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カテゴリ:Mystery( 10 )
眠れぬ夜に
b0045944_154348.jpg
          http://labs.topicmaker.com/ghost_photography/

 このところ急に暑くなってきた。 特に僕の昼間の仕事場は空調がないので、非常にツラい。 どデカい産業用扇風機を回し続けてはいるものの、扇風機の風が当たらない場所に行くとたちまち額に汗が滲む。
 「冷房は体に悪い」という根拠なきお題目を信じているような冷房否定派ではないが、自然の風で涼めるものならそれに越したことはない。 たとえば、帰宅してすぐに冷たい水のシャワーを浴びれば、それだけで部屋の冷房などつけずにしばらくは快適に過ごすことができる。

 前置きはこのへんにして本題に入る。

 とある真夏の夜、もしあなたが寝苦しい夜を持て余していたとする。 冷房はついているはずなのにさっぱり効かない。 部屋には自分一人。 不快な湿気を纏った空気が徐々に部屋中を埋め尽くしていく…。
 そんな時にご覧いただきたいのが、僕が厳選した3つのビデオテープである。

          http://jp.youtube.com/watch?v=RhV2Kp3rxDA
          http://jp.youtube.com/watch?v=8p05JAbfIHU
          http://jp.youtube.com/watch?v=MyB9XWCPGSc

 もしあなたが別の理由で寝苦しくなっても、僕はいっさい関知しない。
 閲覧はあくまでも自己責任で。
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by theshophouse | 2008-07-14 01:41 | Mystery | Comments(6)
板橋の魔法使い
b0045944_451884.jpg 「早いもので」という書き出しは変だが僕も40歳。 30代の頃まではそれなりにイキがってはきたものの、40の声を聞いた途端にすっかり脱力し、自分が全方位的にジジイであることを受け容れた。 それでもまだ自分ではいまだに学生気分が抜けない気もするのだが、棺桶に入る日は確実に近づいているようで、精神的にも肉体的にも衰えが目立つようになった。 悲しいことである。
 とにかくフィジカル的にどんどん衰えているのがわかるのだ。 先日もジョギングの最中に膝を痛めてしまい、完治まで一ヶ月ほどまともに歩くことすらできなかった。 この他に首や腰にも慢性的な痛みがある。
 みなさんはこうした外科的な痛みが生じたとき、どのようにしているのだろうか? 僕の場合はとりあえず近所の整骨院にでも行って、電気治療とマッサージと湿布薬貼付といった、通り一遍の「治療」らしきものを受けてお茶を濁している。 保険も使えるし、本格的にMRIなどやって、「体にガタがきている」というわかりきった事実をこれ以上本格的に、医学的に、徹底的に自覚させられるのも辛いからだ。
 ただ、弟の場合は少し深刻だった。 持ち前の姿勢の悪さ(猫背)に加えて終日PCの前に座っての仕事という悪条件もあいまって首がヘルニア状態になり、背中から右手、右足と痺れて麻痺してしまう状態に陥ったのである。 こうしたケースで「痺れ」は既に末期的な症状であり、本当はその前段に「痛み」が来るらしいのだが、弟の場合はいきなり末期症状に見舞われたのである。
 事の深刻さに弟も近所の整骨院や専門医の診療を仰いだのだが、発症から一ヶ月が経過しても症状には何ら改善の気配がない。 このケースでの根本的かつ完全な治療は外科的な手術以外にないという結論に達したものの、周囲から「首の手術は難しいから医者もやりたがらないしリスクも多い」と聞かされ、もうあとは足裏診断でもパナウェーブでもシャクティパットでも何でもやってみるしかないという状況にまで追いつめられた頃、その名は会社の同僚によって突然弟にもたらされたのであった。 そして、それは彼にとって大いなる福音となる。

