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カテゴリ:蹴球狂の詩( 111 )
Ole' Mexico !


 いよいよ4年に一度のワールドカップの季節である。 しかし、日本代表については引き続き何も書かない。 その戦いぶりに何も感じないからである。 取り上げるのはメキシコ代表、なかでもクアウテモク・ブランコ。
 37歳の大ベテランである。 日本のフットボーラーが30歳そこそこで引退したり劣化したりするなか、ブランコは95年(アメリカW杯の翌年)に代表デビューし、98年のフランスW杯以降ずっとナショナルチームで10番を背負い続けている。 もちろん今回の南アフリカW杯にもチームの司令塔として出場する。 実に4大会連続で10番を背負うチームの大黒柱である。
 上の動画は6月3日の親善試合対イタリア戦だが、レオナルド・ボヌッチ(23歳)の鋭い寄せよりも一瞬早く、裏へ抜け出したアルベルト・メディナへ見事な浮き球のラストパス。 およそフットボーラーには似つかわしくない寸胴で腰高の特徴的な体型は相変わらずだが、その体幹は恐ろしく強いのだろう。 プレーを見る限り年齢による衰えは微塵も感じられない。
 メキシコといえばかつてトルシエが目標にしたチーム。 それは日本人同様小柄な体格、細かなパスを繋ぐプレースタイル、突出したスタープレーヤーの不在など日本との共通点の多さゆえだ。 もちろん今の代表にはラファエル・マルケス(バルセロナ)やカルロス・ベラ(アーセナル)らヨーロッパでプレーする選手が数人いるが、多くは母国のメキシコリーグに所属する選手。 つまり1500m以上の高地でプレーすることが常態化している選手たちである。 高地での試合が多くなる今回のW杯においてそれは大きなアドバンテージになるだろう。
 以前にも書いたが、メキシコといえば僕の一番好きなのはヘスス・アレジャノ。 ブランコと同じ37歳なのだが、さすがに今回は代表に選ばれなかったようである。 どうやら彼のW杯での勇姿は前回のドイツが最後ということになりそうだ。 しかしそのプレーはいささかも色褪せることはない。
 1998年6月25日、サンテティエンヌ。 フランスW杯の予選リーグE組の最終戦対オランダ戦、2点のビハインドののち後半のアタマから途中出場したアレジャノは得意のドリブルで鈍重なオランダのディフェンスを何度も切り裂き、味方の同点ゴールを呼び込んだ。 その縦への直線的なドリブル、鮮烈な印象は今も僕の心を捉えて離さない。



 決勝トーナメントに進んだメキシコはドイツ相手に先制するも、クリンスマンとビアホフにゴールを許して敗れる。 この試合でも途中出場したアレジャノはドイツのディフェンスを手玉に取ったが、試合巧者ぶりが結果に繋がらないのもメキシコ。 得てして良いチームは早く舞台から去る。 それもまたW杯。
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by theshophouse | 2010-06-10 01:04 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
Nothing or Nothing
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 代表の試合について絶筆して久しい。
 これまで、それはそれはどんなに果てしなくしょーもない試合であっても罵詈雑言含め何らかの怪しげな言説を展開してきたのだが、ここ最近の試合は観る気すら起こらないし、そもそも試合を観てない人間が試合を語ることもおかしいわけでこういう絶筆状態になっているのである。
 で、代表は以前からその存在自体が無意味な特定アジア選手権で韓国に返り討ちにされて3位に終わった。 かつては日韓戦といえば血沸き肉踊ったものだが、龍馬伝の裏で放送されていたことすら気づかなかった。 仮に知っていても観なかっただろう。 後でハイライトを観て酷い試合をやったものだと思ったぐらい。 岡田解任の世論が沸き上がるのも無理はないと思う。
