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着火点
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 2010年南アフリカW杯三次予選初戦タイ戦。 日本4対1で勝利。 まずは岡田ジャパンが無難なスタートを切った。 戦前多くのメディアや岡ちゃんまでもが「タイは攻撃的なサッカーをしてくる」という見方を示していたが、実際はご覧のとおり、常にペナルティエリア内に多くの人員を配し、守備的に戦ってきた。
 サッカーにおいて攻撃的だとか守備的だとかいう場合、それはあくまで相対的なものである。 昨年のアジアカップですべてのチームを相手にポゼッションで圧倒したオシムジャパンの戦いぶりを見知る者なら、アジアという域内において日本相手にそう易々と攻撃的なサッカーなどできるはずはないのだ。
 ただ、その試合内容はスコアだけ見れば快勝だが、今後の戦いに少なからず不安を残すものであった。 タイのようにゴール前を固めた相手にはサイドからの崩しが有効なのは前のエントリーでも述べたが、両サイドからこれだけ効果的なボールがゼロに等しかった試合というのは近年の代表戦で記憶にない。 加地さんが代表入りして以来、右サイドは死んだも同然だが、それを補うように左からの攻めはそれがたとえわずかなものだったとしても、少なくとも右よりは機能したものだった。
 それが今夜はまったくの不発。 日本の両サイドはタイを相手にしても、たった一本のクロスでさえ味方に合わせることができなかった。 結果、日本は中央の密集地帯を強引に突破するか、やや遠目からのミドルシュートに活路を見い出すしかなくなってしまったが、さすがに中央はなかなか突破できず、ミドルシュートはすべて宇宙開発かあさっての方角行きでは脅威にもならない。 唯一枠内にいったのは高原のミドルが相手GKに掻き出された一本のみ。
 前半が1対1のまま終わり、試合がそのまま硬直化する可能性を孕み出した後半9分、左サイドからエリア内に切り込んだ山瀬のドリブル突破が着火点となり、試合は動く。 いつものようにパスを回すことが目的化し、一本調子の攻めを繰り返していた日本代表と、「またつまらない試合を見せられるのか」とあきらめ気味だった僕のような観客にとって、それは一服の清涼剤であった。 結果、相手DFがクリアしたボールを中村憲剛がブロックし、ゴール前にこぼれたボールに大久保が反応してゴール。 これで試合は一気に日本のペースとなった。
 僕は前のエントリーで「鍵になってくるのは、やはりサイドからの崩しとセットプレー、そして何よりFWが点を取ることだ。」と書いたが、セットプレーで3点を取ったことと、プレゼントボールに近いがFWの大久保、そして巻が点を取ったことは評価したい。 特にセットプレーでの中澤の入り方と巻のマークを外す動きは狙い通りだろう。 それもこれも日本が圧倒的にボールをポゼッションし、タイを終始押し込んで10本以上のコーナーキックを得たことに起因する。 つまりこの試合の勝因は個々の選手が惜しみなく動き、前を向いてボールを保持し続けたその運動量にこそあった。
 相手にとって高い位置ではボールを失わず、逆に日本にとって高い位置でボールを失っても激しくチェイスしてボールを奪取し続け、こぼれ球への反応と球際の攻防でもタイに勝っていた。 逆に言うと、こういう局地戦で負けなければ試合に負けることもない。 全員がファイトしたことを評価する一方でお粗末な両サイドが余計に目立った。
 この試合のMVPは1ゴール1アシストの遠藤と2アシストの中村憲剛ではなく山瀬。 試合を動かしたあのドリブル突破。 正対したマーカーに果敢に勝負を挑む姿勢こそが今の日本代表に最も必要なものだと思う。
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by theshophouse | 2008-02-06 23:41 | 蹴球狂の詩 | Comments(2)
Commented by osakana306 at 2008-02-07 10:10
中盤のタレントは豊富なのに両サイド....居ないね、
クロス=パスなんだけどね〜。
アメリカ大会ブラジルの左サイドはレオナルドだからね〜、日本も誰かをコンバートするのも一つの策ではないかと思う。
個人的に、駒野においてはサッカーのセンスを感じられないので変えてほしいです。
Commented by theshophouse at 2008-02-08 00:22
>osakana306さん 駒野ってなんか柔道の中量級みたいな体型かなと。
岡ちゃんは三都主のケガの回復待ってるらしいんですが、とりあえず駒野よりはマシな気がします。
内田は全然ダメでしたね。 加地さん以下。 osakana306さんの知り合いで誰かいませんか? 右サイド。
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