 「エス東京オフィス」 これがその治療院の名前。 埼京線の板橋駅そばの雑居ビルの1階にある。 以下は弟の証言。
 初診料は6,000円で2回目以降は4,000円(現在はそれぞれ8,000円と5,000円に値上げされたらしい)。 待合室には「当院は整体・気功・指圧・マッサージ・電気治療等では有りません」との貼り紙。 簡単な問診票に自分の症状を記入。 待合室には数人の患者がおり、自分の後にも続々と患者が入ってくる。 診療室の中に次々と患者が吸い込まれて、一人当たり3分程度で吐き出されてくるので回転率は良い。
 自分の番になる。 椅子に座った状態で、いきなりピンポイントで痛い箇所を触診される。 問診票はチラッと見る程度。 次に診療台にうつ伏せになるように指示され、その通りにするとすぐに「施術」が始まった。 施術とはいっても、首から背中にかけて、手をほうきのように何回もなぞるだけ。 その間、「カチッ、カチッ、カチッ」という音が聞こえる。 音源が何なのかはうつ伏せになっているのでわからない。 すると「よし、うまくいった!」と先生。 さらに「3回ぐらいに分けて治療するから」と説明。 これで施術終了。 この間、診療室に入ってわずか3分ほど。 「治っていく過程で痺れが鈍痛に変わり、その痛みが他に転移することもあるから」と念を押される。 初診のその日、治療院を出る時に弟の症状は既に来た時とはだいぶ違っていたという。 痺れが消えたのだった。
 それから、二度三度と足を運ぶなかで、症状は明らかに改善していった。 先生の言うとおり、鈍痛はあるものの、痺れはなくなったのである。 ただ、正月を挟んでしばらく通院しなかったら、やや症状が後退したように思えたので、4回目の診療を受けてみると、たちどころに症状は改善した。 施術の後で、「やはり基本的には自分で日常の姿勢を正していかないと、いずれ元の悪い状態に戻るよ」と言われた。 また、「状態が良くなった時に一度MRI撮っとくといいよ。 自分の健康管理のために。」などと科学的なアドバイスもしてくれた。
 患者の誰かが診察室で先生に「これって一体どういう治療法なんですか?」と訊いたところ、先生は「それを説明すると2時間ぐらいは軽くかかっちゃうから」と説明を拒否。 また同様に「私はどこがどのように悪かったのが、どう改善したのですか?」という質問には、「直ったんだからいいでしょう」と、取りつく島もない。 そのことで一部の患者はこの先生を批判するが、その彼らにしても症状が完治しているのは言うまでもない。
 猫背気味の弟は、早速自宅のOAチェアを処分し、バランスボールに座ってパソコンをするようにした。 こうすると背筋が伸びていいらしい。 その他、一日中自分の姿勢を気にするようになったという。 これで弟の長年の猫背が直るならケガの功名である。
 エス東京オフィス。 東京北部にある、それは不思議な不思議な治療院。 「もう手術しかない」という症状にお悩みのアナタ、騙されたと思って行ってみるのもいいかも知れない。


エス東京オフィス【北区タウン】
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by theshophouse | 2007-01-15 01:57 | Mystery | Comments(2)
八木山峠・謎の手書き看板 (ほぼ完全版)
 数年前から気になっている手書き看板がある。 それは、九州は福岡県、福岡市と飯塚市を結ぶ国道201号線、通称八木山峠にある。
 今回帰福した際、偶然この八木山峠をクルマで走る僥倖に恵まれたので、この機会にこの「八木山峠謎の手書き看板」をきっちり写真に収めておくことにしたのだった。 だがそれは写真を撮り進むうちに白日の下に晒され、謎でも何でもなくなってしまったのである。
 今回、まず数年前に初めて見た時のボロボロの看板が全部新調されていたのにはびっくりした。 しかも同一シリーズの看板であることを見る者に認識させる共通の赤いラインが入っていた。 この点、以前にも増して製作者の高度な知能の発達を感じる。
 僕は飯塚から福岡方面にクルマで移動しながら写真を撮影していった。 この手書き看板は反対車線、つまり福岡から飯塚方面に向かう側にも同様に掲出されているのだが、こちらはスルーした。 メッセージに若干の違いはあるものの、内容、枚数ともほぼ同じである。 どちらか一方を見るとすれば、僕が撮影した「飯塚→福岡」側をお薦めする。 より笑えるのはこっちの方だからだ。
 前置きはこれぐらいにしてさっそく見ていこう。 順序は道路に掲出してあったままである。


b0045944_2318730.jpgわざわざ「(なぞ)×2」と書くぐらいだったら「なぞなぞ」と書けとツッコミ入れてみる。

雨上がりにいつも虹(2時)が出ているとは限らない。

ホントはこれより前に一枚看板があるのだが、掲げる場所が悪すぎるため、上から蔦のような植物に覆われて見えなくなっていた。
b0045944_23181773.jpgゴジラ(5時)ということなのだろうか? 他に考えようがないが、例えそうだったとしても呆れる。
b0045944_23182767.jpg十字架(10時)か?と誰かが落書きしている。 その通りだよ。 たぶん。
b0045944_23184083.jpg諸説あるが、僕はジジイが一人で一爺(1時)という見方。 その程度だろ。

追記 :
12月10日、ぶなしめ次さんよりご指摘
「よぼよぼのおじいさん」=「もうろくじじぃ」=「もう6時じぃ」ということで6時だそうです。m(_ _)m
b0045944_23185992.jpg「こんにちは」の「は」を「わ」→「輪」→「○」にした模様。

逆L型に引いた共通の赤いライン、この看板だけ間違えてL字型になってしまっている。 製作者としては大失態か?
b0045944_23198100.jpgポイ捨ての人の願いも叶いませんが、この不法看板の製作者の願いも叶わないと思います。
神様共同組合もそう仰ってます。
b0045944_23191837.jpgピグマリオンってギリシャ神話のキャラらしいが・・・。 その玉子って何やねん?
b0045944_23192714.jpg心の掃除? いい響きだね。 それで何処に行けばいいんでしょうか?
b0045944_23193850.jpg命の貯金? 耳障りのいい言葉の連続に、なんかちょっと胡散臭い宗教の匂いもしてきたりしてますが・・・。
b0045944_23194731.jpgいきなり具体的な誘導看板になりますた。

「よろしかったら」とは妙に腰が低いな。

ギャラリーよしき?

