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23人にキング枠を!
 スコットランド戦。 0対0の引き分け。 ブルガリアを5対1で粉砕した試合からわずか中一日で日本と戦うことを強いられたスコットランド代表。 その戦術が守備的になったとしても致し方ないところだろう。 そうしたアドバンテージがあるにも関わらず、前半の前半は日本もあまり良い出来とは言えなかった。 トップにボールは入るものの、密集した相手DFのプレッシャーを必要以上に感じすぎ、前を向くことすらできない。 久保にも玉田にももう少し強引な仕掛けがあっても良かった。 ただ、加地さんの奇跡の左脚ミドルがポストを直撃したあたりから、中盤で日本の細かいパス回しが出来るようになってきた。 やはりああいうのを見せられると、その後相手の中盤はどうしてもチェックに行かざるをえず、その分だけパスが回るスペースが生まれたとみるべきだろう。 その加地さんのミドルが前半最大のサプライズだったわけだが、なぜあそこまで強烈なシュートが打てる左脚を今まで封印していたのだろうか。 相変わらずターゲットをロストしたままの右足クロスより、その狂気を孕んだ左脚を売りにした方がよっぽどいい。 もしかしたらこの左脚こそが、ジーコが加地さんを使い続けた最大の理由だったのではないか。 そしてそれはドイツの本大会までヴェールに包んでおくべき左脚だったのではないか。
 前半もうひとつの見せ場は小野のシュート。 惜しくもGKの正面をついたが、ペナルティ・エリア内であれだけ落ち着いている選手、つまりはFWの素質がある選手はこの国ではみな中盤をやるのである。 結果、FWになる選手はみな決定的なシーンでボールを持つと平常心を失ってしまうパニック症候群の男たちばかり。 代表では中盤の底で配球役に徹している小野だが、やはり彼が本当に生きるのはゴール前の空間にあると実感させられた。

 今夜はスタメンがほぼ当確組だったせいか、サバイバル的要素はあまり感じられないゲームだった。 きっとジーコの頭の中では既に23人の名簿が完成しているものと思われる。 それでも、低レベルな激戦区になっているFWで当落線上にいる巻と佐藤に関しては最後の見極めをしようとしたようだが、省エネ戦術に終始したスコットランドにああまでゴール前に人垣を作られては、アンリでさえゴールを決めるのは簡単ではなかっただろう。 すべてはスコットランドに中一日で優勝のかかった試合をさせることになったキリンカップの日程のまずさにある。 巻と佐藤には気の毒だった。
 スタメン組の中で出来の悪さが際立っていた久保。 ひと頃の上り調子は何処へやら、怪我の具合が良くないのか、ポストはできない、前は向けない、シュートは打てない、動けないでは、ドイツへの切符どころか引退して、かねてから念願のトラック運転手にでもなった方がいいのではないかと思うほど。 2日後に迫った23人の発表に「サプライズはない」と言っていたジーコだが、久保の落選というサプライズがあるかも知れない。 少なくとも今夜に限って見れば、とても日の丸つけてドイツへ送り出せる代物ではなかった。
 
 これでジーコ・ジャパンの国内での試合は全て終わった。 ある意味今夜の試合は4年間のジーコ・ジャパンの集大成となるべき試合だったはず。 そんな試合で僕らの眼前に突きつけられたのは、4年前と同じ「決定力不足」という五文字。 これからも日本代表に永遠につきまとっていくであろう五文字なのであった。
 もはやFWに決定力は望まない。 となれば、もう低レベルのFWを4人も5人も選ぶ必要などないのではないか。 日本が唯一世界と伍して戦える実力を持つと信ずる中盤の選手たちにゴールを期待した方がよっぽどマシで現実的ではないのか。 つまり、もう「4 - 4 - 2」とか「3 - 5 - 2」なんて論争するのはやめて、「4 - 6」とか「3 - 7」といった日本独自のフォーメーションでW杯に臨むべきなのだ。 FWに置いておくのは、ピッチのどこからでも見えるほどガタイが良くて、潰れ役ができる奴が一人もいれば十分だ。 日本の中盤にはまだまだ埋もれたタレントがいる。 粗悪品だらけのFWに多くの枠を用意するよりも、ゴール前でボールを持った時に慌てない中盤の選手がいるなら、GKと1対1になった時、氷の冷静さでネットを揺らすことができるMFがいるのなら、そいつにドイツ行きの航空券を渡すべきだ。

 僕は、もう既に日本サッカーの象徴となったこの「キング」と呼ばれる男が、ドイツに向けて密かにアップを始めているのではないかと期待している。 ジーコ最後のサプライズ人事を信じながら。

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by theshophouse | 2006-05-13 22:36 | 蹴球狂の詩
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