 そこで、僕の本心は置いといて、あまりに岡ちゃん一人が叩かれて気の毒なのでここはひとつ真っ向から擁護してみようと思う。
 岡田監督のサッカーがつまらないのはサッカーをバレー化しようとするからである。 攻撃も守備もまるでサインプレーのような型に嵌め、選手はそのパズルのピースになることを求める。 これはフットボールの本質から逆行するベクトル・・・あれ? 擁護するつもりが(笑)。
 この時期代表にいる選手はみな自分はW杯当確ないし有力だと思ってるから、監督の指示に逆らってメンバーから外されるようなことはしたくない。 その結果監督の要求に過剰なまでに服従し、プレーの幅を自ら狭めてしまう。 ただでさえ型に嵌ったスタイルがさらに硬直化するわけで、現在はそうした負のスパイラルが極限に高まった状態である。
 次に対戦相手の問題がある。 岡田監督は曲がりなりにも彼なりのロジックで世界に伍するサッカーを指向して今日まで来たわけだが、ここでいう世界とは言うまでもなくグループリーグで当たるオランダやカメルーンやデンマークなのであって、中国や韓国ではない。 もちろん自らが世界の強豪(FIFAランク一桁台)の域に達すれば、そういう世界基準の戦いのなかで中国や韓国にも楽に勝つことができるのだが、悲しきかな日本はそうした状況には程遠いので、世界基準の戦いのままアジアの同等か格下相手と試合をした場合に戦術的ミスマッチが生じ、結果として酷い試合になってしまうことになる。 過去の特定アジア選手権での日本の成績を見れば一目瞭然だ。
 つまり日本の場合、悲しきかな世界基準の戦い方とアジア基準の戦い方のダブルスタンダードが必要なのであり、そのスイッチができない時には今回のような結果になることは必然なのである。 とりわけ今年のようにW杯を目前に控えたなかでのこの大会は百害あって一利なし。 世界基準を目標に進めていた強化プランが、相対的にレベルの低い対戦相手との戦いでその結果の如何に関わらず掻き乱されて後退してしまうだけである。 だから特定アジア選手権については出場を辞退するか、さもなくば結果を無視するかしかないのである。
 とはいえこうして無理やり擁護しても岡田ジャパンに可能性を見出すのは難しい。 オシムが監督だった時にむくむくと地上に出てきていたかにみえた何らかの可能性の萌芽は岡田就任後の2年間で上からビニールハウスをかけられて過保護な環境下で育てられて逆に発育不全になったか、或いは地上に芽を出した部分だけがきれいに刈り取られてしまった感がある。 今のままならW杯では良くて善戦全敗、つまり岡田監督自身が指揮を執ったフランスでの結果と同じものになるだろう。
 この期に及んでもはや監督を誰に変えても100日先の結果は変わるまい。 処方箋すらない。 もはや我々に出来ることはフットボールにつきもののハプニングを期待することぐらいだ。
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by theshophouse | 2010-02-17 00:03 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
先行きの見えない二人
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 90分間胸元にレッドカード突きつけられっ放しのようなデザインの新ユニフォームでの初試合。 「世界を驚かす」っていうのはこれだったのかとちょっと考えたりもした南アフリカ戦。 試合が終わってもう何日もたつというのに今さら批評もないのであるが、正直試合内容について覚えていることと言えば、試合中絶えず聞こえていたあの巨大バエが乱舞しているような不快な音。 ブブセラという、これまたそのまんまなネーミングの南アフリカの民族楽器が奏でる音だそうで、闘莉王曰く、隣の選手と2メートルも離れると指示の声が届かなかったそうである。 きっと人間の話す声の周波数に近いのだろう。
