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なぜか鴨川
 正月、妻と義父と三人で広島と呉と尾道と高松を旅行する予定だった。 そのコンセプトはお好み焼きを食べ、やまとミュージアムに行き、尾道散策して讃岐うどんを食べる、というものだったのだが、出発前日ちょっとしたアクシデントに見舞われやむなく中止になってしまった。
 突如として失われた正月の予定。 妻と相談し「とにかく温泉でも行こう」ということになった。 ところがである。 折りしも日本列島は大寒波の真っ只中。 何処に行こうにも雪が降っている。 残り少ない正月休み、行ったはいいが、行った先で大雪や路面凍結で東京に戻れないという状況に陥るのだけは避けたい。 クルマで3時間以内で行けて、雪が降っておらず、温泉がある場所。 関東の地図を広げて眺めること10分、熱海か鴨川かの二者択一になり、最終的に選んだのは鴨川だった。 前日にも関わらずホテルに部屋も取れた。
 南房総に行くのは久しぶりだ。 以前、勝浦のテルムマラン・パシフィークに妻と行ったことがある。 南房総に行くのはそれ以来で、およそ2年ぶりだ。 僕はそこで受けた「グランジェ」というボディートリートメントを今も忘れることができない。 個室で女性セラピストと二人きりになり、壁際に立たされ、セラピストの女性から強烈な放水を体中に浴びせられるのだ。 映画「ランボー」の最初の方のシーンで、ランボーが保安官事務所に連れて行かれ、服を脱がされて水攻めに会うあのシーンをイメージしてもらえればいい。 もし自分にMの気があったらタイヘンだったろうと今でも思う。 それ以来僕は男友達にこう言って威張ることにしている。 「君、タラソ行ったことある? ないよね。 僕はあるよ。」

 アクアライン(東京湾横断道路)を通るたびいつも思う。 「よくもまあこんなたいそうものを作ったもんだ」と。 ハマコーってそんなにエラかったのかと。 おかげで南房総は東京西部に住む者にとってはだいぶ身近になった。 行き先を鴨川に決めたのにはもうひとつ理由があって、クリスマスの頃にニュースで「鴨川にアザラシのカモちゃんが戻って来ました」というのをやっており、それならばこの際カモちゃんを見てやろうということで、カモちゃんの出没ポイントが目と鼻の先の鴨川グランドホテルにしたのである。
 鴨川グランドホテルはなかなかのロケーション。 古いホテルで客室は昭和テイスト満載、そろそろリノベーションした方がいいと思うほどだったが、思いのほかすぐに馴染んでしまった。 昭和生まれの悲しき性である。 部屋に荷物を置くのももどかしく、1階のロビーから海岸沿いの遊歩道に降り、東に徒歩3分のカモちゃん出没ポイントである鴨川シーワールド前まで行ってみた。 黒砂の上に体を横たえ、愛嬌たっぷりにでんぐり返っているはずのカモちゃん。 しかしその姿は何処にもなかった。 すると、沖合いにカモメが水面すれすれに群れをなして集まっているのが見え、「きっとあの海面下には魚がいっぱいいて、カモちゃんも今は捕食中なのだ」と判断し、沖に向かって子供たちよろしく「カ~モちゃーん!」と叫んではみたものの、波頭の間にカモちゃんが顔を出すでもなく、真冬の鴨川の海岸にその声が虚しくフェードアウトしていくのみ。
 ホテルの直前にあった「潮騒市場」の中にある回転寿司「丸藤」で時間を潰し過ぎたせいか、早くも陽が傾いてきた。 ここは一旦撤退して、関係者から最新のカモちゃん出没情報を仕入れ、翌日出直すことにしようと思う。

なぜか鴨川_b0045944_2312592.jpgカモちゃん出没地点の看板

鴨川市のカモちゃんへの期待度が伺えるそれはそれは立派な看板なのだが・・・
なぜか鴨川_b0045944_23141465.jpgカモちゃんの特別住民票

この住民票が発行された12月30日、鴨川にカモちゃんの姿は既になかった・・・
この住民票の写しはコチラでダウンロードできます
なぜか鴨川_b0045944_23144874.jpg任命書

「鴨川市自然環境大使」、カモちゃんには少々荷が重かったのかも知れない。
あるいは大使に任命されたせいで、張り切って「外遊」に出かけたのかも
なぜか鴨川_b0045944_23225070.jpgカモちゃんの脳内イメージ

ホントはこういう光景を期待していたのだが、僕のそんな思いなどいざ知らず、カモちゃんは出てきてくれず・・・
なぜか鴨川_b0045944_2323817.jpg実際の現場写真

そこにいたのはカモちゃんならぬカモメちゃんだけだった
(※写真はクリックで拡大します。)

 海から昇る日の出を見ようと6時に起きた。 前日ホテルの従業員から、カモちゃんが主に午前中にしか出没しないという情報を得ていたので、早朝と、それでダメなら午前10時にチェックアウトしてからの2時間の2回、シーワールド前まで行ってカモちゃんを探す作戦である。
 海から昇る太陽は拝めたものの、待てど暮らせどカモちゃんは出てこない。 僕の他にも数人がカモちゃんの登場を待っていたが、結局カモちゃんは来なかった。 ホテルに戻って別の従業員にカモちゃんのことを尋ねてみると、「12月の23日に来たみたいなんですけど、その翌日に花火大会があって、カモちゃんが驚くだろうからと船上から投げ込む花火は取りやめにしたらしいんですが、どうもそれ以降姿を見たって話は聞かないんですよね。」と言う。 どうやらカモちゃんは地上から打ち上げられた花火に驚いて他所へ行ってしまったようなのだ。
 そもそも何故カモちゃんがシーワールドの真ん前に現れるかには諸説あって、カモちゃんの存在自体がシーワールドの「仕込み」だというものや、シーワールドで飼われているアザラシの鳴き声に呼び寄せられて来るというものもある。 特別住民票まで発行し、「鴨川市自然環境大使」に任命したカモちゃんが、鴨川市が主催する花火大会が原因で鴨川を追われたのだとしたら、何とも皮肉な事である。 その後僕らはもう一度現場に足を運んだのだが、結局カモちゃんに会うことはできなかった。
 しかしこれであきらめたわけではない。 僕は既に「カモちゃんリベンジ作戦」を立案中である。 カモちゃん再出没の報を聞くや否や速攻で鴨川に行けるように準備を進めている。 そして、今回は時間の関係で行くことを断念した九十九里浜の隠れ家カフェにも行きたいのである。 次にいつ南房総に行くことになるのだろうか? すべてはカモちゃんのおぼしめし次第である。


アザラシのカモちゃんが帰ってきたよ!
カモちゃん特別住民票(PDFファイル: 26KB)
カモちゃんを見ることのできるエリア
by theshophouse | 2006-01-12 23:38 | Odyssey
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