メキシコ戦。 1対2の敗戦。 点差以上に両チームの力の差は大きかった。 ふだん空気の薄い高地でプレイしているメキシコの選手たちにとって、ドイツでの初戦はずいぶん呼吸が楽だったのだろう。 そのスタミナは尋常ではなく、90分間を通じて前線から激しいプレスをかけ続けた。 加えて選手個々の高い技術に裏打ちされた細かいパス交換で攻撃のスペースをつくりだすサッカーは、もはやメキシコ・サッカーの金看板である。 これに対し、ボール扱い(特にトラップ)でメキシコに劣る日本は、その速い寄せにトラップ際を狙われたり、中途半端なパスをカットされたり、パスミスを連発してほとんど自分たちのリズムでボールをまわすことができなかった。 低地への気候馴化前で、惜しみなく動き回ったメキシコに対し、日本はたびたびマークを外されて疲労も蓄積、後半は最終ラインの前に大きなスペースを与えてしまい、相手に好きなように攻められる場面が目立った。
こう書くと何一つ収穫のないゲームだったようにも思えるが、これまでほとんどチームに貢献してこなかった加地さんが初めてクロスを味方に合わせてアシストを記録したのは正直驚いた。 これは「ハノーヴァーの奇跡」だ。 調子にのった加地さんはいつも以上に攻撃参加して日本の右サイドを活性化させた。 珍しくミドルシュートも2本打った。 1本目はテポドン(宇宙開発)で、2本目はシュートというより「相手GKに合わせるヌルいクロスが枠を超えた」というものだったが、それでもとにかく打った。 いつもの加地さんからすれば到底ありえない展開だ。 しかし好事魔多し。 日本の2失点目は左サイドからのクロスを相手FWにヘディングで決められたものだった。 二人もついていながら・・・。 もし中澤がいれば防げたであろう失点だったが、この失点の端緒となったのは相手陣内の深い位置でボールを受けた加地さんが突破を試みずにバックパスしたことにある。 このバックパスをきっかけに前掛かりになっていた日本のリズムは崩壊し、その後の失点に直結した。 あそこでバックパスをせずに突破を試みていたら、あの失点はなかったと僕は思う。 仮に突破できずにボールを奪われても、サイドの深い位置ならカウンターに持ち込まれる危険性はそれほどなかったと思う。 少なくともあの時、日本は引き分けを狙っていなかった。 勝ちにいっていた。 それがあの加地さんの一本のバックパスですべての歯車が狂ってしまった。 場の空気、試合の流れが読めないあたりはさすが加地さんである。 ひいきめにみても、昨日のメキシコは今の日本が勝てる相手ではなかった。 かといって負ける相手でもなかった。 少なくとも引き分けに持ち込むことはできたはずだ。 2失点ともアジアのレベルでは「ありえない」失点だっただけに、これを良薬として残りの試合に臨んで欲しい。 そして、加地さんについてはプラマイゼロだったが、僕は初めて彼に及第点を与えることにする。 攻撃のみならず守備でもなかなか頑張っていたからである。 しかしその反面、1失点目のミドルシュートは加地さんのブロックが間に合わず、2失点目もやはり直前のクロスをブロックできなかった、という言い方もできる。 危険を察知する嗅覚はあるのだから、後はもう一歩体を張ってもらいたい。 3戦目で当たるブラジルはこんなもんじゃない。 ロベカルと加地さんの世紀のマッチアップが今から楽しみだ。 こうなったらみんなで加地さんを応援しようじゃあーりませんか! ※ロベカルは今回未招集でした。 残念。 kajidaisanjiさん提供の加地さん応援FLASH三部作+加地Tプレゼント 加地・大賛辞 海外組としての加地さん 絶対に 加地T 加地樽 プレゼント
by theshophouse
| 2005-06-17 22:32
| 蹴球狂の詩
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