いいこはうちに来るとすぐにお気に入りの椅子に座ります。 フィリピン製の、海草を編んでつくられたラウンジ・チェアがいいこの居場所です。 なぜいいこがこの椅子を選んだかは定かではありませんが、おそらく細いロープのように編まれた海草が爪を研ぐのにちょうどいいからだと思います。
そんないいこですが、ここ2週間ほど姿を見ないのです。 これまでも同じぐらいの期間、僕の前からふっと姿を消すことがあったのでそれほど心配していたわけではなかったのですが、先日うちの近所の交差点にたくさんの花束とキャット・フードが供えてあったのを見てからというもの、いいこの身を案じる毎日でした。
ところが今日、仕事に出かけるために家を出ると、どこからともなくいいこが現れたのです。 僕は安堵のあまり、いいこを抱き上げてぐるぐる回してしまいました。 いいこをぐるぐる回しながら「天に召されたのは八百屋のトラジマだったか・・・。 志なかばでさぞかし無念だったろう・・・。」と、やはり最近めっきり姿を見かけなくなった近所のデブ猫を想いました。
ともあれいいこは無事、さっそく家で御馳走のモンプチ(通常はキャラット)をあげると瞬く間に平らげてしまい、かなりお腹を空かせていた様子。 見ての通りの巨体に更に磨きをかけてしまいました。 時々小型の牛と見紛うこともあるのですが僕はそんないいこが大好きです。
せっかく始めたいいこのコーナーが「いいこの死去」という最悪の事態によって打ち切りにならずにほっとしています。 これからもいいこの日常生活を克明にリポートしていきたいと思います。(1999/4/6出稿を再録)
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