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カテゴリ:蹴球狂の詩( 111 )
アジアと世界の狭間で【アジアカップ2007総括】
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 無様な試合だった。 本当は昨夜の試合について何も書きたくないというのが正直なところだ。
 僕はオーストラリア代表同様、韓国のサッカーが嫌いだ。 技術も戦術もないのに、ただ精神力だけで戦うサッカー。 それはアジアではどうにか通用しても世界では通用しないサッカーである。 そういう意味で、どっからどう見ても草以下の主審のせいで韓国が一人少なくなり、更には監督やコーチまでが退場処分となり、元々彼らが持っている日本への反骨心や精神力を必要以上に刺激したのは非常にまずかった。
 僕は韓国が一人退場で少なくなった時点でPK戦を覚悟した。 試合が力と技の応酬ではなく、単なるガマン大会に成り下がったからだ。 日本は数的有利になる以前からゲームを支配していたが、これによって韓国の土俵で戦わざるをえなくなってしまった。
 一方で、日本が目指しているのはアジアを勝ち抜くサッカーではなく、世界の列強のなかでいかに日本らしいサッカーで勝負していくかということであり、未だその道半ばにある。 常にボールを動かし、プレイヤーは目まぐるしくポジションチェンジし、ボールとプレイヤーの動きを有機的に連動させて崩していくサッカーには、ボールとプレイヤーが動くスペースが必要だ。
 相手が一人少なくなって引かれたオーストラリア戦、中盤を省略して引いてきたサウジ戦、そして昨夜の韓国戦と、日本は完全に引いた相手を崩すミッションを与えられたが、いずれも答えを出すことはできなかった。 残念ながら、今の日本代表には相手に完全に引かれた時に崩しきるだけのアイデアも技術も強引さもなかった。 これは決して今に始まったことではない。
 結局日本は今回のアジアカップにおいて4位という結果に終わった。 その敗因ははっきりしている。

【加地さんの起用】 無意味なだけでなく日本にとって大きなマイナスだった。 すべてを狂わせたと言ってもいい。 昨夜にしても加地さんは数え切れないほど韓国に貢献していたし、事実上韓国の12番目の選手だった。 やはり彼の血がそうさせるのだろうか? 最初から10人対12人で戦っているのだから、相手が一人退場になっても日本は数的不利のままだった。
 そのプレーぶりについて今さら書くのも疲れた。 詳しくはこのカテゴリーの過去ログ「日本の右サイドはこれでいいのか?第1回~第9回」をご参照いただきたい。
 加地さんには代表引退はもちろん、自らそのサッカー人生に終止符を打ってもらうことを激しく熱望する。 今ならまだ若いからいくらでもやり直しがきく。 何なら僕が仕事を紹介してもいい。 とにかく一刻も早く消えてくれ。 日本に帰国する必要はない。 できることならそのままスマトラ島に骨を埋めてもらいたい。

【大会メンバーの人選】 ベンチに使える選手がほとんどいなかった。 使われたのは山岸や羽生ら、ティバでオシムの薫陶を受けたお気に入りの選手と佐藤と矢野だけ。 同じティバでも僕が起用を熱望した水野は結局使われずじまい。 その結果、途中交代もパターン化し、誰が入っても何かが起きる気がまったくしなかった。 すべてはベンチの駒不足が原因だ。

【オシム采配】 無論言いたいことはたくさんあるけれど、ジーコの時みたいに監督批判はしないと決めている。 僕はこのアジアカップで初めて彼がやりたいサッカーがおぼろげながら見えてきたし、その目指す方向、コンセプトは悪くないと思う。 ただ、彼の目指すサッカーを体現するのに、今回のメンバーでは明らかに役不足だった。 

【大会運営】 僕がいたバンコクもスコール続きで涼しかったが、昨夜のインドネシアも涼しかった。 クアラルンプールも同様に涼しかった。 つまり、ハノイが一番高温多湿で酷な環境だった。 当初ずっとハノイで試合ができる日本は有利と思われていたが、実際は累積疲労が溜まり、サウジ戦以降、十分なパフォーマンスを出すことが困難だった。
 東南アジアの4カ国開催と一口に言っても、緯度も経度も大きく異なり、すべての出場国がイコールコンディションで戦うことはできなかった。 加えて試合の行われる都市間の交通も非常に不便なうえ、ホスピタリティは最悪。 選手たちは余計なストレスで更に消耗した。

 色々な意味でアジアと世界との格差の狭間でもがいた今回のアジアカップだった。 コンフェデレーションズ・カップの出場権を逃したのは痛いが、日本サッカーの進化を確認するうえで今後欧州や南米の強豪国とのテストマッチは欠かせない。
