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スイスにもいた加地さん
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 慢性的な得点力不足のチームが後半だけで4点を取ってしまうのだから、サッカーはわからないものである。 しかもそれが、昨年のドイツW杯で1点も失わなかったチーム相手に、ほぼアウェイの地においてなされたということも驚きに値する。 特にロスタイムでの決勝点は、数時間前に上海で、イングランドにロスタイムのゴールで追いついたなでしこジャパンの魂が乗り移ったとしか思えない。
 ただ、試合内容はそれほど褒められたものではなかった。 いつものように試合の入り方に失敗し、不用意なファウルでFKとPKを献上して早々に2点のビハインドを負った。 スイスの前からのプレスに自らの連動性は影を潜め、最終ラインで延々とパス回しを繰り返すだけで、なかなか縦にボールが入らない。 松井が裏に抜けてあわやゴールというシーンもあったが、組織的な崩しは皆無で、攻撃は単発的で迫力に欠けた。
 後半、試合の流れを変えたのはその松井だった。 他の選手がいつものように繋ぐことだけが最終目的のパス回しに終始するなかで、この男だけは唯一ゴールへの貪欲さを持ち続けていた。 また、日本にとって幸運だったのは、松井とマッチアップしたスイスの右SBのベーラミという選手があまりに無能だったことである。 この選手、イタリアのラツィオでプレーしているらしいが、この「スイスの加地さん」がそのイタリア仕込みの手荒なボディコンタクトを存分に発揮してくれたおかげで日本は救われたと言っていい。 もっともイタリア人ならもっと巧妙に仕事をしてファウルを取られたりするようなヘマは決してしなかっただろうが。
 このベーラミ、最初はエリア内に侵入した松井に後ろから足を引っ掛けてPKを与え、次は巻にマークを外されてゴールを許し、さらにその巻をエリア内で引き倒してまたPKを献上した。 これではほとんど日本がピッチ上に送り込んだ工作員である。 スイスの右SBも日本の加地さん同様チームの癌なのだろう。

 相手に日本の工作員が潜入していたことを差し引いても、後半の日本のプレーは前半に比べてかなり見栄えのするものだった。 スイスが前半から飛ばし過ぎたのか、急激にヘタレていったこともあるが、日本はスイスを運動量で上回り、前線へのパスも繋がり始めた。 その起爆剤になったのは松井である。 ワントップの巻を中央に置き、左サイドに流れたり裏のスペースを狙ったりして前線を掻き回した。 珍しく巻にも存在感があった。 同点ゴールは賞賛に値する。
 また、稲本のプレーが時間を追うごとにチームにフィットしていったことも大きい。 中盤でボールを奪うとすぐに縦にクサビを入れ、時にはドリブルで数人をかわして前線にボールをフィードした。 次第に稲本→中村→松井という縦の関係が構築され、攻撃の起点となっていた。 鈴木啓太との役割分担もうまくいっていたと思う。
 ディフェンス面では相変わらず釣男のプレーの軽さが気になった。 サイドにセンターバックの中澤が引っ張られ、中に釣男一枚残るという局面は見ていてかなり不安であった。 攻撃面では頼りになるだけに、この際代表においてはFWとしてプレーしてもらうという選択肢もあるだろう。 センターバックのオプションとして、個人的には中蛸を推薦しておく。
 加地さん、駒野の両SBについてはもはや何も言うことがない。 駒野については本職の右でのプレーを見てからでもいいと思うが、加地さんは相変わらず。 バックパサーとして素晴らしい活躍をしたし、例によって照準の外れた右からのワロスwも数本見られた。 ただ、いつものように致命的なミスはなかったので、スペースを埋めるという最低限の仕事だけは評価しておく。
 ところでオシムは左に三都主を呼ぶ気はまったくないらしい。 オーストリアで開催されている今回の3大陸大会、ザルツブルグでプレーしている三都主と宮本にお呼びがかからないのは二人がオシムの眼中にないことの証明である。 三都主は今大会の日本の合宿地にオシムを訪ねたそうだが、儀礼的な挨拶ていどのやりとりだったそうである。 オシムは三都主について、「もう30過ぎ。 スピードがない。」と語ったとされる。 ただ本音では三都主のディフェンスに不安を感じているのだろう。 オシムは両サイドにディフェンスのできないSBを置く気はないのだ。

 今回の欧州遠征、アジアカップで苦杯をなめたオシムジャパンに松井と稲本というカードが加わったのは収穫といえる。 ただ、一番の弱点である両SBと、二人目のFWについては手付かずのままだ。
 それにしてもオシム監督、ゲーム中のPKも見れないのか(笑)。
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by theshophouse | 2007-09-12 14:55 | 蹴球狂の詩 | Comments(2)
Commented by PAYTON at 2007-09-20 01:22 x
松井がもらったPKは、何度見ても松井の方が足を入れてるように見えるのですが気のせいですよねw
しかし、日本のA代表が30分ぐらい暖気運転しないとエンジンが暖まらないのは伝統でしょうか。

そして、強いチームにはそこそこ恥ずかしくない結果を出し、弱いチームにはゼエゼエ言いながら苦戦する、他国から見たらよく分からない掴み所のないチームに映ってるんでしょうね。
Commented by theshophouse at 2007-09-23 06:43
>PAYTONさん 日本は前半にPK取られてましたしね。 貰いやすい状況ではありました。 あれは松井の小内刈りだと理解してます。 マヌケなスイスのSBへの教育的指導かと。
日本のサッカーはアジア基準と世界基準を使い分けられるほどの成熟の域には程遠いということなんでしょうね。 これには日本の武士道が影響してるのかも知れません。
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