b0045944_23195777.jpg「風の館」なのか「ギャラリーよしき」なのかハッキリして欲しい。
b0045944_23201066.jpgやっぱり「ギャラリーよしき」なのね。(´∀`)
b0045944_23202776.jpgこの看板読んでる隙に飛び出してきた子供を見落として轢き殺すことは十分有り得ると思います。
b0045944_23203873.jpgようやく着いてみたら火曜の定休日だった。(´Д`)

ちなみに奥の看板には「(染色・木工・陶器・誌絵いろいろ) 民家のお店に入ってみんか」とあります。
b0045944_23204677.jpgギャラリー入口の門にぶら下がっている看板。
「こんにちちちちちちちちちちちちち」
b0045944_23205420.jpgギャラリーの敷地内に立つ野立て看板。 これまでの誘導看板はすべて違法でしたが、これは合法です。
b0045944_2321152.jpgギャラリーよしきの建物。 この直後開いている窓からオーナーの山本よしきさん(詩人)が顔を出し、「コーヒー飲んで行かれませんか?」と言われた。 定休日にも関わらず営業しておられたようだ。 せっかくのお招きだったが、この日はあいにく時間もなかったので丁重にお断りしてその場を辞した。 ちなみにコーヒーは一杯10円。
b0045944_2321910.jpg最後に僕らを見送ってくれた看板がコレ。
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリございました」

 けっこう盛り上がるとこでは盛り上がってるこの手書き看板の話題。 2ちゃんにもスレ立ってるし。 けど一度ぐらいはTVで扱って欲しいネタである。 そうなれば、ここはやっぱり小枝師匠あたりにきっちり取材していただきたいので、「探偵!ナイトスクープ」に捜査依頼出してみますた。
 ギャラリーよしきには、10円コーヒーの他に、くだんの看板のネタ本である「なぞなぞ集(300円)」も売られているらしい。 またツチノコ(「土でできた鋸」というオチらしい)を飼ってる壷や、自分の気持ちを占える黒塗りのお椀もあるそうだ。 何だかますます胡散臭さ大爆発。 生協の白石さんの一言メッセージの次は八木山のよしきさんの手書き看板ということで、皆様に盛り上げていただければと存じます。
 次回行った時によしきさんと膝詰めでゲージツの話やポエムの話、当然ダジャレの話なんかもしてみたいと思う僕であった。


豚が嫌いな野菜は?【クイズ・雑学板】
詩人・山本よしき公式ホームページ
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by theshophouse | 2005-11-18 23:47 | Mystery | Comments(14)
世田谷一家殺人事件の犯人は?
b0045944_23192778.jpg こないだ自宅から成城方面へ当てもなく自転車を走らせていた時のこと。 たまたま木梨サイクルの前を通ったら店が閉じられていた。 どうやら昨年、同じ祖師谷商店街の中で、駅から近い場所に移転して新装開店したようである(写真は旧店舗)。 店頭にはいつも作造さんが壊れた自転車を修理する姿があったが、店構えは高額納税者の実家としてはお世辞にも立派なものとは言えなかったので、作造さんも喜んでおられることだろう。 ちなみに祖師谷にはキムタクの母君が経営するイタリアン・レストランもあったり、ウルトラマンで名高い円谷プロもあったりする。
 旧木梨サイクルのところを西に折れ、そのまま仙川沿いを北上すると祖師谷公園がある。 仙川デルタを南北に広がり、昼間は散策する人やベンチでくつろぐ人の姿が見られるごく普通の公園である。 その仙川沿いの道を自転車で北上していた僕は気づいてしまった。 公園の只中にぽつんと取り残されたような敷地に建つ一軒の家の前にパトカーが停まっているのを。 ここがあの世田谷一家殺人事件の現場だったのか・・・。
b0045944_23194285.gif もともとは宅地ばかりだったこの一帯は、1991年から本格化した祖師谷公園の拡張整備事業のため立ち退きが進み、周囲は近隣住民の立ち退き後の更地や、既に拡張整備された公園に囲まれて陸の孤島になってしまっている。 不幸にも被害者となった宮沢みきおさん宅も近隣への引越しを予定していた。 僕が通りがかったのは午後2時ぐらいだったが、この時間でもあたりは閑散としている。 周囲には街燈も少なく、12月30日という年の瀬の夜10時頃、人通りは完全に途絶えていたであろうことは想像に難くない。 その衝撃的な事件のせいか、白昼でも背中にひんやりしたものを感じる場所だった。

(都合により記事の一部を削除させていただきました。 スマソ。)