 アウェイのスタンドというと圧倒的な大歓声やブーイング。 中東なら本来持ち込み禁止の拡声器でコーランをがなり、中国なら「シャオリーペン(小日本)!」の大合唱、韓国なら「テーハミング!ドドンガドンドン!」という浦和レッズの応援のパクリ、それぞれバカの一つ覚えの応援スタイルがお馴染みだが、南アフリカのブブセラ吹きっ放しの応援スタイルはプリミティヴでトライバルながらこれらアジア諸国より民度は高いのかも知れない。 その音圧に慣れてしまいさえすれば、ただただ見境なく吹かれているだけなので妙なアウェイ感は少ないのではなかろうか。
 もっとも日本でもJリーグが始まった頃にはチアホーンを吹きまくって応援していたものだ。 今となっては昔のトヨタカップの映像なんかが流れる時ぐらいしかその音色を聴くことができない。 チアホーンが禁止されたのは騒音問題であり、国立競技場で盛大に吹かれた時は慶応病院から苦情が来ていたそうである。
 ちなみに試合は両チームとも消化不良気味のドロー。 ヨハネスブルグで試合して、次は香港。 フットボール稼業も楽じゃない。 選手の皆さん、お疲れ様です。
 で、試合後のインタビューは鬼嫁に逃げられた?ことが発覚した直後の本田さん。 仮にも日本代表監督を前にして、現地はさして暑いわけでもなかったのにシャツの第3ボタンまで外し、さりげなくやさぐれ感を演出。 その開いた胸元にバツイチ男のフェロモンを表現、さっそく日本全国の妙齢の女性或いは第2の鬼嫁候補にアピールしたのかどうかは定かではないが、なんとも先行きの見えないツーショットであった。
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by theshophouse | 2009-11-18 01:37 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
ちくしょーめぇ~!(笑



 ニコ動が貼れるようになったそうなので手始めに総統貼ってみますた。
 オランダ戦に怒り心頭のご様子。 無理もありません。(´・ω・`)

 エキサイトさん、ありがとうございます。m(_ _)m

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by theshophouse | 2009-09-10 22:48 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
欧州遠征から見えたもの
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 日本でのゴールデンタイムの中継のためか、オランダの現地時刻午前11時というキックオフ。 午前中の試合は初めてという選手もいたかも知れない。 日本代表の広告代理店はいつまでこんなことを続けるのだろうか。
 ガーナ戦。 日本は前のオランダ戦同様、前からプレスをかけてゴールに迫り、前田と中村憲剛が決定機をつくるもシュートは枠をとらえず。 ガーナも個々の身体能力の高さで対抗。 とりわけガーナの選手はボールを支配下に置ける半径が日本の選手のそれより半歩ほど大きい。 競り合いのなかでもあまりボールを失わず、イーヴンボールも長い足先で掠め取ってしまう。 日本は長友のハンドでPKを献上し、1点ビハインドのまま前半を終えた。
 後半、一気に4人を代えてきたガーナが本領を発揮する。 GKのロングボールからギャンが巧みなボディバランスとボールコントロールで中澤をかわしてゴールを決める。 一方の日本も、この日大車輪の働きをみせた中村憲剛が前田が潰れて繋いだボールに詰めて1点を返す。 しかし、その後もたびたびその驚異的な身体能力で日本のゴールを脅かしていたガーナは後半21分、縦に早い展開からムンタリの浮き球のスルーパスに抜け出したアモアーが闘莉王と都築をかわしてゴール。 2点目も3点目も、身体能力の高い相手に数的優位をつくれなかったディフェンス。 逆にガーナがそれだけ早いタイミングでゴール前に放り込み、そのボールに反応してスペースに走りこむ選手がいたということ。 それは組織的というよりも個の力による得点だった。
 そのガーナの3点目。 裏を取られた闘莉王はアモアーを追いかけることすらできず、都築のカバーにまわる素振りさえできなかった。 事ここに至って日本の命運は完全に潰えたかに思われたが、ここで岡田監督は珍しく早めに交代のカードを切った。
