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スティーリー・ダン
 5月15日、東京国際フォーラムへ1980年の「GAUCHO」以来20年ぶりに新作「TWO AGAINST NATURE」を発表したスティーリー・ダンのライヴを観に行ってきた。
b0045944_22555416.jpg 僕とスティーリー・ダンの出会いは1982年、ドナルド・フェイゲンが発表したソロ・アルバム「THE NIGHTFLY」であった。 その後スティーリー・ダンの存在を知り、アルバムを揃え、聴き込んだ。 したがって1972年にデビューした彼らと時代的にシンクロしていたとは言えないが、それでも僕のような30代半ばのファンはきっと大勢いるはずである。 ライヴ当日も実に幅広い年齢層のオーディエンスが集まった。
 そもそもスティーリー・ダンはライヴ・ユニットではなく、スタジオでのレコーディング・セッション専門のユニットであり、これまでもライヴでの演奏は初期のものに限られる。 ところが2年ほど前、本国アメリカでツアーが始まったと聞き、高まる胸を抑え切れずにいた。 しかし、そんな彼らが新作アルバムの発表を機にワールドツアーを敢行、日本にもやって来ると聞いた時は正直複雑な心境であった。
 というのも、彼らが通常一年以上も同じスタジオの同じ部屋をリザーヴして作り上げられていく精緻なサウンドが、ライヴという形態で表現できるのか疑問があったからである。 よくある「CDで聴いてたほうが良かった」状態になりはしないか? 一人思い悩む僕であったが、それでもラジオから絶えまなく呼び掛けるチケット先行予約の案内には抗し難く、チケットを押さえてしまった。
 しかしいざステージが始まると僕のそんな心配は何処かへ行ってしまった。 ステージの中央に設置されたエレクトリック・ピアノに陣取ったドナルド・フェイゲンの演奏はどこかレイ・チャールズを彷佛とさせるR&B的風味の強いもので、なにしろ長年レコードからしか聴くことができなかったあの独特の歌声は健在、それだけでもう満足してしまうあたりは熱狂的ファンの感情移入の成せる技であろうか。 フェイゲンは長年ピアノを弾いているせいだろうか、少々首が座りきっていて猫背に見えた。 一方で傍らのウォルター・ベッカーはほとんど視界に入らない。 まあ彼には悪いけど、彼の存在はホール&オーツのジョン・オーツ、ワムのジョージ・マイケルじゃないほうの人といった感じなので仕方がない。b0045944_2256188.jpg ステージ中央には大きなステージセット兼プロジェクター用スクリーンがあり、曲のテーマに合わせた映像が次々に映し出され、ステージアクションのほとんどないパフォーマーたちの動きを補っていた。 曲の構成は昔の曲と新作アルバムから曲の比率でいうと6:4といったところ。 「BODHISATTVA」「DO IT AGAIN」「BLACK FRIDAY」「FM」「MY OLD SCHOOL」など、若き日をともに過ごした名曲の数々にはシビれた。
 サポートメンバーの中でも目立ったのがドラムスのリッキー・ローソンという人。 クラプトンやマイケル・ジャクソンのツアーにも参加したというが、パワフルなそのプレイはことのほかジャズやフュージョン色の強いスティーリー・ダンのサウンドをとりわけロック色の強いものにしていた。
 1時間の演奏の後、20分の休憩を挟んでふたたび1時間の演奏という、最近では珍しい二部構成のステージはアンコールの1曲を含めて2時間半あまりに及ぶなかなか充実したものだった。 曲の間に客席からリクエストの声がいくつも飛んだが、フェイゲンは「ごめん、日本語わからないから。」と笑わせ、寡黙そうなキャラクターそのままにお喋りは極力少なく、一曲でも多くの曲を聴かせることに心を砕いていたようだ。
 とにもかくにも久しぶりのいいライヴでした。(2000/5/25出稿を再録)
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by theshophouse | 2004-10-20 23:01 | Sounds Good
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