 協会やスポンサーとのしがらみを断ち切って、咬ませ犬みたいな三流国やアジア諸国は華麗にスルーし、オシムの顔でそうした列強と戦い、数をこなしていくことでしか日本代表の強化はない。 そうでなければ日本代表は亀田三兄弟化し、果てはドイツの二の舞となることだろう。
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by theshophouse | 2007-07-29 02:43 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
11年ぶりの敗戦
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 アジアカップ準決勝。 サウジアラビア戦。 日本2対3の敗戦。 ここ2大会勝ち続けてきた日本の命運も尽きた。
 試合前の段階では日本が有利なはずだった。 ハノイにとどまり、サウジ対策も入念にやってきた。 休養もサウジより一日多かった。 片やサウジはジャカルタから移動もあり、コンディションでは日本の方が優位に立っているはずだった。 しかし、試合を見る限り、そうしたアドバンテージはまったく感じられないほどサウジの選手たちの動きは良く、逆に日本の選手の疲労の色は濃かった。
 日本はマークすべき相手を間違えた。 警戒していた20番のヤセルはどちらかというとシャドーストライカーであり、前線とはいえ下がり目の位置でゲームメイクに徹していた。 中澤がヤセル対策に忙殺された分、9番のマレクへの対応が手薄になった感は否めない。
 日本が中東のチームにやられるパターンは、いつも相手の前線の選手の個人技や身体能力の高さである。 加茂監督時代の1996年UAE大会の準々決勝、対クウェート戦でフーウェイディ一人にやられた試合を思い出す。 日本のアジアカップでの敗戦はあの試合以来、11年ぶりだ。 当時の主要なメンバーは、カズ、高木、前園、森島、名波、山口素、相馬、柳本、井原、小村そして下川。 無論誰一人として今の代表に名を連ねるものはいない。
 僕はむしろ、アジアカップというそれなりにレベルの高い大会、しかもレベルの低い審判の不可解なジャッジや偶発的な事故も起こりえるサッカーという競技において、日本がこれだけ勝ち続けていたことに今さらながら驚きを禁じえない。 つまり、いつかは負けることもあるし、それがたまたま昨夜のゲームだったということである。 昨夜も決して悪いサッカーをしていたわけではなかった。 むしろサウジより日本の方がゲーム自体は支配していたのではないだろうか。
 サウジは高い位置からプレッシャーをかけてきたが、序盤の日本は慌てることなくボールを回していた。 ただ、相手のボールを奪ってからの展開は遅く、アイデアを欠いた。
 敗因を分析しておくことは必要である。 堅守速攻を武器とするサウジアラビアに2度もリードを許したのが痛かった。 日本はいずれもゲームが落ち着かないうちに追いつく逞しさをみせたが、3度目はなかった。
 サウジは日本のサイドチェンジによく対応し、日本はサイドで数的優位をつくることができず、最後まで決定的なクロスを入れることができなかった。 真ん中にしても、あそこまでペナルティエリア内に人数をかけられてはパスで崩しきるのは至難の業である。 後半、サウジが完全に引いてからは逆にペナルティエリアの前にスペースが生まれ、俊輔や憲剛、羽生がミドルシュートを放ったが、枠に行かないシュートは脅威にすらなりえず、相手DFをエリアから引きずり出すことすらできなかった。
 最初の失点は加地さんが競り負けたこぼれ球をヤセルに蹴り込まれ、2失点目も加地さんのクリアボールが相手へのプレゼントボールになり、そこからサイドチェンジされてクロスを入れられてゴールを許した。
 加地さんはなまじ守備もできない(ヘディングが弱い)のに、エリア内で相手をマークすべきではなかった。 サウジの1点目はセットプレーからだったし、あのシーンはむしろ巻のようにヘディングの強い選手が競るべきだった。
 2失点目は中澤がヤセルに引っ張られるなか、その中澤と阿部の間の小さなスペースに飛び込んできたマレクへの対応が遅れたが、個人的にはその小さなスペースにドンピシャのクロスを送り込んだアル・バハリと、見事なヘディングシュートを決めたマレクを褒めたい。
 3失点目もマレクの個人技から。 巧みなフェイントに置き去りにされた中澤と阿部を責めるのは酷というものだろう。 終始ふがいなかった攻撃陣の代わりに二人ともゴールを決めたのだから。 本来なら最初に加地さんが対応し、阿部と中澤が余るかたちになるべきだったが、この時前がかりだった加地さんは戻り切れていなかった。
