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11年ぶりの敗戦
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 アジアカップ準決勝。 サウジアラビア戦。 日本2対3の敗戦。 ここ2大会勝ち続けてきた日本の命運も尽きた。
 試合前の段階では日本が有利なはずだった。 ハノイにとどまり、サウジ対策も入念にやってきた。 休養もサウジより一日多かった。 片やサウジはジャカルタから移動もあり、コンディションでは日本の方が優位に立っているはずだった。 しかし、試合を見る限り、そうしたアドバンテージはまったく感じられないほどサウジの選手たちの動きは良く、逆に日本の選手の疲労の色は濃かった。
 日本はマークすべき相手を間違えた。 警戒していた20番のヤセルはどちらかというとシャドーストライカーであり、前線とはいえ下がり目の位置でゲームメイクに徹していた。 中澤がヤセル対策に忙殺された分、9番のマレクへの対応が手薄になった感は否めない。
 日本が中東のチームにやられるパターンは、いつも相手の前線の選手の個人技や身体能力の高さである。 加茂監督時代の1996年UAE大会の準々決勝、対クウェート戦でフーウェイディ一人にやられた試合を思い出す。 日本のアジアカップでの敗戦はあの試合以来、11年ぶりだ。 当時の主要なメンバーは、カズ、高木、前園、森島、名波、山口素、相馬、柳本、井原、小村そして下川。 無論誰一人として今の代表に名を連ねるものはいない。
 僕はむしろ、アジアカップというそれなりにレベルの高い大会、しかもレベルの低い審判の不可解なジャッジや偶発的な事故も起こりえるサッカーという競技において、日本がこれだけ勝ち続けていたことに今さらながら驚きを禁じえない。 つまり、いつかは負けることもあるし、それがたまたま昨夜のゲームだったということである。 昨夜も決して悪いサッカーをしていたわけではなかった。 むしろサウジより日本の方がゲーム自体は支配していたのではないだろうか。
 サウジは高い位置からプレッシャーをかけてきたが、序盤の日本は慌てることなくボールを回していた。 ただ、相手のボールを奪ってからの展開は遅く、アイデアを欠いた。
 敗因を分析しておくことは必要である。 堅守速攻を武器とするサウジアラビアに2度もリードを許したのが痛かった。 日本はいずれもゲームが落ち着かないうちに追いつく逞しさをみせたが、3度目はなかった。
 サウジは日本のサイドチェンジによく対応し、日本はサイドで数的優位をつくることができず、最後まで決定的なクロスを入れることができなかった。 真ん中にしても、あそこまでペナルティエリア内に人数をかけられてはパスで崩しきるのは至難の業である。 後半、サウジが完全に引いてからは逆にペナルティエリアの前にスペースが生まれ、俊輔や憲剛、羽生がミドルシュートを放ったが、枠に行かないシュートは脅威にすらなりえず、相手DFをエリアから引きずり出すことすらできなかった。
 最初の失点は加地さんが競り負けたこぼれ球をヤセルに蹴り込まれ、2失点目も加地さんのクリアボールが相手へのプレゼントボールになり、そこからサイドチェンジされてクロスを入れられてゴールを許した。
 加地さんはなまじ守備もできない(ヘディングが弱い)のに、エリア内で相手をマークすべきではなかった。 サウジの1点目はセットプレーからだったし、あのシーンはむしろ巻のようにヘディングの強い選手が競るべきだった。
 2失点目は中澤がヤセルに引っ張られるなか、その中澤と阿部の間の小さなスペースに飛び込んできたマレクへの対応が遅れたが、個人的にはその小さなスペースにドンピシャのクロスを送り込んだアル・バハリと、見事なヘディングシュートを決めたマレクを褒めたい。
 3失点目もマレクの個人技から。 巧みなフェイントに置き去りにされた中澤と阿部を責めるのは酷というものだろう。 終始ふがいなかった攻撃陣の代わりに二人ともゴールを決めたのだから。 本来なら最初に加地さんが対応し、阿部と中澤が余るかたちになるべきだったが、この時前がかりだった加地さんは戻り切れていなかった。
 こうして見ていくと、日本の失点はすべて加地さんが直接の原因であったり遠因となっていたりするのである。 無論それを補うような攻撃面での働きがあればいいのだが、今日もいつものようにクロスの精度はなく、突破を試みるでもなく、ボールキープすらできなかった。 持ち前の運動量すら少なかった。 このうえ加地さんが代表の右サイドに居座り続ける理由を知っている人がいたらぜひこの僕にご教授願いたいものである。 日本の右サイドはいつまで不毛地帯で危険地帯であり続けるのだろうか。
 もうひとつ。 まだ3位決定戦があるので総括は先送りにするが、今大会を通じての俊輔のプレーには不満が残る。 いくら相手のマークが厳しいからといって、シュートが打てる場面でもパスを選択したり、危険なゾーンに侵入していく回数も著しく少ない。 相手から見れば昨夜の俊輔はまったく恐い存在ではなかっただろう。
 決勝はサウジアラビア対イラク。 話題性という意味で、オーストラリアを3対1で破ったり、祖国で応援していた国民の「祝砲」で死者を出したりしたイラクは紛れもなく今大会の主役である。 目標を失った日本の3位決定戦よりもむしろこちらの結末の方が興味深い。
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by theshophouse | 2007-07-26 02:19 | 蹴球狂の詩
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