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欧州遠征から見えたもの
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 日本でのゴールデンタイムの中継のためか、オランダの現地時刻午前11時というキックオフ。 午前中の試合は初めてという選手もいたかも知れない。 日本代表の広告代理店はいつまでこんなことを続けるのだろうか。
 ガーナ戦。 日本は前のオランダ戦同様、前からプレスをかけてゴールに迫り、前田と中村憲剛が決定機をつくるもシュートは枠をとらえず。 ガーナも個々の身体能力の高さで対抗。 とりわけガーナの選手はボールを支配下に置ける半径が日本の選手のそれより半歩ほど大きい。 競り合いのなかでもあまりボールを失わず、イーヴンボールも長い足先で掠め取ってしまう。 日本は長友のハンドでPKを献上し、1点ビハインドのまま前半を終えた。
 後半、一気に4人を代えてきたガーナが本領を発揮する。 GKのロングボールからギャンが巧みなボディバランスとボールコントロールで中澤をかわしてゴールを決める。 一方の日本も、この日大車輪の働きをみせた中村憲剛が前田が潰れて繋いだボールに詰めて1点を返す。 しかし、その後もたびたびその驚異的な身体能力で日本のゴールを脅かしていたガーナは後半21分、縦に早い展開からムンタリの浮き球のスルーパスに抜け出したアモアーが闘莉王と都築をかわしてゴール。 2点目も3点目も、身体能力の高い相手に数的優位をつくれなかったディフェンス。 逆にガーナがそれだけ早いタイミングでゴール前に放り込み、そのボールに反応してスペースに走りこむ選手がいたということ。 それは組織的というよりも個の力による得点だった。
 そのガーナの3点目。 裏を取られた闘莉王はアモアーを追いかけることすらできず、都築のカバーにまわる素振りさえできなかった。 事ここに至って日本の命運は完全に潰えたかに思われたが、ここで岡田監督は珍しく早めに交代のカードを切った。
 後半25分、俊輔に代わって本田、前田に代わって玉田をそれぞれ投入。 本田は前の試合同様あいかわらず機能しなかったが、後半18分に疲れの見えた長谷部に代わってピッチに送り込まれていた稲本と玉田が疲れの見え始めていた中盤を活性化し、逆にガーナは3点目で安心したのか直前に終えたW杯予選のスーダン戦の疲労が見え始め急激にスローダウン。 その様はまるでオランダ戦の日本を見ているかのようだった。 おかげでそれまでも決して厳しくはなかった中盤がスカスカになり、日本は労せずしてボールを前に運べる展開になってきたところに、PK献上で責任を感じていたのか長友も猛然と攻撃参加し、日本が左サイドから分厚い攻めでチャンスをつくる。
 オランダ戦後半の3失点がそうだったように、後半33分からの5分間での日本の3ゴールもまた必然だったのかも知れない。 代わって入った稲本と玉田がそれぞれゴールを決めて結果を出したのは大きい。 前の試合で問題視された運動量の落ち込みもオランダ戦ほど急激なものはなく、途中出場したフレッシュな選手に引っ張られることで急激な落ち込みを防ぎ、相対的にガーナの足は止まった。 結果、日本が中盤を制圧した後半30分以降は一方的な展開になったわけだが、日本の選手たちは足が止まるということの恐ろしさをあらためて痛感したのではないだろうか。

 アフリカの国々の御多分に洩れず、ガーナもその平均寿命が57歳と短い。 これは以前からの持論なのだが、一般のフットボールプレイヤーが絶頂期を迎えるのが20代後半ぐらいだとすれば、ブラック・アフリカの選手たちのそれは10代後半から20代前半、つまりオリンピック世代という仮説である。
 つまり平均寿命が短い分だけ肉体年齢のピークが前に来るということであり、故にアフリカ勢はオリンピックではナイジェリアやカメルーンが金メダルをとっても、W杯では3位にすらなれていない。 もちろん個々の選手に目を転じれば、20代後半から30代前半にかけてACミランで6年の輝かしいシーズンを送ったジョージ・ウェアのような例外も存在するが、A代表の世代のアフリカ勢が国際大会でさしたる結果を出せていないのも事実。 むろん今日の試合だけでは参考にならないが、欧州勢に比べればやり方次第で日本にも十分勝機はあるのではないだろうか。 ただし今度のW杯はすべてのアフリカ勢にとってホームゲームとなることが予想されるので、この点日本はどことやっても厳しい戦いを強いられることになるだろう。

 この2戦を通じて感じた課題は、試合の流れや戦況を読んだ試合運びの必要性と、プレスのさじ加減、ロングボールへの対応、選手交代のタイミングと人選の重要性、ピッチへの適応力といったところだろうか。
 トルシエ時代、その戦術をピッチの上の選手たちがプラグマティックに解釈して結果を残したように、岡田監督の「プレス原理主義」的フットボールを選手たちがうまく咀嚼した先に何らかの答えがあるのかも知れない。
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by theshophouse | 2009-09-09 23:59 | 蹴球狂の詩 | Comments(0)
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