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カルロス・ゴーンを偉大なる将軍様に!
 今さら言うまでもないことではあるが、大不況である。 超不況と言った方がいいかも知れない。 なぜここまで不況になってしまったのであろうか? 理由はいくつも考えられる。 自行での融資が難しいと見るや、系列のノンバンクを立ち上げてまで融資を斡旋し、借りたくもない金まで無理矢理借りさせるなどバブル経済が弾けた責任の多くを担い、その結果自業自得で不良債権が膨らみ、今も遅々としてその処理が進んでいないうえに公的資金を投入されても行員に高い給与を払い続けている銀行。 バブルの末期に生命保険会社と組んで変額保険など怪しげな金融商品を乱発し、いまだに庶民を苦しめている銀行。 たかだか金を送金したり振り込んだぐらいで莫大な手数料を庶民からぶん取る銀行。 そんな銀行に債権放棄させてまで延命を図ろうとする大手ゼネコン。 かねてから日本社会の構造的な弊害とされてきた行政のシステムが機能不全に陥り、中央・地方の縦割り行政の弊害と無駄、暗躍する特殊法人に天下りする官僚への給与の無駄などを筆頭にあちこちに莫大な無駄を生み出し続けていること。 所得は上がらず、消費が冷え込み、商品の価格が下がり、物は売れても利幅は薄く、所得は上がらず、消費が冷え込み、商品の価格が下がるのを繰り返すデフレ・スパイラル。 結果税収は落ち込んでいく一方なのにも関わらず、税収の倍の年間予算を組んでは半分近くを赤字国債に依存し、借金を将来に先送りしてまで土建国家たらんとし、それでも懲りずに復活折衝と称して更に予算を奪い合う見苦しい各省庁のアホ役人ども。 政府の中にはインフレ誘導によって巨額な債務の返済を目論む輩もいるらしいが、そんなのは断じて御免こうむる。 この日本において、くしゃくしゃの札束をボストンバッグからどっさり取り出して食料品などを買い求める姿など見たくない。 少なくとも僕の目の黒いうちはやめてもらいたい。
 我々消費者も責められて然るべきだ。 金がないからといってひたすらに安いものばかりを求めるようではこの国に未来はない。 この国は皆が高いものを買うことによって成り立ってきた国である。 高いものといってもブランド品や高級外車をのことを言っているのではない。 まっとうな生産者や流通業者が商品の原価に対して適正な利益を得ている商品を買うべきであると言っているのである。 それが守られないと、そのツケはいずれ自分や自分の身の回りに及んでくるのである。
 例えば最近コンビニ並みに増えてきた100円ショップを見てもらいたい。 そこにはありとあらゆるものが100円で売られている。 今から10年前、100円ショップが出て来た頃はそれほど品数が多いわけではなかったが、今は違う。 自転車の空気入れ、目覚まし時計、テフロン加工されたフライパン、今や100円ショップにないものを思い浮かべるほうが難しい。 しかし、例えばこれらの商品を100円ショップのないタイやインドネシアや中国のごく普通のスーパーなどで買ったとしよう。 我々は同じ商品を100円より安く買うことができるだろうか? 恐らく不可能であろう。 ここに挙げた三国の国民の一ヶ月の平均所得は日本の約10分の1である。 しかし自転車の空気入れを100円もしくはそれ以下で買うことはできないのである。 ここに所得格差の大きい二国間における同一商品の実売価格のねじれ現象を見ることができる。 日本人は他のどの国の人間よりも安く自転車の空気入れを手にし、他のどの国の人間よりも安いマクドナルドのハンバーガーを食べているのである。 これは明らかに異常である。
 僕らの店の倉庫は横浜の町工場が密集する地域にある。 周辺には空き工場が目立つ。 僕の前の住人は金属加工会社だった。 そう、そこはもともと倉庫などではなく工場だったのだ。 今でも倉庫の中には名残りの大型クレーンが設置されたままである。 僕らの倉庫のすぐ前はプレス加工屋さんだ。 社長さんは嘆きを隠さない。 「メーカーさんもひどいよ。 プレス型だって最初の一個目はうちで試作させてさあ、あとはそれを中国に持っていてむこうで大量に同じ型を作っちゃうんだよ。 パートのおばちゃんにも暇をあげることがめっきり多くなってねえ。」 そう、僕の日常は図らずも日本の産業を底辺で支えてきた中小の町工場の嘆きと悲しみの同心円の中にある。 日本の産業の空洞化は、つまるところ安いものを貪欲に求める我々消費者自身の選択なのである。 こうした状況のなかで町工場は規模を縮小して単価の安い仕事を細々と続けてジリ貧になるか、無理を承知で設備投資してメーカーへの脱皮を図るかの二者択一を迫られている。 経営者はこのような状況に置かれながらも「メーカーさん」と敬称を忘れない。 町工場のオヤジたちは、「いくら単価が安くってもやっつけ仕事はできないから」と仕事には頑固、本当にいい人たちばかりだ。
 日本全国の町工場と永田町はもはや同じ惑星には存在しないかのようである。 永田町の住人に町工場のような危機意識はない。 今となっては期待した方が馬鹿だったが、小泉純一郎が掲げた郵政・道路・特殊法人改革も丸投げ・先送りで終焉を迎えた。 やはりこの国はペリーの浦賀来航以来ガイアツが加えられない限り微動だにできないほど硬直化している。 ここで僕がかねてから持論としている「カルロス・ゴーンを日本の大統領に!」という一見突飛な提言をさせていただきたい。 もはやこの国をドラスティックに改革し、竹中金融担当大臣もびっくりの超ハード・ランディングもといエマージェンシー・ランディング路線に導けるのは彼をおいて他にない。 最近の日産のニューモデルを見ている限り、そのデザインには首を傾げるしかないが、その豪腕で就任時には死に体であった日産を見事短期間で蘇らせ、かつては資金投入を受け傘下に入った親会社のルノーが近年陥った窮状に対し、逆に資金援助するまでに日産を立ち直らせた手腕が、旧態然とした日本の経営者に新しいリーダー像を垣間見せてくれたことは周知の通りである。
 今ゴーン以外に日本を救える人材がいるであろうか? 既存の政治家・官僚・財界人たちを完全にシカトして政・官・財の癒着を断ち切り、ポルトガル語を解さない永田町の人間を横目に母国語で国会を乗り切り、独裁的に法案を成立させて日本を蘇生させてもらいたい。 そのためには総理大臣というようなお飾りのポストでは駄目だ。 総理大臣に比べてより圧倒的な権限を有する大統領制に変え、ゴーン氏に初代大統領になってもらうしかないと思うのである。 それでも古賀とか亀井とか江藤(あの下品な眉毛に火を点けてみたい)とかバカ族議員どもが極右の政治結社か何かに頼んでゴーンの暗殺を目論むかも知れない。 もしそういう事態になるようであれば、日本はかの国のような独裁体制・夜警国家に移行すべきだ。 その時かつて大統領と呼ばれたそのポストは「偉大なる将軍様」と呼ばれるだろう。(2003/1/4出稿を再録)

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by theshophouse | 2004-12-01 16:09 | Critique
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