 後半25分、俊輔に代わって本田、前田に代わって玉田をそれぞれ投入。 本田は前の試合同様あいかわらず機能しなかったが、後半18分に疲れの見えた長谷部に代わってピッチに送り込まれていた稲本と玉田が疲れの見え始めていた中盤を活性化し、逆にガーナは3点目で安心したのか直前に終えたW杯予選のスーダン戦の疲労が見え始め急激にスローダウン。 その様はまるでオランダ戦の日本を見ているかのようだった。 おかげでそれまでも決して厳しくはなかった中盤がスカスカになり、日本は労せずしてボールを前に運べる展開になってきたところに、PK献上で責任を感じていたのか長友も猛然と攻撃参加し、日本が左サイドから分厚い攻めでチャンスをつくる。
 オランダ戦後半の3失点がそうだったように、後半33分からの5分間での日本の3ゴールもまた必然だったのかも知れない。 代わって入った稲本と玉田がそれぞれゴールを決めて結果を出したのは大きい。 前の試合で問題視された運動量の落ち込みもオランダ戦ほど急激なものはなく、途中出場したフレッシュな選手に引っ張られることで急激な落ち込みを防ぎ、相対的にガーナの足は止まった。 結果、日本が中盤を制圧した後半30分以降は一方的な展開になったわけだが、日本の選手たちは足が止まるということの恐ろしさをあらためて痛感したのではないだろうか。

 アフリカの国々の御多分に洩れず、ガーナもその平均寿命が57歳と短い。 これは以前からの持論なのだが、一般のフットボールプレイヤーが絶頂期を迎えるのが20代後半ぐらいだとすれば、ブラック・アフリカの選手たちのそれは10代後半から20代前半、つまりオリンピック世代という仮説である。
 つまり平均寿命が短い分だけ肉体年齢のピークが前に来るということであり、故にアフリカ勢はオリンピックではナイジェリアやカメルーンが金メダルをとっても、W杯では3位にすらなれていない。 もちろん個々の選手に目を転じれば、20代後半から30代前半にかけてACミランで6年の輝かしいシーズンを送ったジョージ・ウェアのような例外も存在するが、A代表の世代のアフリカ勢が国際大会でさしたる結果を出せていないのも事実。 むろん今日の試合だけでは参考にならないが、欧州勢に比べればやり方次第で日本にも十分勝機はあるのではないだろうか。 ただし今度のW杯はすべてのアフリカ勢にとってホームゲームとなることが予想されるので、この点日本はどことやっても厳しい戦いを強いられることになるだろう。

 この2戦を通じて感じた課題は、試合の流れや戦況を読んだ試合運びの必要性と、プレスのさじ加減、ロングボールへの対応、選手交代のタイミングと人選の重要性、ピッチへの適応力といったところだろうか。
 トルシエ時代、その戦術をピッチの上の選手たちがプラグマティックに解釈して結果を残したように、岡田監督の「プレス原理主義」的フットボールを選手たちがうまく咀嚼した先に何らかの答えがあるのかも知れない。
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by theshophouse | 2009-09-09 23:59 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
可能性と限界
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 岡田監督の方法論は正しいのだろうか? オランダ戦はあらためてそのアプローチに疑問を抱かせる内容だった。
 確かに日本は前半押し気味に試合を進めた。 中盤でのプレスが効いてたびたび相手ボールをインターセプトして攻め上がるものの、フィニッシュの部分での精度は相変わらず。
 後半、オランダも立て直し序盤は互角の展開だったが、前半から飛ばしていた日本は急激に電池切れを起こして失速、中盤でプレスがまったくかからなくなり、ロッベンと代わって入ったエリアの面倒を一人で見させられて消耗が著しかった内田の裏のスペースを再三突かれた。 後半24分からの3失点は必然だった。
