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板橋の魔法使い
b0045944_451884.jpg 「早いもので」という書き出しは変だが僕も40歳。 30代の頃まではそれなりにイキがってはきたものの、40の声を聞いた途端にすっかり脱力し、自分が全方位的にジジイであることを受け容れた。 それでもまだ自分ではいまだに学生気分が抜けない気もするのだが、棺桶に入る日は確実に近づいているようで、精神的にも肉体的にも衰えが目立つようになった。 悲しいことである。
 とにかくフィジカル的にどんどん衰えているのがわかるのだ。 先日もジョギングの最中に膝を痛めてしまい、完治まで一ヶ月ほどまともに歩くことすらできなかった。 この他に首や腰にも慢性的な痛みがある。
 みなさんはこうした外科的な痛みが生じたとき、どのようにしているのだろうか? 僕の場合はとりあえず近所の整骨院にでも行って、電気治療とマッサージと湿布薬貼付といった、通り一遍の「治療」らしきものを受けてお茶を濁している。 保険も使えるし、本格的にMRIなどやって、「体にガタがきている」というわかりきった事実をこれ以上本格的に、医学的に、徹底的に自覚させられるのも辛いからだ。
 ただ、弟の場合は少し深刻だった。 持ち前の姿勢の悪さ(猫背)に加えて終日PCの前に座っての仕事という悪条件もあいまって首がヘルニア状態になり、背中から右手、右足と痺れて麻痺してしまう状態に陥ったのである。 こうしたケースで「痺れ」は既に末期的な症状であり、本当はその前段に「痛み」が来るらしいのだが、弟の場合はいきなり末期症状に見舞われたのである。
 事の深刻さに弟も近所の整骨院や専門医の診療を仰いだのだが、発症から一ヶ月が経過しても症状には何ら改善の気配がない。 このケースでの根本的かつ完全な治療は外科的な手術以外にないという結論に達したものの、周囲から「首の手術は難しいから医者もやりたがらないしリスクも多い」と聞かされ、もうあとは足裏診断でもパナウェーブでもシャクティパットでも何でもやってみるしかないという状況にまで追いつめられた頃、その名は会社の同僚によって突然弟にもたらされたのであった。 そして、それは彼にとって大いなる福音となる。

 「エス東京オフィス」 これがその治療院の名前。 埼京線の板橋駅そばの雑居ビルの1階にある。 以下は弟の証言。
 初診料は6,000円で2回目以降は4,000円(現在はそれぞれ8,000円と5,000円に値上げされたらしい)。 待合室には「当院は整体・気功・指圧・マッサージ・電気治療等では有りません」との貼り紙。 簡単な問診票に自分の症状を記入。 待合室には数人の患者がおり、自分の後にも続々と患者が入ってくる。 診療室の中に次々と患者が吸い込まれて、一人当たり3分程度で吐き出されてくるので回転率は良い。
 自分の番になる。 椅子に座った状態で、いきなりピンポイントで痛い箇所を触診される。 問診票はチラッと見る程度。 次に診療台にうつ伏せになるように指示され、その通りにするとすぐに「施術」が始まった。 施術とはいっても、首から背中にかけて、手をほうきのように何回もなぞるだけ。 その間、「カチッ、カチッ、カチッ」という音が聞こえる。 音源が何なのかはうつ伏せになっているのでわからない。 すると「よし、うまくいった!」と先生。 さらに「3回ぐらいに分けて治療するから」と説明。 これで施術終了。 この間、診療室に入ってわずか3分ほど。 「治っていく過程で痺れが鈍痛に変わり、その痛みが他に転移することもあるから」と念を押される。 初診のその日、治療院を出る時に弟の症状は既に来た時とはだいぶ違っていたという。 痺れが消えたのだった。
 それから、二度三度と足を運ぶなかで、症状は明らかに改善していった。 先生の言うとおり、鈍痛はあるものの、痺れはなくなったのである。 ただ、正月を挟んでしばらく通院しなかったら、やや症状が後退したように思えたので、4回目の診療を受けてみると、たちどころに症状は改善した。 施術の後で、「やはり基本的には自分で日常の姿勢を正していかないと、いずれ元の悪い状態に戻るよ」と言われた。 また、「状態が良くなった時に一度MRI撮っとくといいよ。 自分の健康管理のために。」などと科学的なアドバイスもしてくれた。
 患者の誰かが診察室で先生に「これって一体どういう治療法なんですか?」と訊いたところ、先生は「それを説明すると2時間ぐらいは軽くかかっちゃうから」と説明を拒否。 また同様に「私はどこがどのように悪かったのが、どう改善したのですか?」という質問には、「直ったんだからいいでしょう」と、取りつく島もない。 そのことで一部の患者はこの先生を批判するが、その彼らにしても症状が完治しているのは言うまでもない。
 猫背気味の弟は、早速自宅のOAチェアを処分し、バランスボールに座ってパソコンをするようにした。 こうすると背筋が伸びていいらしい。 その他、一日中自分の姿勢を気にするようになったという。 これで弟の長年の猫背が直るならケガの功名である。
 エス東京オフィス。 東京北部にある、それは不思議な不思議な治療院。 「もう手術しかない」という症状にお悩みのアナタ、騙されたと思って行ってみるのもいいかも知れない。


エス東京オフィス【北区タウン】
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by theshophouse | 2007-01-15 01:57 | Mystery | Comments(2)
Commented by osakana306 at 2007-01-15 15:29
鴨〜整体師に意見を仰ぎたい所ですね?
きっと闘志を漲らせ、自説を語り始めるでしょう。

でも、その不思議な治療法で治る..不思議ですね。
(僕も昨日サルの初蹴りで足首捻挫しました。)
Commented by theshophouse at 2007-01-17 01:31
>osakana306さん 鴨氏には内緒でおながいします。
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