上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件捜査本部
世田谷一家殺人事件 - Wikipedia
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by theshophouse | 2005-07-02 23:30 | Mystery | Comments(9)
あんでるせん その後
 1年ぶりの福岡出張へ行ってきたのだった。 またまた例によって取引先のスタッフの皆様と親戚のもつ鍋屋(もつ幸・祇園町地下鉄出口そば)で談笑していると、スタッフのひとりである井上君が突如として挙動不審な動き。 注視していると彼はカバンからおもむろに何かを取り出した。 「こんなものが手に入りましたよ。」 井上君が僕に差し出したのは何とあの超能力喫茶「あんでるせん」のショップカードであった。 聞けば氏の父君がはるばる福岡から長崎・佐世保のあんでるせんに行ってこられたというではないか。
 僕はあまりに突然の展開にいささか狼狽しながらも言葉をつないだ。 「それで父君は(あんでるせんについて)何かおっしゃっておられましたか?」 井上君曰く「父はあのマスターはやっぱりタダ者じゃないと言っていました。」 ううむ、またしても身近な人があんでるせん詣でを果たしたか。 このままでは僕ひとりが置き去りにされてしまうのではないか。 これまで4回にわたってこのあんでるせんをウェブサイトで取り上げてきた僕としてもこの事態は看過できるものではない。 かねてからあんでるせんへの旅を画策してきたものの、東京と長崎という物理的距離の大きさからそれは実現に至ることはなかった。 あんでるせん訪問は福岡出張とセットで行うのが地理的にも合理的ではあるが、今回は「讃岐うどんツアー」という別のオプションが既に選択されていたのである。 我々(僕・ルイジ・クニーニョ)は長崎ではなく香川に立ち寄って東京に帰るのである。
 もしかしたら僕はあんでるせんに行くことを無意識のうちに避けているのかも知れない。 行ってすべてをこの目で見た瞬間にすべてが白日のもとに曝されてしまうのを恐れているのかも知れない。 仮に無理して行ったところで店の前に「タカクラさん、あなたはうどんが食べたいのでしょう ここにはカレーしかありません また出直してきて下さい」とマスターのコメントが貼り出されているのがオチだ。 そう、きっとマスターは僕が来れないように今回「讃岐うどんツアー」という降って湧いたようなオプションを用意したのだ。 そうに違いない。 我々は常にマスターによってその行動を規定されているのだ。
 かくして今回もあんでるせんについての潜入ルポはなし。 この話、いつまで引っ張れるかわからないが、僕としてもこの話の落としどころが未だ見えない。 結局最後は行くしかないのだ。 しかしこんな激レアなものとお目にかかれるとは思ってもみなかった。 ネタ提供者の井上君の顔写真とともに公開させていただく。(2000/10/31出稿を再録)

b0045944_23302677.jpg情報提供者の井上君
現在ロンドン在住 僕の「モザイクかけましょうか?」との問いに「モザイク無用」とは本人の弁 さすが九州男児である 次回はお父上にもお会いしたいものだ
b0045944_23304849.jpgあんでるせんのショップカード
型紙用の紙を切り抜きスタンプを押しただけの飾り気まったくなしのカードである 市場価値は底知れない

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by theshophouse | 2004-10-31 23:37 | Mystery | Comments(0)
三菱鉛筆の怪
 三菱グループといえば、航空機から鉛筆まで幅広い分野に広がる日本でも有数の財閥系企業連合であると僕は思っていた。 生まれてから30年以上そう思っていた。
 しかし、ひょんなことから僕の勝手な思い込みは崩されることになる。 昨夏、僕はかつて三菱自動車に勤めていたという知り合いから面白い話を聞かされた。 その人曰く「三菱鉛筆は三菱グループとは何の関係もない会社」なのだそうである。 これには僕も驚いた。 そして自分の無知を恥じた。 それは、長年実の母親と思っていた女性が実はアカの他人だったと聞かされたような心境とでも言おうか。 僕の悪い癖は些細なことをいつでも大袈裟な比喩にすり替えるところだ。
 子供時代、三菱マークの鉛筆を象が踏んでも壊れないスーパーな筆箱にぎっしり詰めて学校に通っていた僕にとって三菱は紛れもなく最初に手にした「ブランド」であり、天下の三菱を所有するということにおいてトンボ鉛筆とは自分のなかで明確に一線を画していた。 そんな僕の個人的な三菱神話が突如音を立てて崩壊したのである。 これを大事件と言わずして何と言うべきか。
 ここでやはり三菱(スリーダイヤ)マークの由来について触れておかねばなるまい。 そもそもこの三菱のマークは、1870(明治3)年、三菱の創業者岩崎弥太郎が、3隻の汽船で九十九商会という事業を興した時に、船旗号として採用した三角菱のマークがもとになっている。 岩崎家の家紋「三角菱」と岩崎家の出身地土佐藩主山内家の家紋「三ッ柏」を組み合わせたものなのである。
 かたや三菱鉛筆のシンボルマークも三菱グループとまったく同じ形状のスリーダイヤである。 こちらのマークの由来についても調べてみた。
 1887年、創業者眞崎仁六が前身となる「眞崎鉛筆製造所」を東京市四谷区にて創業。 1901年、逓信省(現・郵政省)へ初めての国産鉛筆(局用1号・2号・3号)を納入。 1903年、逓信省納入の3種の鉛筆を記念して、「三菱」ブランド登録(登録番号18865)とある。 どうやらこのあたりで三菱マークが生まれているようだ。 ただし社名が「三菱鉛筆」となるのは戦後を待たなければならない。
 おそらく当時の牧歌的なわが国においては商標権のようないわゆる知的所有権に対する意識が希薄だったため、このような三菱マークが並立する事態になってしまったのではないかと思う。 そしてそれはあくまで並立のまま対立することなく今日に至っているのだ。 三菱グループには遠く及ばぬ企業規模とはいえ、今や三菱鉛筆も東証一部上場(1972年)のれっきとした一流企業である。 このような両者の間でまったく同じ社名とシンボルマークが共有されている例は他にない。 もっとも三菱鉛筆も、1958年からその主要分野である鉛筆部門ではもっぱらブランド名である「ユニ」を全面に押し出している。 これには三菱グループとの懐柔の意味も多分に含まれているのではあるまいか。
 いずれにせよ、両者の間で社名やマークの所有権をめぐって血で血を洗う骨肉の百日戦争などというものがあったという話を僕は聞いたことがなく、事態は極めて平和裏に推移しているようである。 もし「いや実はこの両者にはかつてこんな争いがあったのだ」という情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非教えて下さい。 自身の不勉強を顧みて「三菱問題・闘争編」として続編を上梓させていただく所存です。(2000/7/5出稿を再録)

