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土曜ワイド劇場のタイトルの無意味性と金剛地武志
b0045944_13182555.jpg 賢明な読者の皆さんは、僕が何を言いたいかもうおわかりであろうと思う。 そう、それはこの7月27日に放送されたテレビ朝日系列の土曜ワイド劇場のタイトルのことである。
 『京都の女庭師風水ガーデニング探偵2 開運豪邸遺産相続殺人・奥津軽鬼伝説と虫送り火祭の謎』と題されたこの2時間ドラマのタイトルはあまりに視聴者を馬鹿にしているとしかいいようがない。 ほぼ同義語としか思えない庭師とガーデニング、風水と開運を並立させるタイトルネーム作者の意図は理解に苦しむ。 そもそも僕のなかで「ガーデニング」と「探偵」という言葉はまったく繋がらない類いの言葉として認識されているのである。 そこにきてとどめの「鬼伝説」と「火祭り」はいかにもくどい! どちらかひとつでいいではないか? 京都、風水、ガーデニング、開運豪邸、奥津軽、謎となるべく色々な言葉をちりばめて、幅広い視聴者層に訴求しようというあさはかな意図がみえみえだ。 裏を返せば作品の送り手が受け手をイメージする努力を放棄したと言い換えることができよう。 挙げ句の果てはつじつまを合わせるためにDr・コパなんかも出演者に担ぎ出してしまう徹底ぶりは土曜ワイドならではであろう。 周知のごとくこの土曜ワイド劇場のタイトルはその馬鹿さ加減において比類なき存在となっている。 これに比べると「火曜サスペンス劇場」のタイトルなどは非常に正統派である。 これら土曜ワイド劇場のタイトル、過去にはこんなのもあった。

 『おとり捜査官北見志穂4 狙われた美人刑事・盗撮された私生活・誘拐犯からの逆指名・監禁・水責め・激流の水門で最後の対決』

 そのタイトルからはかつての日活ロマンポルノの芳香が漂う。 土曜ワイド劇場の場合多くがそうなのだが、タイトルが即ち脚本のレジュームになっていて、これを見ただけでもうだいたいの話の内容は掴めてしまう。 ただ、こちらのタイトルはある程度視聴者層を絞り込んでいるようである。 しかしながら倫理的観点から見ても新聞のテレビ欄に公然と載せるには相応しくないタイトルである。 こういうタイトルに決済を下すテレビ朝日上層部、ろくな大人ではない。

 『元祖!混浴露天風呂連続殺人19 信州塩の道に消えたマルタイの謎・リベンジ刑事とカリスマ温泉ギャルの信濃路秘湯ツアー』

 タイトルからして古谷一行と木の実ナナが主演、かつては女殺しの異名を欲しいままにしたが、今や毎回ほぼ同じ展開をみせるこの話において、入浴中に必ず2回現れる、およそ実在しそうにない胸は隠さず腰だけにタオルを巻いて登場する半裸の女子大生軍団に「このスケベオヤジ~!」とばかりにお湯をかけられて退散することのみに生きがいを見い出した火野正平が脇役を固めるシリーズであることは言うまでもない。
 まず刑事用語で「捜査対象者」を意味する「マルタイ」という言わば専門用語を堂々と使うことに疑問を感じざるをえない。 福岡出身の僕などはインスタントラーメンの会社としての理解が先行する。 更にはこの頃世間で流行っていたであろう「リベンジ」や「カリスマ」などといった言葉に絡ませた無理矢理としか思えない脚本が頭に浮かぶ。 リベンジ刑事というのは感覚的に理解できるが、この「カリスマ温泉ギャル」とはいったいどういうカリスマなのか? 世の中カリスマが多すぎる。 みなカリスマの意味を知っていて使っているのだろうか?
 いずれにしても僕は土曜ワイド劇場を見ない。 それはいつもその時間『テレバイダー』を見ているからである。 テレバイダーは東京MXテレビで毎週土曜夜10時から放送されている1時間の情報番組である。 はっきり言ってその理念(ホームページ参照のこと)ほどたいした番組ではないのだが、アンカーの金剛地武志の特異なキャラクターが完全にツボに入ってしまい、以来半ば中毒者のように毎週観ている。 個人的には番組中ひんぱんに入ってくる「裏番組情報」にいちいち反応してその度にチャンネルを変え、情報が正しいかどうかを確認してからテレバイダーに戻るというのが正しい見方であると思う。 なかでも金剛地が毎週どこかの企業を訪問をして、その企業のCMに自分を出演させるよう強引にねじ込もうとするコーナーが特に好きである。
 この金剛地武志、知れば知るほど不可解な人物である。 無論単なる局アナなどではない。 聞くところによると親に借金して設立したEtiquette Recordingというインディーズ・レーベルの最高経営責任者(C.E.Oを名乗る)でもあるらしく、また同レーベルでいくつかのアルバムを既にリリースしているyes,mama ok?という自らがリーダーを努めるバンドでリードヴォーカルとギターも担当する。 かつてはメジャーデビューも果たしたのであったが、時代がまだ彼らには早すぎたのか、バンドとしては不遇の時期を送り、やがてメジャーシーンからは静かに退場する。 現在インターネットで視聴できるyes,mama ok?の新譜「CEO」のサウンドは非常に都会的なボサノヴァ・タッチであり、それはおよそ金剛地のルックスからは対極にあるものだった。
 勝手に盛り上がってしまったが、ローカル局なので、東京以外にお住まいの方には非常に申し訳ない話である。 上記2つのリンク先でテレバイダーと金剛地武志について少しでも御理解いただければ幸いである。 そしてもし東京に来られることがあったら、そしてそれが土曜の夜だったら、UHFを受信できるところで是が非でも金剛地武志を目撃して欲しい。 僕が今最も気になる男・金剛地武志である。(2002/8/3出稿を再録)
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by theshophouse | 2004-11-27 13:22 | Critique
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