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不安な快勝
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 代表戦について何か書く時、心がけていることがひとつだけある。 それは他人が書いた戦評を先に読まないことだ。 先に他人やジャーナリストが書いたものを見てしまうと、どうしてもそれが先入観となって自分が感じたことが書けなくなってしまう。
 そういうわけで、通常は試合後なるべく早く思った事を書き、小欄に投稿してから他人の書いたものを読みにいくのだが、所詮はド素人の蹴球論なので、プロが書いたものとは相反する内容になることもしばしばだ。 だがそれはそれでまったく構わないと思っているし、気にもしていない。 むしろ自分が真逆の見方をした時の方が「しめしめ」と思ったりもする。
 ただ、ごく稀に他の人やプロの諸氏が書いたものを見てから自分のそれを書く時がある。 先日のボスニア戦がちょうどそうなった。

 試合そのものは日本が3対0で勝ち、岡田ジャパンの初勝利となった。 来たるW杯予選のタイ戦を前にした「壮行試合」としては申し分ないようにも思えた。 事実多くのプロのジャーナリストもその戦いぶりには好意的な扱いをしていた。 しかし、それほど手放しで喜べる内容だったかというと、そうでもないと思えるのである。
 終始積極的にプレスをかけてきたチリとは違いボスニアの中盤は緩く、前半の日本のパスは面白いように通ったが、最終ラインが体を張って日本の得点を防いでは時折鋭いカウンターを見舞ってきた。
 ところが後半、セットプレーからやや偶発的な中澤のゴールが生まれ、攻めるしかなくなったボスニアは最終ラインを上げて前がかりになってきた。 ところが、前半あれほど体を張っていた最終ラインを始めとして、チーム全体が次第に時差ボケとコンディショニング不良からか足が止まり、集中を欠いたプレーで山瀬に2ゴールを許した。
 もちろん途中出場して2ゴールを奪った山瀬のプレーは賞賛に値するものだが、アウェイで徹底的に引いてくるはずのタイ相手に同様のゴールが生まれる可能性はまずない。 むしろある程度ボスニアが引き気味だった前半の内容を注視しておくべきなのだ。 そして、そこでは日本のゴールは生まれなかったのである。 いつものようにパスを回すためのパスが続き、フィニッシュに直結しない展開が延々と続いた前半だった。
 そもそもあれだけの体格差のある相手に正面から挑んでもなかなかゴールは生まれない。 やはり基本はサイドからの速いクロスで揺さぶることがその布石にもなるし決定打にもなるのだが、日本の両サイドからはなかなかクロスが入らない。 左の駒野は完全にフリーにならないとクロスを供給できないし、右の内田は深くえぐろうとしない。 駒野には、相手のマーカーと正対してもその脇の下や足元を抜くクロスの精度はないし、内田はその持ち味であるスピードを生かしてサイドをえぐるよりも、中央に預けて自らも中央に切れ込んでいくパターンが目立った。
 内田に関してはまだあまり数を見ていないので判断しかねるが、いわゆる典型的なウイングではなさそうだ。 ただ、攻撃面に関しては、加地と違って意図を持ったボールが蹴れるし、ショートパスも通せる。 ホームでのタイ戦というオフェンス重視の試合では内田、ディフェンス重視の試合では加地という使い分けもあるのかも知れない。
 タイは当然ガチガチに引いてくるだろう。 そこで鍵になってくるのは、やはりサイドからの崩しとセットプレー、そして何よりFWが点を取ることだ。 不調の高原と泥臭いだけの巻ではまったく得点の匂いがしない。 ここは大久保と播戸、前田あたりを2トップで起用する手もある。 また攻撃面では、チリ戦、ボスニア戦と出色だった中村憲剛に期待したい。
 いずれにしろ初戦でタイ相手に苦しんでいるようだと、続く中東勢との連戦は三次予選の鬼門になりかねない。 タイにもいいFWが二人いる。 ツボにハマった時のカウンターには要注意だが、阿部がチョンボをしても中澤がいれば大丈夫だろう。 また、日本にとって最大の援軍となるのがこの寒さ。 タイの選手には厳しいものとなるはずだ。

 最後にオシム。 脳梗塞で倒れた年寄りがたった2カ月であそこまで回復できるものかと目を疑った。 確かに少々痩せて精気はなくなっていたが、快復の途上にあることは間違いなさそうだ。
 身体はともかく、これからもその頭脳と言葉で日本代表を更なる高みに導いて欲しいものである。 岡田ジャパン失速のあかつきには再登板も十分あるとみた。
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by theshophouse | 2008-02-02 02:16 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
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