 こうして見ていくと、日本の失点はすべて加地さんが直接の原因であったり遠因となっていたりするのである。 無論それを補うような攻撃面での働きがあればいいのだが、今日もいつものようにクロスの精度はなく、突破を試みるでもなく、ボールキープすらできなかった。 持ち前の運動量すら少なかった。 このうえ加地さんが代表の右サイドに居座り続ける理由を知っている人がいたらぜひこの僕にご教授願いたいものである。 日本の右サイドはいつまで不毛地帯で危険地帯であり続けるのだろうか。
 もうひとつ。 まだ3位決定戦があるので総括は先送りにするが、今大会を通じての俊輔のプレーには不満が残る。 いくら相手のマークが厳しいからといって、シュートが打てる場面でもパスを選択したり、危険なゾーンに侵入していく回数も著しく少ない。 相手から見れば昨夜の俊輔はまったく恐い存在ではなかっただろう。
 決勝はサウジアラビア対イラク。 話題性という意味で、オーストラリアを3対1で破ったり、祖国で応援していた国民の「祝砲」で死者を出したりしたイラクは紛れもなく今大会の主役である。 目標を失った日本の3位決定戦よりもむしろこちらの結末の方が興味深い。
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by theshophouse | 2007-07-26 02:19 | 蹴球狂の詩 | Comments(5)
天の配剤
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 僕はオーストラリアのサッカーが嫌いだ。
 プレミアリーガーをたくさん抱えるわりには、国技であるオージーボールみたいにフィジカルに頼った面白くも何ともないサッカー。 それだけに、そんな美意識ゼロのサッカーに叩きのめされた1年前のカイザースラウテルンの出来事は余計にダメージが大きかった。 日本がジーコとともに4年の歳月をかけて築き上げてきたサッカーがわずか9分のうちに瓦解したのである。 初戦でのつまづきは大きく、日本はグループリーグでドイツを去った。
 昨夜の試合は、ありきたりの言葉で言うなら「意地とプライドを懸けた戦い」だった。 結果はドローだったものの、PK戦で日本が勝利し準決勝に進んだ。 圧勝で借りを返すというわけにはいかなかったが、内容では終始日本が上回っていた。
 前のエントリーでも書いたように今大会もオーストラリアはいいサッカーをしていない。 タイのサッカーの方がスリリングで面白かったぐらいだ。 オーストラリアには、とにかくヴィドゥカに当てる以外に戦術らしい戦術は存在しない。 タイ相手ではそのフィジカルの違いだけで相手DFを子供扱いしたヴィドゥカだったが、昨夜は中澤と阿部に完封された。 昨夜日本中のサッカーファンがヴィドゥカのいないオーストラリアのサッカーを見たことだろう。 アロイージにしろキューウェルにしろケーヒルにしろ、みな個人個人は素晴らしい能力を持つプレイヤーだが、オーストラリア代表の中に入ってしまえばヴィドゥカという巨大な回転軸にぶら下がって、ただ周りをぐるぐる回っているだけに過ぎない。 それだけにオーストラリアベンチが早々にヴィドゥカを見切り、代わりにキューウェルが入って楽になった。 カイザースラウテルンの時はヒディンクが前線にもう一枚ノッポを入れ、ヴィドゥカへのマークが散漫になってやられただけに、この起用には救われたと言える。 ヴィドゥカはこのアジアカップを最後に代表を退く意志を表明しているので、昨夜が彼の代表でのラストマッチとなるかも知れない。 オーストラリアがアジアで真に危険なチームとなるのは、脱ヴィドゥカの戦術を確立した時だろう。
 日本はハノイに長くいるせいか、選手のコンディションが非常に良かった。 一部の選手を除いて出来も良かった。 中澤と阿部は完璧な仕事をしたし、鈴木啓太も惜しみなく動いてピンチの芽を摘んだ。 駒野は積極的に攻撃参加し、後半右サイドに入ってからも良く動いた。 遠藤と俊輔は落ち着いてボールを捌き、巻も献身的に動いた。 高原の同点ゴールには救われたし、能活のPK戦でのセーヴは3年前のVTRを見ているようだった。
 不満が残るのはミスが目立った中村憲剛と右サイドの加地さんということになる。 特に加地さんは相変わらずパスを貰っても自分で局面を打開する姿勢すら見せないでバックパスか横パスばかりで、縦にボールを入れるシーンがほとんどない。 相手DFを目掛けての正確無比なクロス、不安定感抜群のディフェンスは、まるでオーストラリアの12人目の選手かと見紛うばかりだった。
