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ショートトラックかくあるべし!
 ソルトレークオリンピックが終わった。 期待された日本勢だったが、戦前の予想(期待)をはるかに下回って金メダルなし、銀1個、銅メダル1個に終わった。 この数字は悲しくも我が国のウインタースポーツの競技レベルを如実に反映しているものといえよう。 さらに今回はっきりわかったのはオリンピックも国体(国民体育大会)と大差ないということである。 つまり開催国(都道府県)が一番成績が良いということである。 選手たちも地元の声援に発奮するし、審判の判定もそれを後押しする。 はっきり言うと「えこひいき」する。 テロで傷ついたアメリカはオリンピックで勝利しなければならなかった。 審判もそれを後押ししなければならなかった、と言うと乱暴に過ぎるだろうか。
 審判の判定でこれほどもめたオリンピックも珍しい。 そして実社会以上にスポーツの世界には未だに西側と東側という冷戦下の社会構造が残っていることを感じさせられた。 ロシアとアメリカの選手が強いフィギアスケートの判定などは、旧西側諸国の審判と旧東側諸国の審判で完全に判定が割れ、まさに冷戦時代の再来を予感させた。 それはまるで年々融和しつつある旧東西諸国の関係が氷上でふたたび冷やされたかのようだった。
 今回のオリンピックで良くも悪くも注目を集めたのはショートトラックスケートである。 僕はショートトラックはかなりショー的な要素の多いスポーツであると実感した。 こういうことを言うと歳がバレるので嫌なのだが、今回のショートトラックは70年代に東京12チャンネルで放送され、土居まさるが司会をやっていた『日米対抗・ローラーゲーム』を髣髴とさせるものがあった。
 ローラーゲームは元々アメリカで生まれた。 日本では1955年に初めてアメリカチーム同士の戦いが披露された。 69年に佐々木ヨーコとミッキー角田がロサンゼルス・サンダーバードの試験に合格、サンダーバードの一員として活躍した。 72年には、彼らが中心となってハワイで東京ボンバーズが結成され、73年には日本で初めて試合が行われた。 東京ボンバーズ対アメリカチームの試合は一大ブームとなった。 僕もミッキーとヨーコのファンであった。 しかし試合内容はしだいにヒートアップし、竹刀を持ち出して相手を痛めつけるなど乱闘的な部分ばかりが強調されていった。 凄惨さが目につき始め人気は下降。 76年に東京ボンバーズは解散してしまう。
 そんな東京ボンバーズ、当時スター選手として活躍していた小泉博が中心となって90年に復活し、現在もムラサキスポーツ、R・E・MIXの3チームが月にほぼ1回の割合でリーグ戦を行っているという。 ちなみにこの小泉氏、光GENJIやSMAPのローラー指導などもしている。
 ノスタルジーに浸るあまり話はそれたが、要するにショートトラックは競技ではなく興行として存在していくべきだと思うのである。 役者は揃い過ぎるぐらい揃っている。 移民国家アメリカを象徴するスーパースターで、ちょっとハリウッドナイズされ過ぎのアポロ・アントン・オーノ、韓国のエース「盗まれた金」ことキム・ドン・ソン、常に転倒の原因を作りレースをぶち壊すトラブルメーカー、謎の中国人リー・カ・グン、実力はトップレベルながらも大舞台で実力を発揮できない日本のエース・涙の寺尾、そしてタナボタ走法のゴールドメダリスト・ブラッドバリーなど人材には事欠かない。 これら豊富なタレントでワールドツアーを組めば興行として成功すること請け合いである。 プロデューサーには、最近日本でもブレイクしたアメリカのプロレス団体・WWFのビンス・マクマホンを迎えるべきであろう。 そして、レースはもとよりスケーター同士の控え室での罵り合いや場外乱闘、各々の家族までを引っぱり出してのストーリー展開と、WWFを成功に導いた彼の手腕に委ねることで一大エンターテイメント・スポーツへの大転換を計るのである。
 そんなアホなことを漠然と考えていたら、ニュースで「ショートトラック、トリノ五輪の競技種目から外れる方向」というニュースが飛び込んできた。 何でもソルトレークでの判定問題などのゴタゴタにIOCが嫌気をさしているというのである。 何ということであろうか。 僕がもし仕掛人的な仕事をしていたら、自分の抱いた妄想をビンス・マクマホンにすぐに持ちかけるだろう。 それは極真カラテを裏切って正道会館を立ち上げ、やがてK1という言わば商業カラテのプロデューサーにまで成り上がった石井館長と同じ手法である。 どうやら家具売ってるよりは儲かりそうである。(2002/2/28出稿を再録)

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by theshophouse | 2004-11-27 13:14 | Critique | Comments(0)
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