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博多のご当地即席麺あれこれ
 先日福岡に行った。 妹夫婦が住んでいる街には「ルミエール」というディスカウントストアがある。 かつては「ロヂャース」と名乗っていた店なのだが、数年前になぜか店名が変わってしまった。 経営母体が変わったのだろうか。 ロヂャースはロヂャースで、今でも関東一円に店舗網があるのだが、少なくとも九州一円に展開していたロヂャースはみなルミエールになってしまったようだ。 郊外によくある、生鮮から衣料、電化製品まで無節操な品揃えを誇る店である。
 とにかくこのルミエールは安い。 日頃東京は世田谷で暮らす僕。 近所にあるのはヨークマートというスーパーである。 端的に言うと、肉や野菜など生鮮食品はルミエールで仕入れてヨークマートに卸してもそこそこの利幅が見込めそうな値段なのである。 一例を挙げるなら、袋に入って売られている一人前の焼きそばやうどんの麺の玉は東京のスーパーだとだいたい80円から100円ぐらいなのだが、ルミエールでは19円で売られている。 その数字の向こうに生産者の悲哀を感じずにはいられないような価格なのだが、ルミエールではこれが普通なのである。
 東京の物価水準が意識下にある状態でいきなりこの店に放り込まれると、モノの価値観が崩壊してしまうかも知れない。 個人的にはパニック状態に陥りながらも、周りの地元の人々を見てみると当然の事ながら淡々と買い物をしている。 たしかに福岡は東京と比べれば労働者の賃金はいくぶん安いだろうが、その格差を補って余りあるルミエールの爆安である。
 ここはひとつ東京に住む弟と自分へのお土産をということで、福岡でしか売られていない「ご当地モノ」の品々を買うことにした。 家へのお土産は空港で買う「あごおとし」の明太子梅ヶ枝餅と決めているので、地元のスーパーでしか買えない食品がターゲットだ。 いろいろ購入したもののうち、今回は即席麺をご紹介しようと思う。

b0045944_1655394.jpgサンポー焼豚ラーメン
 即席麺メーカーとしてはマルタイ食品と並ぶ九州の雄であるサンポー食品。 同社のフラッグシップ・インスタントラーメンが、1978年に発売されたこの焼豚ラーメンである。 当時フリーズドライの焼豚が入っているインスタントラーメンは他になく、発売当時は大きな衝撃を受けた記憶がある。 焼豚は発売当時からハート型をしており、これには「心をこめて作りました」というメーカーのメッセージが込められているというが、個人的には「空豆型」には見えても決してハート型には見えないと思う。 味はオーソドックスな豚骨味で、久しぶりに食べたら郷愁を感じさせられた。 九州の人間でこれを食べたことがない人間は信用すべきではない。 まずその出自を疑ってかかるべきだ。 もしかしたら日本語の上手な北朝鮮の工作員かも知れない。

b0045944_1662247.jpg元祖長浜屋協力 マルタイ豚骨ラーメン
 元祖長浜屋は僕のラーメンの嗜好を形成する基本となった店である。 豚骨ラーメンの総本山といってもいい。 毎日毎日一人でも多くの客に美味しいラーメンを少しでも安く提供することに専心している店だけに、こうしてインスタントラーメンの開発に手を貸すことじたい意外な感じがする。 そもそも店の味をインスタントで再現することなど不可能であることはわかりきっているわけだが、マルタイ食品の営業マンに日参され、その熱意に負けたのだろうか。 あくまで「協力」にとどめているあたりに元祖のプライドが感じられる。 現在こちらのクチコミサイトでも「食べたいランキング」で1位を独走しているが、これはやはり「元祖長浜屋」のネームヴァリューによるものだろう。 味は麺を除いてなかなか忠実に再現していると思うが、その待ち時間には納得できない。 「カタ麺90秒!好みで60秒!」とあるが、それではもう麺が伸び切ってしまう。 「博多んもんなら30秒!」ぐらいである。

b0045944_1665144.jpgマルタイ長崎ちゃんぽん
 長崎ちゃんぽん初のカップ麺がこれである。 発売は1976年で、サンポー焼豚ラーメン同様、当時からの超ロングセラー商品である。 以来、後発で数多のメーカーが長崎ちゃんぽんのカップ麺を発売しているが、いまだにこれを超えるものはひとつとしてない。 みなこのマルタイ長崎ちゃんぽんの厚い壁の前に敗れ去ってきた。 個人的にも、福岡にいた頃は最も食べたカップ麺のひとつかも知れない。 とにかく美味いのだ。 コクのあるスープにもちもちとした食感の麺と豊富な具材。 それらが三位一体となってカップの中でゴールデンバランスを実現している。 その完成度の高さは、あの日清食品のカップヌードルに勝るとも劣らないものである。

b0045944_1672445.jpgうまかっちゃん 博多からし高菜風味
 「うまかっちゃん」は即席麺の世界で豚骨ラーメンを全国区にしたハウス食品のブランドである。 もともとは1979年に九州地方限定で発売されたものだった。 新発売された1979年は長谷川法世原作の「博多っ子純情」が映画化された翌年で、CMに抜擢されたのも同映画に主演した男女だったと記憶している。 CMソングの「博多ラーメンうまかっちゃん♪」のメロディはいまだ脳裏にこびりついている。 今や東京でもコンビニにすら置いてあるほどポピュラーだが、実は様々な味のヴァリエーションがあり、九州では比較的容易に入手できるのだが、東京では難しい。 スタンダードなうまかっちゃんの他に、ごまとんこつ、しょうゆとんこつ、こくとんこつ、博多からし高菜風味、熊本揚げにんにく風味、鹿児島黒豚とんこつ、みそ、焼きラーメン他がある。

b0045944_1674741.jpgマルちゃん バリうま
 今回福岡で初めて見つけた即席麺。 名前のインパクトでついつい買ってしまったが、これは当たりだった。 少なくとも「うまかっちゃん」より美味いことは間違いない。 特にスープの完成度はかなりの域に達しているのではないだろうか。 やや独特の臭みを感じる豚骨スープは粉末と調味油だけでここまで再現できるのかと驚かされた。 麺は細めのちぢれ麺なのは致し方ないが、総合的に見ても完成度の高い即席麺である。 ぜひ全国展開して欲しいものだ。

 今回紹介させていただいた即席麺の数々はすべてネット上で購入することができるが、やはり「セブンドリーム・ドットコム」のお取り寄せ便が一番便利かも知れない。 最寄りのセブンイレブンに取りに行くことができれば送料も手数料もかからないからである。
 原油や小麦の高騰で最近値上げされたとはいえ、やはりその味と低価格が庶民の食生活を支えている即席麺。 それは日本が生んだ偉大なる発明品である。
 ネットの普及で、東京に居ながら手軽に九州や北海道の味を満喫することができるようになった昨今、こうしたご当地即席麺を食べ比べてみるのも一興である。

※画像はすべてクリックで拡大します。


サンポー食品株式会社
味のマルタイ
セブンドリーム・ドットコム
[PR]
by theshophouse | 2007-11-07 16:10 | Food
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