 準決勝に向けての光明は、その加地さんがケガで途中交代したこと。 きっとこれはサッカーの神様がアジアカップ3連覇を狙う日本代表にもたらしてくれた天の配剤である。 次戦こそはディフェンス面に多少目をつぶってでも右サイドに水野を使っては貰えないだろうか。 無論加地さんのことである。 「次は休め」と言ってもゾンビのようにしぶとく復活してくるだろうが、それでも水野を試して欲しい。 経験とは真剣勝負のなかでしか培うことができないものだからだ。
 日本はあと2試合戦える。 停滞しっ放しの日本の右サイドに「水をこぼしまくる人」はもういらない。 澱んだ水が腐臭を放っている右サイドに新鮮な水を注いで欲しい。
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by theshophouse | 2007-07-22 02:19 | 蹴球狂の詩 | Comments(2)
タ、タ、タイランド~
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         試合翌日、代表の惨敗を伝えるタイの英字紙「ネーション」

 チャオプラヤ川の藻屑と消えたのは、オーストラリア代表ではなくタイ代表だった。
 アジアをナメていたのは、オーストラリア代表ではなく、この僕だった。

 試合当日、朝ホテルを出た僕を包んだのは、前日までのスコールの残り香と、その湿気をバンコク市内に密閉するかのように降り注いだ強い日差しだった。
 「こりゃあ今日もオージーには厳しい天候だわ。」 ほくそえみながら仕事に出掛ける。 今日は月曜日、つまりプミポン国王の日である。 例によってバンコク市内は黄色いポロシャツの一団が支配する。 予定よりも長引いた仕事にロスタイムでケリをつけ、サイアムからタクシーに飛び乗る。 試合会場のラジャマンガラはバンコク郊外にある比較的新しいスタジアム。 開始1時間前にタクシーに乗れば大丈夫だろうとその時は思っていた。
 タクシーに乗る1時間前からまたも降り出したスコールは一向に止む気配がない。 それどころかフロントガラスを叩く雨粒は時間を追うごとに大きくなっていく。
 ほどなくタクシーはスクムビット通りで渋滞に捕まった。 折からのスコールもあって交通量も増え、帰宅ラッシュとも重なり、クルマは微動だにしない。 スタジアムに近づくどころか、ここにきて完全にクルマは路上のオブジェと化してしまった。 タクシーの運ちゃんも次第にあきらめモードに。 「悪いことは言わないから、そこらへんのスポーツバーで観た方がいいよ。」などと言い出す始末。 既に試合開始の時刻を過ぎた。
 このままでは埒が明かない。 僕はスタジアム行きをあきらめ、急遽ホテルに戻ってテレビ観戦するという苦渋の選択をした。 タクシーを降り、最寄の駅からBTSに乗ってホテルに戻る。 スコールは既に上がっている。 結局試合を観れたのは後半からだった。
 試合は前半1点を先制したオーストラリアに対し、後半開始早々からタイが一方的に攻め込む展開。 オーストラリアは防戦一方である。 前のオマーン戦ではほぼ二人だけで2点を取った13番のセナムアンと23番のトンカンヤーのツートップは脅威だが、何故かこの日23番のトンカンヤーは後半途中からの投入。 トンカンヤー投入後、サイドからの崩しもあれば、ワンツーで中央突破と、二人のコンビネーションで何度か惜しいチャンスをつくるも得点には至らず。 もっともタイとしては1点差以内の負けなら得失点差でグループ2位が確定するだけに、前線に人数を割いてまで攻撃する必要はなかったのだが、6万人の大観衆と大声援がそれを許さなかったのか、イケイケ状態である。
 まさにその状況を待ち望んでいたのがオーストラリア代表であり、前線中央で体を張っていたヴィドゥカであり、後半途中から投入され、前線でフレッシュな状態を保っていたキューウェルだった。 どうしても2点目が欲しいオーストラリアは、ディフェンスラインを下げてタイの猛攻を凌ぎながら体力を温存、カウンター狙いの一点突破を狙っていた。
 後半35分、そのヴィドゥカにボールが入った時、彼をマークしていたタイのセンターバックはまったく相手にならなかった。 巧みに反転されて追加点となるゴールを許すと、3分後にはヘディングで自身の2点目、終了間際にはキューウェルが独走してキーパーとの1対1を左足で冷静に決めて一気に4対0とし、タイの決勝トーナメントへの希望を完膚なきまでに打ち砕いた。 後半最後の爆発力はあのカイザースラウテルンの悪夢を彷彿とさせるものだった。
 それでも僕はタイの方がいいゲームをしていたと思う。 事前にシンガポールで合宿を張ってバンコクに乗り込んで来たとはいえ、今大会のオーストラリアは明らかに気候馴化に失敗していた。 ならばなぜこの日のオーストラリアは後半バテなかったのだろうか?
