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あんでるせん その2
 友人Jはさらに続ける。 彼の母親の他に、仕事上の知り合いもあんでるせんを訪れているらしいのだ。 その人の話は以下のようなものである。
 あんでるせんは完全予約制をとっている。 にもかかわらず、やはり予約しないで行ってしまう人もいる。 そんな人がやっとの思いであんでるせんに辿り着くと、店の外に「◯◯さん、また別の機会にお越し下さい」と、すでに自分の名前が書かれた貼り紙がしてあるという。
 このような超常現象全般を目の敵にしている早稲田大学の大槻教授から何通も手紙が届いており、どの手紙にも「いつかお前の嘘を暴きに行ってやる!」と書かれているという。 しかしマスターは平然としている。 「来ませんよ。 来れないようにしてますから。」 どうやら彼のスケジュールを思いのままに操って、来る時間などないようにしているらしいのだ。 当然マスコミもやって来ては出演依頼するわけだが、不思議なことにこれらマスコミにあんでるせんが紹介されたことはない。 これも大槻教授同様、マスターの意のままというわけだ。
 またこれはJの知り合いが実際に目撃したのだが、マスターが「絶好調」の時は壁から溶け出すように登場するのである。 これはもうアキラの世界。 ちょっと背筋が寒くなる話だ。
 いくらマスコミに露出していないとは言っても、インターネット上ならあんでるせんの情報が入手できるのでは、と考えた僕は早速いくつかの検索エンジンで「あんでるせん 佐世保」でキーワード検索してみた。 結果、数は少ないものの幾つかの「あんでるせん探訪記」的なサイトを発見した。 以下に記すのは、そうした中で複数のサイトに同じ内容が書かれていた比較的信憑性が高い事柄である。 そのまま抜粋する。 友人Jの話と重複する事柄は省略した。
 「あんでるせん」は長崎県川棚町駅前にある喫茶店だ。 マスターが超能力者だ。7年前、佐世保に住んでいたことがあるが、あんでるせんのことは以前から噂で知っていた。
 一昨日、キャナルシティのみどりさんと話した中で、「明日、あんでるせんに行く」ということを聞いたので、リュウも今、夏休みをとっているので、あんでるせんに行ってみることにした。 こういうことは、思い立ったが吉日(?)だから。 このチャンスを逃したら、遠いだけに、もういつ行くかわかない。 JRの鈍行を二日市、肥前山口、早岐の3駅で乗り換え、3時間ほどでやっとたどり着いた。
 JR川棚駅前の歩道橋横の3階建てのビルの2階にある。 店の中には、ソニーの盛田会長、NECの関本会長夫妻、大相撲からは両国親方、舞乃海、久島海、ソウル水泳金メダルの鈴木大地、評論家の竹村健一、俳優の藤岡弘、ホリプロ会長、チェッカーズのフミヤなどあんでるせんを訪問した有名人のポラロイド写真が20数枚壁に貼ってある。 マスターは36、7歳くらいの浅黒いかっこいい青年風の人だった。 「気」の使い手だ。
 さて、カウンターの前に椅子を並べ始め、これもまた整理券の番号順に良い席から並んでいく。 最前列の6人くらい以外はすべて立ち見となる。 ショーの目安は1.5時間であるから、少なくとも、そのくらいの時間は立てる心積もりでいなければならない。 準備が整うとマスターがカウンターの向こうに顔を出した。 いきなり表情が打って変わってにこやかである。 ジョークを飛ばしながらショーが進んでいく。 手を触れずに物が動く、物が空中に浮かぶ、物の形が変わる、その度に観客から感嘆の声が洩れる。 マスターは超能力と呼ばれるものは、ほとんどすべてできるようである。

 演技中、何回かバチッと火花が飛んだことがあった。 マスターの指に火傷で水膨れもできた。 13:30過ぎから始まり、15:10くらいまでの1時間40分ほどのショーだった。

 紙細工で何でも折ってしまう。 折り紙で「ツル」を折ったことはだれでもあろう。 店内には、紙で折った作品(立体)が額に入れて壁に20点くらい展示、というか並べて飾ってある。 額に入らないものはあちこちのテーブルの上などに所狭しと置いてある。 全部で50点以上はある。 人物シリーズ「チェッカーズ」「ゲゲゲの鬼太郎」など、花シリーズ「薔薇の花」「水仙の花」など、動物シリーズ「ザリガニ」「サイ」など様々な動物、宇宙シリーズ「ET」「スペースシャトル」など。 とにかく、いっぱいある。
 最初、店内に入ってきた時、いっぱい展示してある折り紙が異常に(本当に異常に)あるので、「これは誰が作ったんだろうか? お客さんで折り紙が好きな人が、この店にプレゼントしていって、溜まったものかな」と思っていた。 ところが、これはマスターが折ったものだそうだ。 全部1枚の紙で折ったものだそうだ。 エー!!「こんなザリガニなんかは足がいっぱいあるから、難しいですよ」という。 ザリガニの目のところが白で、他の体の部分は赤。 これも1枚の紙で折ったそうだ。 目の部分だけに裏の「白」色を出すのは苦労するそうだ。 どのようにして計算するのかサンプルとして、計算式も見せてくれた。 難しい数学の式がならんでいる。 紙を細かいマス目を作り、細かく折っていくそうだ。 まったく天才技だ。 頭も相当いいんだろう。 すべて、計算して作るようだ。

 「念写」ではリュウも参加した。 覚えたトランプカードを念写によってポラロイドで写し出した。 リュウの右目のところにトランプカードが写っている。 そのカードの上に娘さんらしい女の人の微笑んだ顔が小さく写っている。 顔が小さくて分かりにくいが、心あたりはない、と思う。 マジで。 縁があった人だという。 ジョーダンじゃないぜ。 今時、珍しい清く正しい男なのに。 でも、男でなくて良かった。 男だったら最悪だった。 気になってマスターに聞いたら、その人が生きているのか死んでいるのかはわからないという。 確かに気持ちは悪いが、この写真は記念に(話のタネに)もらって来た。
 これらの報告はそのほとんどが1997年以降のものである。 無論これはインターネットの普及とも無関係ではない。 しかしながらクチコミ情報の宝庫であるはずのインターネット上にもあんでるせんの情報は少なく、画像も入手できなかった。 謎は深まるばかりである。(1999/7/10出稿を再録)

つづく

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by theshophouse | 2004-10-17 13:25 | Mystery
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