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接近・展開・連続・玉砕
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 ウルグアイとの親善試合。 久々の代表戦である。
 ここでは基本的にフル代表の試合についての雑感を書いており、U-23 など下のカテゴリーについては自分がスタンド観戦した試合など特別な場合を除いて書いていない。 したがって北京国際運動会での彼らの戦いぶりについても当然書いていないのだが、最初から書かないと決めていたわけではなかった。 選ばれた代表メンバーを見て、正直勝ちにいっているとはまったく思えなかったからである。
 選ばれたメンバーは、反町監督が直近のトゥーロン国際での実績を偏重したせいか、僕のアイドルである柏木陽介をはじめ予選突破の功労者の多くが本戦に出られないという結果になり、それに加え、3人まで認められているオーバーエージ枠が結果的にまったく使われなかった。
 当初召集予定だった大久保と遠藤だが、大久保は所属クラブが出し渋り、唯一召集された遠藤はウイルス感染症でダウン。 その後代わりの選手が新たに召集される気配もなく、反町ジャパンはヌルっと北京に乗り込んだ。 強豪アルゼンチンはリケルメ、ブラジルはロナウジーニョ、オランダはマカーイなど本気の陣容なのにも関わらずである。 フットボールの世界ではただでさえ弱小国の日本が、その限りある人的資源をフルに活用することなく国際舞台に登場し、そのうえメダルを狙おうというのだからこれほど虫のいい話はない。
 結果的に日本代表はグループリーグ3戦全敗。 すべて1点差負けで形の上では善戦したようにも見えるが、その実はフランスW杯同様、グループリーグでまだまだトップフォームに入っていない相手に対し全力で挑んだにも関わらず、実力差をまざまざと見せつけられたに過ぎなかった。 特に2戦目のナイジェリアなど、明らかにユルい戦いをしてきた相手にさえカウンター2発で撃沈した。 結局一番目立っていたのはその試合内容よりも成金ゴリラの空気の読めないビッグマウスだけだった。
 敗因はいくつかあるが、一番の原因はチームの核になる選手がいなかったこと。 本来なら梶山がその役割を果たすところだが、好調時とは程遠い出来だった。 代わってしゃしゃり出てきたのが成金ゴリラではどうしようもなかった。 やはり柏木が見たかった。
 またプレー全般が軽く、周囲との連係も良くなかった香川を使い続けたこと。 可能性を感じる選手ではあるものの、今回はまったくフィットしていなかった。 これも結果論になるが、代わりにフィールドにいたのが森崎だったら違う結果になっていたかも知れない。
 最後にFW。 体格で上回る相手にも通用していた豊田の高さと強さをいち早く見極め、軸に据えるべきだった。 谷口は確かに点も取れる中盤の選手だが、その彼のユーティリティー性を封印し、シャドーストライカーをやらせ続けた采配には疑問が残る。 同じ役割だけなら他にも選ぶべき選手がいたはずである。
 結局はいずれも指揮官・反町監督のオーガナイズに帰結する。 今となっては反町監督に「世界で勝つサッカー」というビジョンがあったかどうかすら疑わしい。 端から勝つサッカーではなく良いサッカーをしようとしていたフシすらある。 そして彼が目指した良いサッカーは、中国の高温多湿と凸凹のピッチに弾き返された。 それでも目指す良いサッカーは実践できた。 彼はそう感じているのだろう。 だからこそ「まったく悔いがない」などと言えるのだ。

 反町ジャパンの総括が思いのほか長くなってしまった。 フル代表のウルグアイ戦である。
 フル代表には弟分の不甲斐ない戦いを払拭するような試合をして欲しかったのだが、その願いは裏切られた。 岡田ジャパンは反町ジャパン以上に深刻である。 相手のオウンゴールもありスコアこそ1-3だったが、事実上0-5でもおかしくない試合だった。 それも試合前日来日したウルグアイ代表にである。
 一番の原因は布陣にあったと思う。 岡ちゃんはここ数試合で採用していた4-2-3-1から4-2-2-2に変更。 これは小野の起用も関係していると思われるが、2列目の小野と中村憲剛はほとんどピッチの中央でプレーし、サイドで数的優位をつくれなかった。 もともとボランチが本職の2人の後ろに控えているのが長谷部と青木という、これまたボランチの2人、そして左サイドバックがこれまたボランチが本職の阿部というのだから、ピッチ上には5人のボランチがいたことになる。 これだけパサーを揃えておいて、2トップは田中達也と玉田というどちらかといえば似たようなタイプ。 布陣と陣容を眺めてみてもまったく点が入る気がしない。
 試合はまさに予想通りの展開になった。 僕は岡田監督がこの試合に込めたものがまったくわからない。 唯一の収穫は、周囲との連係はまだまだとはいえ小野を使えるメドがたったということぐらい。 その小野も、どちらかといえば今日のように2列目ではなく中盤の底でその広い視野とパスセンスを生かせるような起用法が良い。 つまり日本代表はボランチばかりの集団と化しつつあり、トップや両サイドの人材難は深刻だ。 ロクにシュートすら打てない2トップに代わって大黒と山瀬が入り、チーム全体の前への意識は強まったが、逆にそこをウルグアイに突かれ、カウンターからたて続けに失点した。 両SBもそれぞれ失点に絡んだ。
 ウルグアイの強さの前に歴然とした日本の弱さ。 W杯最終予選は待ったなしである。 この敗戦を糧にできなければ、日本代表に勝機はない。
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by theshophouse | 2008-08-20 23:40 | 蹴球狂の詩 | Comments(12)
Commented by ハッサン at 2008-08-21 11:02 x
>唯一の収穫は、周囲との連係はまだまだとはいえ小野を使えるメドがたったということぐらい。