 この日の試合について言えばオーストラリア代表にとって二つの幸運が存在した。 ひとつは試合開始2時間前から前半途中まで続いたスコールである。 僕もホテルに帰る途中、モワッとした東南アジア特有の暑さがこの突然のスコールによって完全に除去されたことを感じていた。 もうひとつはこの日が月曜日だったこと。 前のエントリーにコメントを下さった方も触れておられたが、スタジアムでタイ代表を応援したサポーターは、タイ代表の青いゲームシャツを着るでもなく、国王慶賀の黄色いポロシャツ一色だったのである。 月曜日ですらなかった前の試合、対オマーン戦においてもスタジアムはほぼ黄色が支配していただけに、十分に予想されたことではあったが、なにせこの日の対戦相手のオーストラリア代表のチームカラーは黄色である。 サッカルーが黄色一色のスタンドからの大歓声に「後押し」されたのは想像に難くない。

 今回のバンコクではアジアカップの主催国という盛り上がりも手伝って、夜店や露店で通常売られている世界のトッププレイヤーのパチ物ゲームシャツ(セルティックの中村のシャツも多く見られた)に混じって数多くのタイ代表の青いゲームシャツも売られていた。 ならば、国王敬愛もいいけれど、この夜だけはスタンドを青一色に染めて欲しかった。 タイ惨敗を見るにつけ、そう思わずにはいられない。 しかしタイの人々は当然のように黄色いポロシャツでスタジアムを埋め尽くしたのであった。 けれど、タイの人々のそんなところが、僕がこの国を好きな理由のひとつでもあるのだけれど。


関連 : バンコク出張記2006秋 幸福の黄色いシャツ
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by theshophouse | 2007-07-19 23:55 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
Welcome to Asia, Suck-a-roos.
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 とりあえずチケットをゲットしたので観に行ってきます。 もちろんタイ代表の応援。 グループステージではオマーンに苦戦し、イラクに辛酸を舐めさせられたサッカルー。 憎きオーストラリアをタイの13番と23番が粉砕し、チャオプラヤ川の藻屑としてくれるはず。 アジアをナメてもらっちゃ困る。
 帰国後の観戦記をお楽しみに。
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by theshophouse | 2007-07-14 21:19 | 蹴球狂の詩 | Comments(2)
団塊世代に習う壁の作り方
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 アジアカップグループリーグ初戦、カタール戦。 1対1のドロー。 その結果ほど悪い内容ではなかった。
 ハノイの高温多湿もあり、日本はうまくペース配分しながら戦っていたように思う。 オシムのサッカーは人とボールが絶えず動き続けるタフなものだが、この環境下でそれを律儀にやり過ぎると確実にバテる。 解説の松木は盛んに「横パスが多いのが気になりますねえ。 もっと縦に入れなきゃダメですよ。」とホザいてたが、ワントップの高原だけがほぼ唯一のターゲットの状況で、引いた相手にやみくもにクサビを入れていたら、トラップ際を狙われて逆襲食うのがオチである。 そういう意味では、後ろで回す時と縦に入れる時の緩急は決して悪くなかった。 松木には解説者としての進歩がない。 もちろん角澤は論外である。
 ただ選手個々の出来には不満が残る。 相変わらず何の貢献もできなかった加地さんと、相変わらず代表にいること自体がよくわからない山岸。 やはりイマイチだった今野は右足アウトのクロスで高原のゴールを演出したので許せても、左サイドの劣化は否めない。 両サイドがこの状態でワントップの布陣では得点の匂いがしないのも仕方ない。 
 後半途中、山岸に代わって入った羽生が前線に活気を与えはしたものの、あのチャンスで枠に行かないようでは言葉もない。 外せと言われてもなかなか外せない距離である。 それでも羽生がトップに張ったりサイドに開いて起点ができてから得点の匂いが漂いはしたものの、時既に遅し。 日本はカタールに勝てないというジンクスをまたも払拭できなかった。
 とにかく両サイドが死んでるのにワントップもヘチマもあったもんじゃない。 次戦からはツートップで臨むべきだろう。 右サイドには水野を、怪我の回復次第だが左には駒野を入れてもらいたい。 だいたいメンバーに左のスペシャリストが一人もいないこと自体理解に苦しむ。