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by theshophouse | 2004-10-24 23:36 | Mystery | Comments(0)
あんでるせん その4
 先日また仕事で博多に行ってきました。 取引先のお店のスタッフの方々と、僕の親戚が経営するもつ鍋屋で膝を交えた時に、何気なくあんでるせんの話を切り出してみました。 僕がなぜそのような行動にでたのかというと、東京ではほとんど知られていないあんでるせんの存在がここ博多ではどれほどのものであるかということに興味があったからです。 はからずもここ博多はあんでるせんのある長崎の佐世保とはクルマで2時間ほどの距離であり、その物理的な距離の近さがあんでるせんの認知度にも影響を及ぼしているのではないかと思ったのです。
 結果はその場に居合わせた5人のうち2人があんでるせんのことを知っていました。 もっとも彼らのあんでるせんについての知識は噂話の域を出るものではなく、僕の知っている情報に上書きできるようなものは何一つとしてありませんでした。 「まあ所詮こんなものだろう。」 僕は軽い落胆を覚えつつも、初めてあんでるせんのことを知る人たちと会話ができたことで少し機嫌を良くしながら帰路につきました。
 さて次の日、今度は大学時代の友人3人と「家康」で焼き鳥を食べ、焼酎を飲みました。 僕は博多に帰ると無性に家康や信長(福岡にある焼き鳥のチェーン店)の焼き鳥が食べたくなってしまいます。 東京では高い焼き鳥も、ここでは一本50~70円ですし、何と言ってもキャベツがタダで食べられるのが嬉しいところです。
 僕は今度も同じ話題を切り出してみました。 すると3人のうちの2人があんでるせんのことを知っていたのです。 しかもそのうちの1人は2回も行ったことがあるというのです。 これには驚きました。 しかも彼が最初にあんでるせんを訪れたのは10年も前のことだそうです。
 彼は最初にあんでるせんを訪れた時にいくつかの疑問を感じたといいます。 そこで彼は2度目に訪れた時にその疑問を解決してみようと試みました。 2度目の時、彼は友人と二人で行ったのですが、マスターはいつもそうするように彼の友人の時計を取り上げ、三つの針をグルグルと回してみせました。 彼はマスターに「僕の時計でもやってみてくれませんか?」と、自分がその日していたロレックスを差し出しました。 マスターは時計を見ると、「こんな高価な時計は万が一壊してしまうといけないのでできません。」と断ったそうです。 彼の結論はこうです。 「理由は定かではないが、マスターはクオーツ(電池式)の時計は回せても、自動巻きの時計は回せない。」
 それに反して、やはり不可解としか言いようのない事実も目の当たりにしました。 彼の差し出した煙草がマスターの手のひらに置かれたかと思うと、ひとりで直立し、宙に浮いてはクルクルと回るさまを30cmほどの距離で見せつけられたのです。 彼はそこに何のトリックも、その匂いすら嗅ぎとることすらできませんでした。
 また、これまであんでるせんのマスターについては予言や占いといった行為は報告されていませんでしたが、店には「質問箱」というものが存在しているということが彼の報告で判明しました。 彼の話によると、質問箱にはマスターへの質問の他、自分の将来など占って欲しい事柄、そして自分の名前と住所を記入した紙を入れておくと、あとでマスターから回答が郵送されてくるそうです。 「必ず返事は書きます。 今とても質問が多いので、返事が届くのは三ヶ月後ぐらいになると思いますけど。」とはマスターの弁。
 友人曰く「Mr.マリックのような超魔術かなあと思える部分もあるけれど、それだけでは割り切れない部分もかなり残っている。 僕自身はやはり超魔術師ではないかと思っている。」とのこと。 あんでるせんは依然として大きな謎を投げかけながら今日も営業を続けている。

 先日このページを見たという或るサイトの管理者からコンタクトがあった。 彼の主宰するサイトは『超常識的超能力研究所』といい、リンクのコーナーで「超能力喫茶に関するホームページ集」としてあんでるせんについて書かれた多くのページを取り上げている。 そこに当ページをリンクさせてほしいという依頼であった。 その中にはフォークに「変化」したスプーンの写真や霊視写真を掲載してあるページもあり、非常に興味深い。 彼自身はあんでるせんのマスターを「二流の手品師」と決めつけているが、僕にはよくわからない。 少なくとも自分で見るまではその判断を先送りしようと思っている。。(1999/12/8出稿を再録)

