていた完了検査後の無断改築などは建築業界内においては氷山の一角に過ぎないと考えられる。 内装レベルで言うと、引渡し前の消防検査をパスした後に造作をいじった事がなかったと言ったら嘘になる。 もっともその場合、インテリア・デザイナーは自分の意匠を何よりも優先したいのであり、東横インの問題とは本質的に違う。 ここで僕が言いたいのは、通常こうした取り決めにはイエスとノーの境界に必ず緩衝地帯ともいうべきグレイ・ゾーンがあり、我々日本人はその曖昧なゾーンを時に有機的に解釈することで緩衝地帯の幅員を増減し、それによって現実的な解決策を生み出してきた、ということである。
 イエスとノーの間に機械的に線引きをし、二元論的な世界をつくることは簡単だ。 だがそれでは38度線の北の国と同じになってしまう。 即ち従属する者は生かされ、反逆する者は粛清される世界。 イエスでもノーでもないグレイ・ゾーンが存在するからこそ人々は問題を解決するために思考を働かせ、やがて何らかの答えを導き出すのではないだろうか。 そしてまさにそれこそが「文化」と呼ぶべきものではないだろうか。
 今回の耐震強度偽装問題でも明らかなように、規則や規制といったものはそれを運用する人間の心がそこに介在しない限りただの幻想でしかない。 ライブドアの問題にしてもここに収斂していく点では同じだと思う。
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by theshophouse | 2006-02-02 01:58 | Critique



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