 最後のFKを与えた阿部の守備はお粗末だった。 その直後の失点シーンでは壁にも入っていたのに、自分の股間を守るのに精一杯で、カタールの選手にこじ開けられた穴の補修もできていないばかりか、その穴の存在にすら気づいていない。 阿部は左官屋に行って1年ぐらい修行してきたほうがいい。 カタールの選手に易々と押し出された格好の今野も同様だ。 まともに体を預けられてどうする。 このウルグアイ人がその前のFKで蹴ったボールを覚えていれば、この局面で壁に入る選手が跳ぶ必要などまったくない。 ゴールまで至近距離でもあったし、むしろ足元を固めるべきだった。 しかしながらニアサイドの中沢と高原?が跳んだことで、壁の強度が瞬間的に減り、今野が態勢を崩したともいえる。
 それにしても日本の壁のなんと脆弱なことか。 こういう壁をつくるような仕事は今の若い世代よりも、むしろ学生運動を経験した団塊の世代の方が上手にやるだろう。
 仕事の関係でグループリーグの残り二戦を観ることができないが、決勝トーナメントでふたたび代表の姿が見れることを祈るばかりだ。
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by theshophouse | 2007-07-10 01:47 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
五里霧中
 キリンカップ初戦のモンテネグロ戦。 日本2対0の勝利。 ガラガラの静岡エコパスタジアムのスタンドが象徴するように、観に行く価値に乏しい凡戦だった。
 それでもまだ前半は少しだけマシだった。 ボンバヘの代表復帰記念ゴールもあったし、フランクフルトで確変した高原のヘッドも見事だった。 特に2点目。 中村憲剛のサイドチェンジからの駒野の速いクロスに高原がニアに飛び込んだ一連の流れは賞賛に値する。 数秒間にこれだけピッチを広く使って攻められると、相手DFやGKはなかなかついていけないものだ。
 前半引き気味のモンテネグロに対し、日本はディフェンスラインでゆっくりボールを回した。 そこから機をみて縦に速いくさびのパスを入れ、ポストに入ったFWやMFがそのボールをダイレクトで近くのプレイヤーにさばくことで更にスピードアップし、リターンを貰ってフィニッシュに繋げようとしていたが、ポストプレーの出来が終始低調で、ほとんどのボールを相手にカットされていた。
 2点目はサイドから生まれたものの、組織的な崩しは皆無で個人の能力によるもの。 ボールを保持するプレイヤーへのサポートは少なく、人とボールが絶えず動き続けるはずのオシムのサッカーは影を潜めた。
 後半になると時差ボケが抜けてきたのかモンテネグロの中盤が活性化。 逆に疲弊していったのは日本の方だった。 前半は輝きを放っていた遠藤がいち早くステルス化し、いつもは汗かき屋、中盤の汚れ役に徹する鈴木啓太も足が重くなり、ただ嫌な汗をかいているだけだった。 ボールに触れなくなった高原は下がり過ぎ、挙げ句の果てはエリア内でファウルを犯して相手にPKまで献上してしまった。 山岸に至ってはピッチに存在していた形跡すら見当たらない。 終了間際、大幅に選手を入れ替えた効果がようやく目に見えるかたちになるまで後半の日本は空回りに空回りを重ねた。
 試合終了後、解説の武田修宏が試合を振り返って「チームの土台はできたと思うので・・・」と言っていたが、このていたらくで何を以って「土台ができた」などと言えるのか、素人の僕には皆目わからない。
 オシムジャパンはアジアカップを前に、またしても五里霧中に戻ってしまった。
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by theshophouse | 2007-06-01 23:37 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
日本右翼工作員是健在也
 オシムジャパン、2007年最初の試合はどこか物足りないものだった。
 僕は常々、代表の試合が始まって15分ぐらいが経過すると、「この相手なら○対○で勝ち(負け)そうだ」とだいたいの見当をつける。 今日の場合は「2対0で勝ちそうだ」という見当をつけ、試合結果もその通りになった。
 だが僕は今夜の試合には非常に不満である。 バイエルン・ミュンヘンのピサロやPSVのファルファンら「欧州組」が来日しなかったペルーに対して日本はミスが多く、ほとんどと言っていいほど決定的なシーンをつくれなかった。 とにかくシュートまでいくシーンがなさ過ぎてつまらないのである。 スコアこそ俊輔のプレースキックの精度と、別人としか思えない最近の高原の決定力で2対0だったが、流れのなかでの得点はなし。 左サイドでは駒野を中心にチャンスメイクしたものの、最後のクロスの精度を欠いて得点には至らない。
 だが左サイドはまだマシである。 かたや右サイドはあろうことか代表を引退したはずのミスター・バックパスこと加地さんがピッチにいるではないか。 僕は自分の目を疑った。 なぜ加地さんがまたオシムに選ばれているのか? オシムは日本の右サイドを運動量「だけ」の選手でもいいと思っているのか?