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by theshophouse | 2004-10-17 18:55 | Mystery | Comments(0)
あんでるせん その3
 僕はたま出版の韮沢編集長の言うことをそのまま信じることはできませんが、大槻教授は嫌いだし、特に松尾貴史はジュードー・チョップを食らわせたいぐらい嫌いです。 僕はこの世の中にUFOや心霊現象、超能力といった類いのものが存在するということに少しの疑問も感じません。 こうした僕のような超常現象肯定派のみならず、否定派の方でもあんでるせんに行ってみたいと思われることでしょう。 それは決して不思議なことではありません。 人間は本能的に不可解な事物を解きあかそうとする生き物だからです。
 いつの日か、あんでるせんに行かなければならない時が来るでしょう。 人によってはそれが今日かも知れません。 そこで、インターネットを通じて入手した「あんでるせんへのアクセス」をまとめました。
 JRの博多駅から鹿児島本線で鳥栖まで行き、ここで佐世保線に乗り換えて早岐まで行き、さらにここで大村線に乗り換えて川棚駅で下車、全行程で約3時間ほどの道のりである。 JR川棚駅前の歩道橋横の3階建てのビルの2階にある。
 サイキック・ショーは平日は1日2回、土日は1日3回。 会場に同時に入れるのは30名まで。 予約は当日のみ。 予約はあんでるせんの階下にある「ギフトフーズひさむら」で行なっている。 こちらはマスターの両親が経営している雑貨店である。 当日の朝7時40分から並んでいる人に順番に整理券を渡す。 席が余った場合には、朝8時から電話予約可能。 整理券の順番にショーの時に良い席を確保することができる。 撮影不可。 最前列は6人くらい、だいたい前日からの徹夜の人々である。 土日であれば、朝には50~60人程度が行列を作っている(確実に入りたい場合には朝7時40分までに並んでください)。 整理券をもらった後は予定の時間の前に店の前に並ぶ。 1秒でも遅れたら、キャンセルとみなされ、キャンセル待ちの人が店に入る。
 この街では県外ナンバーの車はあんでるせんへの客とみなされる。 店に迷惑をかけないようにマナーに気をつけること。 定休日は第一、第三日曜日で開店は午前10時30分。 1回目のショー13:00~、2回目のショー 16:00~、3回目のショー 19:00~。 料金は普通の食事代だけで、ショーは無料。 住所は長崎県川棚町栄町2。
 こんなことを書いている本人が行ったことがないとは情けない限りです。 一刻も早くかの地を訪れ、詳細なあんでるせんリポートをしたいと思っています。 3回にわたったあんでるせんの話の結びとして、インターネットを通じて入手したマスターの言葉をいくつか引用したいと思います。
「こんなこと(超能力が)できても、実際にはあまり意味ありません。 イメージしたことが、そのまま現実になる、その事実が大切なのです。」
「超能力は右脳を使います。 でも、左脳(理論、知識)が邪魔しますね。 理論、知識じゃありません。イメージできれば、誰にでもできるんです。 できないって思ったら、それがそのまま現実になります。」
「繰り返すことが大切です。 プラス思考でも、成功哲学でもいっしょですね。 人間は100回以上繰り返さなければ、それを自分の観念にできないんです。」
「病気になる人、事故に会う人は、それを自分で引き寄せているんです。 健康に執着すること、無事故に執着すること、逆の意味で引き寄せてますね。」
「ニュースでも、報道されることだけみていたら、本当の姿は見えません。 百聞は一見にしかず、百見は一体験にしかず、どんどん体験してください。」
「プラス思考で生きれば、明るく楽しい人生になります。 マイナス思考で生きれば、暗く悲しい人生になります。 思考がすべてを引き寄せ、現実にするということですね。」
「過去はどんなに素晴らしくても、生ゴミです。 それは、過去にこだわっても、意味がないってことです。 生ゴミを食べてたら、お腹壊しますよね。」
 はたしてこの男は何物なのか? 世紀末の日本に転生したインドの聖者サイババか? 現代に甦ったエドガー・ケイシーか? はたまた超能力者を偽った超魔術師か? それともただのオプティミストか? それを確かめることができるのは結局のところ、あなた自身だけなのである。(1999/7/15出稿を再録)