 痛かったのは2点目。 ペナルティエリア前のスナイデルの正面で中澤がシュートブロックの態勢にあったが、その外側のわずかな隙間を通されて失点。 小さな振り脚で放たれたシュートに中澤の反応も遅れ、ブラインドになったGK川島も反応が遅れた。 この2点目はヘコむ。(´・ω・`) フンテラールの3点目もそうだが、チャンスはピンポイントでゴールに結びつける。 やはり決定力の差は如何ともし難い。
 岡田監督で試合直後のインタビューで「攻守にわたってどこか1つでも抜けるとやられるということがあらためて分かりました。 厳しさというか、どこか1つでも甘いところがあるとほころびが出る。 1人走るのが遅れるともう間に合わない。」と語っているが、今日オランダと少なくとも前半だけは互角以上に戦えたことをよすがに今後も戦っていくつもりなのだろうか? つまり、日本がオランダのような国に勝ってベスト4入りするには今日の前半のようなプレーを90分間続けることが大前提だと。
 たったひとつのミスさえ甘受できないというのならフットボールなんてやらなければいい。 ピッチには11人の仲間がいる。 そのミスをバックアップすることまで考えて初めて「戦術」だろう。 フットボールの戦術は、システムエンジニアが頭の中で考えるソフトウェアのプログラムとは違う。 後半足が止まった時のマネージメントをどうするか? 消耗の激しい選手を交代する策もあるし、システムをいじる策もあるだろう(この点いつもは単に五月蠅いだけの松木は今日珍しくマトモなことを言っていた)。
 今日の試合はドイツW杯でのオーストラリア戦、ブラジル戦の延長線上にある。 つまり前半から飛ばしていった挙げ句失速し、最後に立て続けに失点する試合。 つまり日本はこと試合運びという点においては2006年から3年以上たった今もまったく進歩していないということになる。
 世界ランク40位の日本はフットボールにおいて明らかに弱者である。 そして、フットボールにおいてアップセットを起こすチームが採用するセオリーといえば、ガチガチに自陣ゴール前を固めてからのカウンターというリアクション・フットボールである。 その戦術をカテナチオという「国技」にまで昇華させてしまったイタリアはともかく、今さら日本にそんなものを期待するわけでもないし、日本人の民族性にも合わないと思う。
 結局日本は今日のように後半20分ぐらいから電池切れするのを覚悟で、それでも強者には最初から玉砕覚悟で特攻していくしかないのだろうか?
 W杯において仮にその戦術が完璧に機能し、ひとつの試合を成功裏終えることができたとして、それから数日後の次の試合で同様のパフォーマンスを見せることができるのだろうか?
 日本代表の可能性と限界を同時に見せられた。 そんな試合だった。
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by theshophouse | 2009-09-06 01:18 | 蹴球狂の詩 | Comments(4)
NIPPON:FOREVER IN OUR SHADOW
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 オーストラリアが近年「オーストコリア」と呼ばれるようになったのはこういうダンマクを誇らしげに掲げるところにも如実に表れているが、日本が負けた事は事実。 いつだって敗者は多くを語るべきでないし、オーストコリアと同じレベルに堕ちる必要もない。 正々堂々戦って負けた時は敗戦を受け入れ、勝者を讃えればいい。
 ただ、W杯出場という大目標を前に決死の戦いを挑んできたウズベキスタンやカタールに負けるのならまだしも、既に予選突破を決め、イエロー1枚を貰っているキューウェルやアロイージら主力の何人かを休ませたオーストラリアに負けるとは情けない。 しかも、そのオーストラリアが相変わらずフィジカルに頼るだけの古典的なサッカーをしているとなればなおさらだ。 正直、今夜の飛車角落ちの日本代表で十分勝てる相手だった。
 オーストラリアはかつての大黒柱ヴィドゥカが抜けたことで少しは違ったサッカーをやるのかと思いきや、ヴィドゥカのポジションにケネディが入っただけで、やってることは何ら変わっていない。 というより、オーストラリアの選手たちの性格や体格などの特性を生かすには誰が監督をやってもこうしたやり方に帰結するということなのだろう。