 今回、オシムが選んだ他のメンバーには異存がない。 リーグでも好調な川口に加え、闘莉王と中澤のセンターバックは屈強だし、阿部と鈴木啓太のボランチも理解できる。 三都主がいない状況での駒野の起用もわかるし、俊輔と遠藤のコンビも悪くない。 たぶん今がサッカー選手としてのピークであろう高原の起用は、慢性的な決定力不足の日本FW陣にあっては当然の帰結。 唯一加地さん以外で起用に疑問を感じた巻が得点を決め、得点シーン以外でもポスト役を無難にこなした点は評価に値する。 つまり、加地さんの存在だけがまったく理解できないのだ。
 僕が右サイドとして期待している水野が加地さんに代わって投入されたのは後半40分。 水野は持ち前の攻撃力で、加地さんが85分かかって一度も立ち入れなかったペナルティ・エリア内に易々と侵入しクロスを上げた。 もちろん水野のディフェンス力は未知数だし、3バックの時の方が生きるプレイヤーではあるが、高い位置にいるのに突破を試みず、クロスを上げるでもなく、不用意なバックパスでチームのボール回しのリズムをひたすら破壊する作業に没頭した加地さんはチームを停滞させるために存在する工作員以外の何者でもないではないか。
 個人的に今回注目していたのは俊輔と憲剛のダブル中村の組み合わせ。 後半14分に実現し、15分には最初のパス交換があったが、ともに広い視野とボールタッチの柔らかさ、創造性を持ち合わせる二人。 今日はたがいにポジションチェンジしながらプレイしたが、この二人のコンビが熟成されてきたら楽しみだ。
 それにしてもペルー代表、相当ヘタレだったな・・・。
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by theshophouse | 2007-03-25 00:36 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
祝!加地さん代表正式引退!
b0045944_15245520.jpg いよいよ加地さんの正式な代表引退が事実上決まった。 日本サッカーの黎明期から人材難に喘いできた右サイドに待望の新星が現れたのだ。 水野晃樹(ジェフ千葉=写真)である。
 昨年のワールドユースの頃からその柔らかなボールさばきには密かに注目していたのだが、いくぶん線の細い印象は拭えなかった。 その水野がジェフでオシムの薫陶を受けてフィジカルを強化し、体も一回り大きくなってサッカー選手らしい体つきになってきた。 走力も格段にアップし、攻撃のみならずディフェンスでもきっちり仕事をこなせるようになってきた。
 昨夜のU-21の韓国戦は、そんな水野の成長ぶりを披露する場となった。 水野は試合開始から終了まで、飽くことなく韓国の左サイドを蹂躙した。 相手に数的優位をつくられても突破できるし、簡単にボールを失わない。 何よりクロスが正確だ。 不幸にして味方FWにピンポイントで合ったのは数えるほどだったが、それはむしろFWのポジショニングによるところが大きい。 水野は常にゴール前のかすかなスペースを察知し、様々な球種のクロスを送り込んでいた。 問題はそのスペースに平山や苔口、カレンらがポジショニングできていないことにあった。
 日本サッカー史上、様々な年代別の代表チームの歴代の戦いを見た時、右サイドからこれだけのチャンスが生まれた試合がかつてあっただろうか? もちろん左サイドの家長が意識的に大きなサイドチェンジをして何度も水野を使ったこともあるが、ボールを受けてからの突破力やクロスの精度はこれまでの日本の選手にはないほどハイレベルだった。
 日本サッカーは「左ウイングの杉山」の時代から現在の三都主に至るまで、常に攻撃の起点となってきたのは左サイドだった。 それは日本サッカーの長所でもあり短所でもあった。 対戦相手には「日本には右からの効果的な崩しはないから左さえ抑えれば大丈夫」という意識が生まれ、実際にもそうした対策がとられてきた。 日本の右サイドが危険な香りを発するようになれば、伝統の左も生きてくるのである。
 水野の登場は、日本代表が長いこと抱えてきた不毛の地に新たな種を撒くものだ。 ただ、サッカー選手にとってこの年代は微妙だ。 かつて前園真聖がオリンピックをそのキャリアの頂点として輝きを失っていったように、何かの歯車が狂ってしまうとそれを取り戻すことは難しい。 その多くは、若い頃に体の線が細かった選手がフィジカルを向上させようとマシントレーニングや筋トレに精を出すあまり、それまで持っていた柔軟性を失ってどっちつかずの中途半端な選手になってしまうパターンである。
