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【QMK】バーレーンGK「急に巻が来たので」
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 どうやらバーレーンにとって埼スタは呪われた場所らしい。 
 バーレーンと埼スタで思い出さずにはいられないのが、2005年3月30日に行われたドイツW杯最終予選での試合。 引いて守るバーレーンのゴールをこじ開けられず、焦燥感がスタジアム全体を覆い始めた後半27分、ジーコジャパンはバーレーンの10番サルミーンの起死回生のオウンゴールによってドイツに一歩前進した。
 歴史は繰り返す。 あの時と同様、圧倒的にボールを支配しながら決め手を欠き、一方で時折繰り出されるカウンターや際どいミドルシュートに手を焼いていた今夜の岡田ジャパン。 既にグループリーグ突破は決まっているものの、最終予選に臨む日本代表に漠とした不安感が募りつつあったロスタイムにそれは起こった。
 相手のクリアボールを内田がヘディングでゴール方向に押し戻す。 ボールはゆるやかな放物線を描いてエリア内でワンバウンド。 相手GKにとって不運だったのは、明らかにボールへの反応が遅れながらも無理やり特攻してきた巻がその瞬間に自分の前を横切ったこと。 巻のトリッキーな動きに幻惑されたのか、その動きでボールが一瞬ブラインドに入って目測を誤ったのかは定かでないが、とにかくボールは呆然と立ち尽くすGKの上をあざ笑うかのように超えてネットを揺らした。 記録上は内田の代表初ゴールだが、実質的には巻のゴールと言っていい。 もっともその事は巻自身が一番良くわかっていたようで、直後に相手ゴールネットを鷲づかみして咆えていた。
 無論マトモなGKなら難なく処理しているボールである。 その重過失があの時間帯に起こってしまうのもこのスタジアムの魔力の成せる業なのだろうか。
 思い返せば埼スタでのW杯予選には終了間際やロスタイムのドラマがつきものだった。 ドイツW杯一次予選オマーン戦での久保、同最終予選初戦の北朝鮮戦での大黒の勝ち越しゴール。 それらはいずれも相手のクリアミスを得点に繋げたものだった。 そう、まるで今日の巻のエアゴールのように。
 このスタジアムで飽くことなく繰り返される奇跡のようなゴールを目にする時、やはりこの地には日本代表を守る「何者か」が存在していると考えるのが自然であり、そろそろスタジアム内の然るべき場所にロスタイム神社を建立すべきだろう。

 結果、岡田ジャパンはグループ1位で最終予選への進出を決めた。 結果を出したことについては評価に値するものの、内容には大きな不満と不安が残った。
 主力選手の数人を連れて来なかったバーレーンに対し、ボールは支配するものの、なかなかフィニッシュに至らない。 特に後半は内田と安田の両SBの裏のスペースを使われたり、中央でボールを失ってカウンターを喰らい、FKやミドルシュートでゴールを脅かされる。 経験不足の若手両SBを本気で使うつもりなら、ボランチの一枚には鈴木啓太のようにカバリングと運動量で勝負できる選手が必要だ。 でなきゃ危なっかしくてとても見ていられない。
 松井と長谷部の欠場は最終予選初戦での警告累積欠場を避けるための処置だが、ただでさえパサーばかりのこのチームからドリブルという推進力を奪った。 内田と安田にもライン際をぶっちぎる突破力はない。 中村と本田の二列目もピッチの中央でのプレーが多くなってサイドに起点ができない。 いきおい攻めは単調になり、バーレーンも時間を追うごとに日本の攻めへの対処の仕方を学習していった。
 ようやく日本の攻めに躍動感が感じられるようになったのは後半27分の玉ちゃんのシュートあたりから。 ピッチをワイドに使い、相手のクリアボールを拾って連続攻撃に繋げる。 早いテンポでパスが繋がり、玉ちゃんが立て続けにシュートまで持ち込むが、バーレーンもゴールを許さない。
 後半35分、岡ちゃんは巻を投入し、釣男を前線に上げて禁断のパワープレーに出たが、二人に効果的なボールが入る気配はない。 いよいよロスタイムに入り、ドローを覚悟した刹那の決勝ゴール。 それは3ヶ月前にマナマで日本が受けた屈辱をひとまず払拭するものとなった。

 目下のところ、岡田ジャパンはやはり守備から始まるチームである。 攻めてくる相手に対しては高い位置でプレスをかけてボールを奪取し、手数をかけずにフィニッシュに持ち込み、引いて守る相手に対してはサイドから崩すという青写真があるのはわかるが、いずれもフィニッシュの部分は個の力頼みで、オシムの時のように複数のプレイヤーが連動して崩していくスタイルは影を潜めた。 それでも後半27分からパワープレーを始めるまでの数分間には連動性を感じさせる攻めが見られた。 やはり活路はここにある気がしてならない。
 人数をかけてボールを奪いに行って、もし奪取できず相手に前にボールを繋がれたらどうするのか? サイドのスペースを消された時にはどう攻めるのか? 釣男と中澤のツインタワーでより破壊力を増したセットプレーはひとつの答えだが、それだけで最終予選を戦い抜くのは心もとない。
 オシム色を拭い去りつつある岡田ジャパン。 それでも彼らに必要なのはオシムが説いた連動性なのではないだろうか。


 巻のエアヘッド、キーパーのブラインドにすらなってないな…。
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by theshophouse | 2008-06-23 01:45 | 蹴球狂の詩
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