 一応パスを繋いで中盤を作ってというサッカーをやってはみるものの、今夜はブレシアーノらの不在もあって日本をパスで崩し切るには至らず、結局いつものキック&ラッシュ戦法に終始。 ポストのケネディが競ってケーヒルが狙うというワンパターン。 日本のディフェンス陣も良く対応し、ほとんど危なげなかったが、セットプレーに落とし穴があった。
 もともと本職のセンターバックではない阿部を責めるのは酷だが、2失点とも阿部がケーヒルのマークを外したのが原因。 ただ阿部のセンターバックなんてこんなもの。 誰も中澤の代わりが務まるとまでは思っていない。 ならばなぜ岡田監督は山口を試さなかったのだろうか。
 今日本が直面している問題のひとつはレギュラー組とサブ組の力の格差である。 本大会でも闘莉王と中澤の2枚のセンターバックのいずれかが累積警告で出られない状況は十分想定される。 目下必要なのは2人の代わりができる3枚目のセンターバックであるはずだ。 阿部は複数のポジションをこなせる素晴らしい選手だが、センターバックとしてコンスタントに試合に出ている選手ではないし、激しく動き回るケーヒルを90分間完封するのは難しい。 阿部個人の責任というよりむしろ、センターバックとサイドバック、両ボランチとの連係のなかで無力化すべき相手である。 ただ、やられたのがセットプレーでは言い訳はできない。 岡田監督にとっては、良くも悪くもその能力を把握している阿部ではなく、むしろ山口のセンターバックとしての個の力を確認すべきではなかったか。
 阿部はボランチとして先発した直前のカタール戦でも危険地帯でボールを失って大ピンチを演出している。 どんなポジションでもこなせる器用さが、逆にどんなポジションも安心して任せられなくならなければいいのだが。
 内田はやはり諸刃の剣という気がする。 攻撃面はともかく、ディフェンス面での課題は多い。 タイミングよく攻め上がっていいクロスを上げるシーンもあったが、ディフェンス面では不用意なファウルが多過ぎる。
 数少ない収穫は今野がボランチのポジションで無難にプレーしてボールを散らしたことと、松井のドリブルが何度か局面打開に繋がったこと。 特に松井のドリブルは、ともすれば「球離れの良すぎる」今の代表においては極めて異質だ。 それ故にジョーカー的な起用しかされないのが松井の現状だが、彼の特性がこのチームにうまく融合できれば大きな武器になることは間違いない。
 これで最終予選も終わり、日本代表は本大会への準備期間に入る。 試合後のインタビューで闘莉王が絞り出した言葉がすべてを物語るように、日本の一番の課題は「決定力のなさ」という古くて新しいもの。
 ただ、今夜の試合のなかで日本の選手たちが放ったシュートの多くは難易度の高いシュートばかりだった。 それらは枠を大きく越え、あるいはきっちりインパクトできずにキーパーの正面に飛んだ。 それは日本の攻めが相手を崩し切っていないことを意味する。 時間に、スペースに余裕のない状態でシュートが打たれていることを表している。 悲しきかな、日本の選手が難易度の高いシュートを決めることは望めない。 理想は無人のゴールに流し込むようなゴール。 人とボールが連動して相手を崩し切り、インパクトの瞬間に力み返る必要のないシュートを打てる状況をつくりだすことであろう。
 アタマは空っぽで図体のデカさとボディコンタクトだけのオーストラリアにキック&ラッシュのオージーボールサッカーがお似合いなように、シュートは苦手でもパスは得意な日本人は、極論すれば「シュートの要らないサッカー」「誰もシュートを打つ必要がないサッカー」「パスだけで点が取れるサッカー」を追求すべきなのかも知れない。
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by theshophouse | 2009-06-18 01:44 | 蹴球狂の詩 | Comments(4)
中東産油国御用審判 Subkhiddin Mohd Salleh を追放せよ!