※文中のいくつかの事柄はリュウの日記他から引用させていただきました。

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by theshophouse | 2004-10-17 13:34 | Mystery | Comments(0)
あんでるせん その2
 友人Jはさらに続ける。 彼の母親の他に、仕事上の知り合いもあんでるせんを訪れているらしいのだ。 その人の話は以下のようなものである。
 あんでるせんは完全予約制をとっている。 にもかかわらず、やはり予約しないで行ってしまう人もいる。 そんな人がやっとの思いであんでるせんに辿り着くと、店の外に「◯◯さん、また別の機会にお越し下さい」と、すでに自分の名前が書かれた貼り紙がしてあるという。
 このような超常現象全般を目の敵にしている早稲田大学の大槻教授から何通も手紙が届いており、どの手紙にも「いつかお前の嘘を暴きに行ってやる!」と書かれているという。 しかしマスターは平然としている。 「来ませんよ。 来れないようにしてますから。」 どうやら彼のスケジュールを思いのままに操って、来る時間などないようにしているらしいのだ。 当然マスコミもやって来ては出演依頼するわけだが、不思議なことにこれらマスコミにあんでるせんが紹介されたことはない。 これも大槻教授同様、マスターの意のままというわけだ。
 またこれはJの知り合いが実際に目撃したのだが、マスターが「絶好調」の時は壁から溶け出すように登場するのである。 これはもうアキラの世界。 ちょっと背筋が寒くなる話だ。
 いくらマスコミに露出していないとは言っても、インターネット上ならあんでるせんの情報が入手できるのでは、と考えた僕は早速いくつかの検索エンジンで「あんでるせん 佐世保」でキーワード検索してみた。 結果、数は少ないものの幾つかの「あんでるせん探訪記」的なサイトを発見した。 以下に記すのは、そうした中で複数のサイトに同じ内容が書かれていた比較的信憑性が高い事柄である。 そのまま抜粋する。 友人Jの話と重複する事柄は省略した。
 「あんでるせん」は長崎県川棚町駅前にある喫茶店だ。 マスターが超能力者だ。7年前、佐世保に住んでいたことがあるが、あんでるせんのことは以前から噂で知っていた。
 一昨日、キャナルシティのみどりさんと話した中で、「明日、あんでるせんに行く」ということを聞いたので、リュウも今、夏休みをとっているので、あんでるせんに行ってみることにした。 こういうことは、思い立ったが吉日(?)だから。 このチャンスを逃したら、遠いだけに、もういつ行くかわかない。 JRの鈍行を二日市、肥前山口、早岐の3駅で乗り換え、3時間ほどでやっとたどり着いた。
 JR川棚駅前の歩道橋横の3階建てのビルの2階にある。 店の中には、ソニーの盛田会長、NECの関本会長夫妻、大相撲からは両国親方、舞乃海、久島海、ソウル水泳金メダルの鈴木大地、評論家の竹村健一、俳優の藤岡弘、ホリプロ会長、チェッカーズのフミヤなどあんでるせんを訪問した有名人のポラロイド写真が20数枚壁に貼ってある。 マスターは36、7歳くらいの浅黒いかっこいい青年風の人だった。 「気」の使い手だ。
 さて、カウンターの前に椅子を並べ始め、これもまた整理券の番号順に良い席から並んでいく。 最前列の6人くらい以外はすべて立ち見となる。 ショーの目安は1.5時間であるから、少なくとも、そのくらいの時間は立てる心積もりでいなければならない。 準備が整うとマスターがカウンターの向こうに顔を出した。 いきなり表情が打って変わってにこやかである。 ジョークを飛ばしながらショーが進んでいく。 手を触れずに物が動く、物が空中に浮かぶ、物の形が変わる、その度に観客から感嘆の声が洩れる。 マスターは超能力と呼ばれるものは、ほとんどすべてできるようである。

 演技中、何回かバチッと火花が飛んだことがあった。 マスターの指に火傷で水膨れもできた。 13:30過ぎから始まり、15:10くらいまでの1時間40分ほどのショーだった。

 紙細工で何でも折ってしまう。 折り紙で「ツル」を折ったことはだれでもあろう。 店内には、紙で折った作品(立体)が額に入れて壁に20点くらい展示、というか並べて飾ってある。 額に入らないものはあちこちのテーブルの上などに所狭しと置いてある。 全部で50点以上はある。 人物シリーズ「チェッカーズ」「ゲゲゲの鬼太郎」など、花シリーズ「薔薇の花」「水仙の花」など、動物シリーズ「ザリガニ」「サイ」など様々な動物、宇宙シリーズ「ET」「スペースシャトル」など。 とにかく、いっぱいある。
 最初、店内に入ってきた時、いっぱい展示してある折り紙が異常に(本当に異常に)あるので、「これは誰が作ったんだろうか? お客さんで折り紙が好きな人が、この店にプレゼントしていって、溜まったものかな」と思っていた。 ところが、これはマスターが折ったものだそうだ。 全部1枚の紙で折ったものだそうだ。 エー!!「こんなザリガニなんかは足がいっぱいあるから、難しいですよ」という。 ザリガニの目のところが白で、他の体の部分は赤。 これも1枚の紙で折ったそうだ。 目の部分だけに裏の「白」色を出すのは苦労するそうだ。 どのようにして計算するのかサンプルとして、計算式も見せてくれた。 難しい数学の式がならんでいる。 紙を細かいマス目を作り、細かく折っていくそうだ。 まったく天才技だ。 頭も相当いいんだろう。 すべて、計算して作るようだ。

 「念写」ではリュウも参加した。 覚えたトランプカードを念写によってポラロイドで写し出した。 リュウの右目のところにトランプカードが写っている。 そのカードの上に娘さんらしい女の人の微笑んだ顔が小さく写っている。 顔が小さくて分かりにくいが、心あたりはない、と思う。 マジで。 縁があった人だという。 ジョーダンじゃないぜ。 今時、珍しい清く正しい男なのに。 でも、男でなくて良かった。 男だったら最悪だった。 気になってマスターに聞いたら、その人が生きているのか死んでいるのかはわからないという。 確かに気持ちは悪いが、この写真は記念に(話のタネに)もらって来た。
 これらの報告はそのほとんどが1997年以降のものである。 無論これはインターネットの普及とも無関係ではない。 しかしながらクチコミ情報の宝庫であるはずのインターネット上にもあんでるせんの情報は少なく、画像も入手できなかった。 謎は深まるばかりである。(1999/7/10出稿を再録)

