17日、ヴェトナム戦争、JFK暗殺、アポロ月着陸など、アメリカの「ローリング・シックスティーズ」を伝えたウォルター・クロンカイト氏が亡くなった。
自分がアンカーを務めたニュース番組の終わりに、「今日はこんなところです」と、彼の真似をしたニュースキャスターがいたが、言葉は真似てもジャーナリストとしての根っこの部分はずいぶん違っていたような気がする。
いつまでもテレビカメラの前にあり続けようとした某氏とは違い、クロンカイト氏は1981年、65歳の時にCBSニュースのアンカーを後任のダン・ラザーに譲って引退した。 別にニュースキャスターやアンカーに限ったことではないが、常に生放送でテレビカメラの前にあり続け、数々のニュースを自分の言葉で捌いていくという「知的重労働」にも当然定年があって然るべきだと思う。
岩見某のように
自らの記憶すら当てにならなくなった人物がいまだ第一線で「ジャーナリスト」を名乗り、毎週のように報道番組に出て的外れな言説を垂れ流す姿はクロンカイト氏の引き際の鮮やかさとは対照的だが、そうした老害こそ戦後良識あるジャーナリズムが育ってこなかったこの国のメディアが今になって支払っているツケなのかも知れない。 そんなものを聞かされる国民の身にもなってもらいたいものである。