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 前のウズベキスタン戦が内容はともかく結果だけが問われる試合だったとすれば、今夜のカタール戦は結果はともかく内容が問われる試合だった。
 やはり、ボールへ、ゴールへと、肉体を突き動かし、次の一歩を踏み出させるのは意志の力、ハートだ。 そして、今夜ハートで勝っていたのは明らかにカタールだった。 技術的にも戦術的にも大きな差がない両者が戦った時、勝負を決するのは、時に幸運すら呼び込むハートの強さなのだろう。
 試合終了を告げる笛が吹かれた時、カタールの選手たちはピッチに倒れ込んだ。 この試合をものにすればW杯への可能性が繋がるカタールにとって、それは絶対に負けられない戦いであった。
 それはちょうど埼玉でのウズベキスタン戦のVTRを観ているようだった。 残念ながら、今の日本は相手の前線からプレスをかけ続けられると脆い。 カタールはラインを押し上げてコンパクトな陣型を維持し、中盤で日本のボールをプレスの網にかけて3トップ気味の前線に素早く縦に入れる攻めを繰り返した。 ひと頃の引いて守ってカウンターからのロングボール縦一本という中東スタイルも今や昔、アップ・トゥ・デートなフットボールで日本に挑んできた。
 無論、闘莉王はじめ日本の選手たちも勝利を渇望していたに違いないが、それは結果として多くのミスを生み、終始空回りした。 原因は遠藤と長谷部の不在。 やはり阿部と橋本でこの2人の穴を埋めるのは難しい。 いずれもボールを繋ぐのに汲々とするばかりで、ゲームをコントロールすることができなかった。 ボランチのところでボールが落ち着かないので今野と内田のポジショニングも中途半端になり、攻め上がりの回数も激減するばかりか、逆に中盤でボールをインターセプトされた時は相手3トップへのケアも遅れた。
b0045944_239405.jpg それに加えて今夜のレフェリーはあの中東産油国御用審判のサレーである。 この反日審判のことをこのブログで取り上げるのはこれで5度目だ。 タシケントでのウズベキスタン戦でシリアのレフェリーがホームタウン・ディシジョンの極致のような笛を吹いていたのに比べ、今夜のサレーの野郎はその真逆をいった。 レフェリングだけを見てたらまるでカタールのホーム・ドーハでやってる試合のようだった。
 サレーの野郎については十分注意すべきであることは昨年9月8日の時点で警告しておいたのだが、果たしてその危惧が現実となってしまった。 今回の最終予選においてもカタールのホームゲームの対ウズベキスタン戦で異常な笛を吹きまくって試合をブチ壊している。 クライアントのホームゲームとなれば容赦ねえ(笑)。 このサレーの野郎については、これまでに中東各国から袖の下として貰ったオイルマネーで地元マレーシアでは大豪邸に住んでいるだろうと以前にも書いたが、今回の最終予選で更に稼いだはず。 もしかしたらもう別荘が建っているかも知れない。
 とはいえ日本がお粗末な試合をしたことは事実。 直前のキリンカップでの大勝に多少なりとも気を良くして乗り込んだはずのタシケントのウズベキスタン戦と今夜のカタール戦だったが、捨て身の覚悟でぶつかってくる相手に対しては、たとえそれがアジアレベルの相手であっても容易に自分たちの目指すサッカーなどできないということが明らかとなった。
 岡田監督は「チームのベースができてきた」と言うが、こうした苦しい試合のなかでも変わらずに実践できて初めて「チームのベース」なのではないだろうか。 対戦相手やピッチコンディション、移動や連戦による疲労や、サブのメンバーの出場で実践できなくなってしまうのでは「チームのベース」とは言えない。
 結局ホームで勝ったのはバーレーンに辛勝した1試合のみであとは全て引き分けである。 結果だけ見れば楽に勝ち抜けたような印象もあるA組だったが、実際勝ち点ほどの差はなかったと見るべきだろう。 良くも悪くも日本の現在地はそんなところだ。


gdgd、されど貴重な勝ち点3
FAIR JUDGEMENT, FAIR BROADCASTING PLEASE !!
FAIR JUDGEMENT PLEASE !!
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by theshophouse | 2009-06-11 01:02 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
タシケントの試練
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                  はいはいオフサイドオフサイド(笑)

 日本代表、W杯出場おめでとう!