つづく

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by theshophouse | 2004-10-17 13:25 | Mystery | Comments(0)
あんでるせん その1
 先日、代官山で学生時代の友人Jと7年ぶりぐらいに会った。 彼は今、かつてはクリエイターや横文字職業人の巣窟と言われた「代官山パーフェクト・ルーム」に事務所を構えていて、「capitol hill product」というブランドの服や靴をデザイン・製造・卸売りしている。 ユナイテッド・アローズにも彼のブランドの商品が並んでいるそうだ。 どうぞごひいきに。 と、ここまではちょっとした宣伝なのですが、その彼が7年ぶりに会った僕にいきなり言うのである。
 「あんでるせんって知っとう(博多弁)?」 彼の顔色から童話やパン屋の話ではないことを察した僕は、少しの間を置いてから「知らん。」と答えた。 彼は何度も「話していい? 本当に話してもいい?」と何度も躊躇しながら小声で話し始めた。 それは驚くべき話であった。
 福岡在住の彼の母親が友人と、長崎は佐世保のとある喫茶店「あんでるせん」に行くことになった。 なんでもその喫茶店のマスターが超能力の使い手らしく、超能力ショーを見せてくれるらしい。 店は完全予約制なので、彼女は一緒に行くHさんに予約の電話を入れてもらった。 彼女とHさんを含む総勢5名のお仲間は無事に席を確保し、長崎へと向かった。
 店に入るとまず注文する。 メニューは700円のカレーと300円のコーヒーのみ。 マスターは一人ですべての客の注文をとり、一人で黙々と準備する。 店内には全部で30席ほどあり、満席である。 やがて各々の前に注文したものが運ばれ、みんな食べる。 みんなが食べ終わると会計して、片付けが始まる。 この間マスターは殆ど何も喋らない。 こうしてようやく「ショー」が始まる。 ショーは無料で見ることができる。 つまり最低300円払えば、延べ一時間半に及ぶサイキック・ショーを満喫することができるのである。 決して商売気はなさそうだ。
 マスターはあらかじめ別の客に札入れを渡し、絵を描きたい人に何人か手をあげてもらう。 ジャンケンで買ったのはJの母親であった。 マスターは彼女に紙を渡して「何でも好きな絵と自分の名前を書いて下さい。」と言う。 彼女は渡された紙にハイヒールの絵を描いてポケットにそれをしまった。 そこで先ほどの札入れを開けると、マスターが今朝7時に描いたという絵が出て来た。 そこに描かれていたのは、ハイヒールのような形をした便器と彼女の名前だった。 朝7時から彼女が来店して、ジャンケンで勝つ事がわかっていたそうだ。 ちなみに予約時にはHさんの名前しか伝えていなかった。 また、他のお客さんの名前やその人のお父さんの名前などを当てる。
 新しいスプーンをお客に渡し、手のひらでお皿の部分(スプーンのものを入れる部分)を握ってもらう。 マスターが「気」を送る。 マスターが「ちょっと(気が)強すぎたかな」という。 お客が手のひらを開くと、何と「スプーン」が「フォーク」になっている。 やはり気が強すぎたのだろう。 フォークの先の部分が焦げたようになっていて少し絡まっている。 スプーンがフォークに変わる。 こうして「変化」したスプーンはお土産に買って帰ることもできる。
 お客さんから秒針のある腕時計を借りて、テーブルの上に置く。 時計にはマスターは触れてはいない。 マスターが「今から、秒針を止めます。」と言って、気を時計に送る。 とたんに秒針が止まってしまう。 次に「何時何分か好きな時間を言ってください」と言って、お客が「2時5分」という。 また、気を送ると、長針(分針)がスーっと回りだし、指定された時間でピタリと止まる。
 電源につながっていない電球に電気をつけて、しかも宙に浮かせて思い通りに空中の電球を動かせる。 次に手のひらの100円硬貨を、カマボコ板みたいなもので、パンと叩くと3分割ほどに割ってしまう。 割ったら、粉くらいの破片が出たので、うまく戻るかなあといいながらも、最後は一瞬にしてもとに戻してしまう。 さらに一万円札を100円硬貨が通過する。 電子構造の隙間を利用するのだそうだ。
 Jの母親から、あらかじめナンバーを控えた一万円札を預かり、空中で燃やしてしまう。 そして「この一万円札はあきらめなさい。 いつか思わぬ時にあなたの手に戻りますから。」と無責任なことを言う。 彼女は自宅に帰って、いつも鍵を入れる引き出しを開けたら、先ほどの一万円札が入っていた。 彼女の友人たちも、マスターに預けてきたはずのイヤリングなどが、後日自宅のあちこちから出て来た。

 最初は「久しぶりに会ったというのにうさん臭い話をする奴だなあ。」とあきれていた僕だったが、いつの間にか身を乗り出して聞いているのであった。(1999/7/3出稿を再録)

つづく

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by theshophouse | 2004-10-17 13:21 | Mystery | Comments(0)



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