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武蔵野はらっぱまつり潜入記
武蔵野はらっぱまつり潜入記_b0045944_1833471.jpg 10月30日、「武蔵野はらっぱまつり」に行ってきました。 何年も前から友人ルイジに誘われてはいたものの、実際に行ってみたのは今回が初めてでした。 そこに展開されていた風景は、21世紀の到来を間近に控えた1999年の秋とは思えないほどレイドバックした雰囲気に包まれていました。
 武蔵野はらっぱまつりは野川に面する都立武蔵野公園の通称くじら山のはらっぱで毎年行われています。 まつりが始まったきっかけは、くじら山のはらっぱが都による野川の護岸工事の影響で消滅していまうことへの反対運動だったと伝え聞きます。 ひとくちにまつりと言っても内容は様々で、リサイクルバザーや各国料理の屋台の出店、ライブコンサートなどバラエティーに富んでいます。
武蔵野はらっぱまつり潜入記_b0045944_18331433.jpg しかし何よりもこのまつりの特色はヒッピーのまつりであるということです。 とにかくいますうようよいますヒッピーたちが。 60年代に西海岸あたりのコミューンにいたんじゃないかというような筋金入りの本格派から、ちょっと薄汚ないゴア系ヒッピーや、UAに代表されるような最近のグランジ系ネオ・ヒッピーまでありとあらゆるヒッピーの見本市といった様相を呈しています。 国籍もバラエティーに富んでおり、アジア・中近東・ヨーロッパ・アフリカ・アメリカと世界中の国のヒッピーを発見しました。 もっとも地元の普通の人も老若男女問わず大勢やって来るので、まつりを形成する人種はカテゴライズ不可能。 まさに人種のカオス状態です。
武蔵野はらっぱまつり潜入記_b0045944_18332196.jpg 昨年まで3日間だった期間が今年は2日間に短縮されたものの、バザーや屋台を出店しているヒッピーたちは皆そばの雑木林の中にテントを張り、翌日に臨むのです。 周囲にはドラッグなどアヤシイものがあっても何ら不思議ではないような、実に独特の雰囲気が漂っていますが、「はらっぱ祭りはいたって健全なお祭り。 みんなナチュラル・ハイだよ。」とはルイジ談。 もっとも健全な一般市民のお祭りなので、当然といえば当然ではあります。 このへんが最近流行りの野外レイヴとは一線を画す点ではありますが、スピリットとしては、はらっぱまつりの方が真にヒップなイベントであると感じました。
 途中ルイジの「小学生時代の彼女」がやっているという店に連れて行かれ、当人であるみやちゃんを紹介されました。 彼女の店は「泡盛屋」で沖縄から独自ルートで仕入れた希少な泡盛の一升瓶を段ボール箱の上に並べただけの簡素このうえない店でしたが、この泡盛屋はすでにはらっぱまつりの名物となっていて、主に出店者に人気の店だそうです。 次々に客がやって来ては一杯ひっかけていきます。 このみやちゃん、すでにストーン状態なのか僕らと会話中も常に身体をくゆらせて非情に気持ち良さそうでした。 うらやましい。
武蔵野はらっぱまつり潜入記_b0045944_18333045.jpg 僕はかねてからことのほかヒッピーの生態には興味をもっており、大学の卒論もヒッピー研究に近いようなものをテーマにしていました。 大学の図書館で60年代の「思想の科学」、「アレン・ギンズバーグ詩集」なんかを読みふけり、当時のローリング・シックスティーズには果てしない憧憬を覚えたものです。 当時読んだ思想の科学の或る号には「ヒッピーになるには?」という特集が載っていて、その第一歩は「交通であることをやめよ」と書かれていたと記憶しています。 その内容は、「道を歩くことをやめて道端に腰を下し、歩いている人たちを眺めてみよう」ということでした。 非常に単純な言葉ですが、この言葉はヒッピーの精神を端的に表していると感心したものです。
武蔵野はらっぱまつり潜入記_b0045944_18334064.jpg はらっぱまつりには実にバラエティーに富んだ各国料理の屋台が出店しているのは前に述べたとおりですが、会場で食べられる料理を覚えている範囲で列挙してみると、チキンケバブ、クスクス、タイ・ラーメン、おでん、チヂミ、キムチスープ、シンガポールビーフン、焼き鳥、ナシ・ゴレン、ナシ・チャンプル、ナシ・アヤム、うどん、タイ・カレー、インド・カレー、スリランカ・カレー、沖縄そば、タンドリ・チキン、パコーラ丼、ビーンズ・カレー、タコス、もつ煮込み、サテ、点心各種、オーガニックフード各種、オージードッグ、ロティなどこれまた食のカオス状態です。
 インドから輸入したお香や雑貨の店ではテントの奥で完全にトランス状態に陥ったおっさんが激しく太鼓を叩いている横で、サリーに身を包んだ年齢不祥の女性がベリーダンスを披露、一瞬ここが小金井であることを忘れてしまいました。
武蔵野はらっぱまつり潜入記_b0045944_18335319.jpg タイ・ラーメンの店はうまいとの定評があり、それもそのはずでどこかのタイ料理のレストランが、バンコクでもおよそ目にすることのないような怪しいクルマで出張してきているのでした。 アフロ・エイジアン料理の屋台ではアフリカ系の黒人3人組が本格的なケバブ・マシンを投入して意外にも行列が絶えないほどの大人気。 テントを利用したタイ古式マッサージと台湾式脚つぼマッサージの店も大繁昌。 その他にも手作りビーズの店、中国直輸入の本格烏龍茶の店、韓国直輸入のキムチ・カクテキの店、出所不明の石を売る店、イレズミ屋、ジャマイカン・バーなどありとあらゆるうさんくさい店が軒を並べてもうすでに臨界状態で、僕の意識も昼間というのに徐々に薄れていく始末。
 ともあれ武蔵野はらっぱまつりはなかなかに楽しいまつりなのでありました。(1999/11/3出稿を再録)

武蔵野はらっぱまつり潜入記 2000
by theshophouse | 2004-10-17 18:40 | Alternative
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