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バブルフルーツ・アゲイン!
 最近、家は裕福なのに給食費を払わない親がいるという。 義務教育だから給食はタダで当然というのがその根拠だという。 そんなバカ親をもつ子供には、可愛そうだが給食を与えなければいいだけの話だ。 それで子供が差別されても仕方ない、と僕は思う。 勘違いしている親を助長させるのは子供のためにも良くない。
 幸いにも僕の親はちゃんと給食費を毎月払ってくれていた。 そのおかげで毎日給食にありつくことができたし、両親が共働きでおばあちゃん子だった僕にとっては、毎日バラエティに富んでいる給食は、ややマンネリ化していたおばあちゃんの料理よりも楽しみですらあった。
 当時の給食で印象に残っていることと言えば、まず毎日牛乳が出たことだ。 瓶に入った牛乳だった。 それはやがてテトラパックという三角錐の形の紙パックにとって代わった。 僕らは飲み終わった後のテトラパックをいかに小さく折り畳んで捨てるかを競わされた。
 小学校の時の給食は基本的にパン食で、一日置きに食パンとコッペパンが出た。 そうしたパンにつけるものとして、マーガリンやジャムやマーマレード、時にはピーナツバターにチョコレート味のものもあった。 僕はマーガリンがどうしても好きになれず、いつも残して持ち帰っていた。 しばらくするとランドセルの中はマーガリンだらけになってしまうので、ある程度数が溜まったら、家への帰路、車道のクルマの轍が残っている場所にいくつも並べて物陰に隠れ、クルマがやって来るのを待った。 マーガリンがタイヤに踏まれ、「ピュッ」と飛び散るさまを眺めるのが好きだった。 我ながらヘンなガキだった。
 メインの料理で印象が強いのはやはり「鯨の大和煮」。 とにかくよく出た。 二週間に一回は出ていたのではないか。 僕はこれを食パンに挟んで食べていた。 鯨サンド。 これを書いている今、無性に食べたい。
 基本的にパン食だった小学校の給食。 そんななかで唯一ごはんが出ることがあった。 それが「インスタントごはん」である。 それは今から考えても不思議なごはんだった。 炊き上がった状態のごはんがパンパンに張ったビニール袋の中で少しべっちゃりしているのである。 このごはんが出る時、メインは必ずカレーだった。
 デザートもたまに出た。 やはり定番はアイスクリームだったけれど、ごく稀に出たのが「バブルフルーツ」。 僕はとにかくこれに目がなかった。 「バブル」の日に同じグループの子が休んで、終業後にその子の自宅に給食のパンや牛乳などを届けなければならない場合でも、バブルフルーツだけはこっそり自分のものとした。 オレンジ味で、食感はシャーベットとババロアの中間といった具合。
バブルフルーツ・アゲイン!_b0045944_23161612.jpg バブルフルーツは1976(昭和51)年に冷凍食品大手のニチレイが発売したのだが、製造中止になって久しい。 インターネット上で商品の画像を探してみたのだが見つからない。 かくなるうえは自分で描くしかないと思い、当時の記憶をたどって描いてみた。 ただ、描いた後にネットで調べてみると、五角形の一辺一辺がそれぞれカーブになっている桜の花びらのような容器だったという。 容器の高さは普通のカップアイスの半分ぐらいだったと思う。
 どうしてバブルフルーツのことを取り上げたかというと、先日近所のスーパーでグリコのアイス「和ごころ」を買って食べた時、この中の甘夏味があのバブルフルーツそっくりだったのである。 食べた僕はその瞬間30年前にトリップしてしまっていた。
 ところがこの「和ごころ」の甘夏味、夏限定だったらしく、現在ではすっかり店頭から消えてしまった。 初めて食べたのがビルマとタイへの出張前で、出張を終えて帰国したらもうなくなってしまっていたのだ。
 いくら世の中昭和ブームとはいえ、二チレイがバブルフルーツを復刻させるとは到底思えない。 そうなると、外観はともかく味という点においてはかなり近いものを感じた「和ごころ」の甘夏味がふたたび店頭に並ぶ来年の夏まで、僕は待たなければならないようである。 グリコが甘夏味を通年商品にしてくれることを願うばかりだ。

 ちなみにこのバブルフルーツ、九州や近畿、中部地方などの給食には出されていたようなのだが(僕は福岡市の小学校で食べていました)、それ以外の地域ではまったく知られていないという。
by theshophouse | 2006-10-20 23:25 | Food
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