 この段階をうまくクリアしたのが中村俊輔や松井大輔であり、あまりうまくいかなかった中田英寿は引退の時期を早める結果になった。
 いずれにしろオシムには、北京五輪の二次予選などスルーして、年明けのA代表の初戦に水野を召集してもらいたいものである。

水野晃樹一口メモ

●ワールドユースに出場したDFの水本裕貴とともに、「ジェフのウォーターボーイズ」と呼ばれ
  ることもある。
●新聞などで紹介される本人コメントからは、率直にものを言う性格がうかがえる(ワールドユ
  ースでの「あのデカイの(=平山相太)」発言など)。毒舌ぶりが鼻につくが、同世代にはお
  となしい選手が多い中で水野のようなキャラクターは貴重。
●その平山とは高校時代から縁があり、水野が高校二年で出場した高校総体の準決勝で、
  平山を擁する国見高校と対戦している。その時の対戦では2-5で敗れている。
●高校時代のチームメートとして、1年上に菊地直哉(現ジュビロ磐田)がいる。
●従兄に鈴木啓太(浦和レッズ)がおり、兄和樹も静岡FC(社会人リーグ)に所属するサッカ
  ー選手である。

ソース : 水野晃樹【Wikipedia】
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by theshophouse | 2006-11-22 15:37 | 蹴球狂の詩 | Comments(2)
「札幌の悪夢」をいまだ引きずるサウジアラビア
 アジアカップ予選サウジアラビア戦、日本3対1の勝利。 久しぶりの代表の試合。 日本の動きは悪くない。 それに対してサウジアラビアは明らかに精彩を欠く。 やはりサウジアラビアはこの札幌ドームとはかなり相性が悪いとしか言いようがない。 サウジと札幌ドームといえば、唯一思い浮かぶのが2002年のW杯でドイツに0対8という屈辱的なスコアで敗れた試合だ。 たぶんサウジの選手たちはこのような閉鎖的な空間でプレイすることに違和感や圧迫感を感じてしまうのだろう。 そのプレーぶりはまるでラマダンの真っ最中で、食うものも食えないでいるかのようだった。
 ただ、そうしたサウジの選手たちの不甲斐ない戦いぶりを差し引いても日本の動きは良かった。 中村憲剛が中盤の核となってボールを散らし、巻と我那覇のクサビも入って、三都主と加地の両サイドも積極的に攻撃参加した。 鈴木啓太はいつものように相手をチェイスしてボールを奪い、闘莉王は阿部や今野に後ろを任せて果敢に前線に攻め上がった。 前半気になったのはビルドアップしている段階でパスミスをしてカウンターを食う場面が何度かあったことぐらいだ。 そのうちの1回は鈴木啓太のパスミスを拾われPKによる失点に繋がってしまった。
 まあしかしこないだまで五里霧中だったチームがいきなりこうも良くなるはずはないので、今夜の出来の良さは相対的にサウジの出来の悪さが反映したものと解釈したい。 既に本戦への出場を決めている両チームだが、アウェイでの借りを返しておきたいホームの日本に対し、この一戦の勝利にあまり多くの意味を見い出し難いサウジとでは、モチベーションにも大きな差があったと言わざるをえない。 実際僕は後半5分に我那覇のゴールが決まった後は、「こりゃあと2点は入るな」と思い、ワインを呷って寝てしまったのであった。 試合終了直前に目を覚まし、得点が動いていないことを知るや、軽い失望すら感じたほどだった。
 後半途中の20分間を観ていない僕に語る資格はないのだが、日本の選手たちが試合終了直前であるにも関わらず、前線の選手たちが活発にポジションを変え、ボールを動かし、常に局面でフリーの選手をつくりだし、最後まで覇気のないサウジのDFたちを翻弄していたのは印象に残った。
 2006年最後の代表の試合にはひとまず及第点を与えておきたいと思う。
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by theshophouse | 2006-11-15 23:47 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)



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