えっえ~~~!? ウソでしょ!!!
Commented by sye at 2008-08-21 11:48 x
小野についてはハッサンさんに同意。
いまごろ「近代サッカーは走らないといけない」とかいっているのはどうかと・・・認識おそっ。(笑)
Commented by F at 2008-08-21 13:26 x
中盤の底なんて尚更走力が求められる。ヒデくらい小野が走れれば問題ないけど。
Commented by at 2008-08-21 14:38 x
小野はスキルではそこそこ通用したがフィジカル的にきつい物があったような気がします。歩いてるし・・・・・
守備も棒になってたし・・・・・
DFも高木は完全につり出されてアップアップしてたし・・・・・
結局中澤頼みなんだよね。
これで闘利王がガンガン攻めていったらワンDFだねw
Commented by ん? at 2008-08-21 17:33 x
小野は形だけ寄せるんですが、まったく相手のボールホルダーへのチェックが実効的ではなく、昨日も抜かれまくって守備では木偶の棒ですよ。使うならFWか1.5列目しかないです。
Commented by theshophouse at 2008-08-21 19:30
>ハッサンさん いやウソ書いてもしょうがないんで(笑)。
Commented by theshophouse at 2008-08-21 19:30
>syeさん 認識はともかく、昨日は小野としては走ってた方かと。
Commented by theshophouse at 2008-08-21 19:31
>Fさん その点は同意します。 小野を中盤の底で生かすには絶対条件として汗かき屋と組む必要があるでしょう。
Commented by theshophouse at 2008-08-21 19:31
>Yさん もし昨日の試合でダメ出しされる選手がいたとしたら、CBの新人か左SBとしての阿部、そして青木じゃないかと。
Commented by theshophouse at 2008-08-21 19:32
>ん?さん 確かに守備の人じゃありませんね。 ただ、あの長短のパスの精度と展開力は前を向いてプレーできる下がり目の位置の方がいいと思ったので。
Commented by theshophouse at 2008-08-21 19:36
たくさんの真摯なご批判ありがとうございます。 いつもここは罵詈雑言ばかりなのでなんか感動しました。
正直、みなさんの小野に対しての厳しい見方に驚きました。 なかには試合後の小野のコメントに反応している方もおられるのかも知れません。
そもそも岡ちゃん、ドイツでの直近の小野のプレーを見て「可能性がある」ってことで赤紙送ってるわけで、今さら小野に長距離移動を強いたうえに罰ゲームみたいな実戦での体力テストするためにわざわざドイツくんだりから呼ばないんじゃないかと思います。
現状では2列目のプライオリティは俊輔や松井にあるのでしょうが、やはり岡ちゃんは小野にしかできない何かを求め、それが集団のなかでどう生かされるのかを見てみたかったのだろうと思います。 それがあの高い位置での小野の起用だったのだと。 そういう意味では合格点をあげても良いと思っています。
岡ちゃんはあくまで集団での戦いを志向しながら、実際は個のタレント頼りというところはフランスW杯の時と変わっていないなと。

人によってはこういう評価もあったということで一例を。
http://www5.nikkansports.com/soccer/sergio/66084.html
まあセル塩さんですが(笑)。
Commented by Y at 2008-08-22 10:14 x
ん~そんな評価もあるんですねぇ・・・

イエローカードがでるような激しいプレイって・・・
完全に振り切られて苦し紛れに後ろから・・・・・と見えたのは自分だけ
でしょうか? 
そのプレイの後の表情はとても狙ってやったプレイではなさそうな気が・・

まぁプロにはそのように見えるのか?
わたしゃシロウトなんでw
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