 やはりW杯予選というのはこうでなくっちゃ。 直前のキリンカップみたいな楽勝は逆に不安になるだけ。 こういう試合をモノにしてこそ地力がつくというものである。 糞審判でなければ大久保のゴールで2対0の完勝だったが、アジア予選に糞審判はつきもの。
 試合そのものは崖っぷちのウズベキスタンが運動量と球際の競り合いで日本を上回り、糞審判が終始日本にとっては不可解な笛を吹き続けたことで苦しい展開になった。 ただ、押し込まれてはいたものの、相手に決定機をつくられていたわけではなく、ディフェンス陣は落ち着いて対応していた。 落ち着いて対応できていなかったのは解説とは名ばかりの絶叫応援の松木だけだった。
 問題だったのはこぼれ球を拾えなかったこと。 日本は中盤を支配できず終始後手にまわった。 タックルはアフター気味になり、ただでさえウズベキスタンの工作員のような糞審判に笛を吹く機会を余計に与え、セットプレーから何度もゴール前に放り込まれた。 この悪循環は試合終了まで続く。 開始早々に岡崎のゴールで先制したことが逆に日本を受けに回らせた。 やはり、この試合に勝てばW杯出場が決まるという精神状態が、深い芝が、選手たちから躍動感とパススピードを奪う。 いつもの小気味よいショートパスの交換は影を潜めた。
 思い返せばジョホール・バルもバンコクもいわゆる「アウェイ」ではなかった。 日本のW杯出場が懸かった試合で真のアウェイはこれが初めて。 泥臭い勝利には違いないが、この経験が日本のサッカーにもたらすものも大きい。 試合内容そのものについては言いたいこともたくさんある。 それは、仮にもW杯本大会で4強を目標とするチームの勝ち抜け方としてはいささか物足りないものだったが、W杯というものは予選やグループリーグを圧勝で勝ち上がったからといってその先の勝利が約束されているわけではない。 今夜はただ選手たちを讃えたい。
 W杯予選突破もこれで3回目。 出場は4回連続となる。 次第にそれは「通過点」と化し、テロ朝がどんなに煽っても、観ている側もかつてほどの昂りを覚えることはなくなった。 それは即ちアジアにおいて日本がそれだけ強くなっていることの証左なのだが、それと引き換えに失われたドーハやジョホール・バルの時のような熱病に侵されたような興奮は、もう二度と戻っては来ないのだろう。
 それにしても「大アウェイ」とか「ウズベキスタンの大サポーター」とか相変わらずワケのわからんこと言ってる角澤と、決勝ゴールを決めた岡崎がゴールに突進している時に「大久保!大久保!」と連呼し、ゴールが決まった直後に角澤から「最後は岡崎!」とトドメを刺された松木。 そもそも憲剛のパスを受けた岡崎の単独ゴールに最初も最後もねーだろ。 ゴール前に放り込まれるだけのたいして危なくもないシーンでもギャーギャーわめきやがって。
 犬HKに受信料払いたくないがためにBSで観れなかった管理人は完全に負け組。
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by theshophouse | 2009-06-07 03:15 | 蹴球狂の詩 | Comments(4)
赤い悪魔(笑)
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 やはり、欧州リーグのシーズン終了間もないこの時期、対戦相手の代表チームに主力級を求めるのは無理な相談なのだろうか。 4対0と、前のチリ戦同様一方的な試合になった今夜のベルギー戦を見てそう思わずにはいられなかった。
 とはいえ、日本がいいサッカーをしていたことは確かだ。 運動量で圧倒的に上回り、パスもよく繋がった。 それだけならこれまでとさして変わらないのだが、このキリンカップにおける日本代表は、フィニッシュに繋げ、点を取るという意識が強く、そこから逆算したパスを繋げていたように思える。 以前はしばしばパスをまわすことそのものが最終目的のようになり、フィニッシュに持ち込めないことが多く、消化不良のゲームが多々あったものだが、このキリンカップに限って言えば、こちらが「打て!」と思うような局面ではほとんどシュートを打っていた。 しかもそれらシュートの多くが枠に飛び、宇宙開発は地球周回軌道上の若田さんに丸投げしたのか、すっかり影を潜めた。
 チリ戦、ベルギー戦での8得点のうち、セットプレーでの得点は1点のみで、他はすべて流れのなかからの得点なのも特筆すべき点である。 崩し方にしても、両サイドバックのレギュラーが先発した今夜はサイドアタックが点に直結した。 ディフェンスも終始危なげなく、「壮行試合」としては申し分ないものだったが、こうしたサッカーがアウェイのガチ試合でできるかどうかはまた別の話である。 ただ、ホームでは難敵だったウズベキスタンも、むしろアウェイの方が戦いやすいのは明らかだ。
 ホームでのカタール戦まで引っ張る必要はない。 昨年10月、埼スタでのドローの借りを返し、中央アジアから南アフリカへの勝ち名乗りを上げてくれ。
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by theshophouse | 2009-06-01 00:23 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)



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