Top
続・ヤンキーマーケティング
 先日テレビを観ていた時のこと。 アカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」の舞台となった山形県鶴岡市内の古びた銭湯に続々と観光客が詰めかけている様子が紹介されていた。
 銭湯をバックに嬉々として記念写真を撮る人を見た妻がポツリと言う。
 「この人たちヤンキーだよね」
 確かにそうだ。 前回のエントリーで、ヤンキーマーケティングという概念の出発点にさかのぼるあまり、僕は大切なヤンキーのキーワードをいくつか書き忘れていた。 そのひとつは「感動」である。 前出の友人に言わせれば「感動をありがとうな人たち」となる。
 ヤンキーを突き動かすもの。 それは感動だ。 とはいえ、人を感動させるのは容易ではない。 どうすれば人を感動させることができるのだろうか? 先日読んだ「小さな会社のブランド戦略」という本のなかにそのヒントがあった。 それは「感動屋さんになる」ということ。 ちょっと抜粋してみたい。

 たとえば、町のケーキ屋さんに行ったとき、棚に予約のバースデーケーキが並んでいたとします。 それを見て、「あぁ、今日は自分にとっては何でもない日だけれど、誰かにとっては特別な日なんだなぁ・・・」と感動できる能力は、人の心を揺さぶるようなビジネスを展開するブランドオーナーになる上で、とても大切です。 受け手が感動するようなモノやサービスをつくるためには、売り手・つくり手である私たちも、どんな小さなことにも感動できるような感受性を持っている方がよいのです。

 要するにヤンキーマーケティングを制するには自らがヤンキーになるしかないのである。 パートタイム・ヤンキーではなくフルタイム・ヤンキーに。 これは難しい。
 自分で言うのも何だが、ただでさえドライな現代の都市生活者である。 日頃から半ば強制的にでも「感動癖」をつけていないと、そう易々と感動なんて・・・。
 ふたたびテレビに目を移すと、今度は同様にアカデミー賞効果で盛況が続いている「おくりびと」を上映している映画館の話題。 映画を観終わった客が次々インタビューに答えている。 なかには目を潤ませながら、亡くなった自分の身内と映画のシーンを重ねて嗚咽を漏らす方も。
 「感動」という心の動き。 そこには何らかのメッセージの送り手と、そのメッセージの受け手がいて、メッセージの受け手が一方的に「感動」するのではない。 先に引用した本にもあるように、受け手を感動させるには送り手の側も感動していなければならない。 さらに、受け手の側も100%受動的に「感動させられた」というよりは、「感動したい」という能動的心理がどこかにある場合も多い。 イメージとしては送り手と受け手の間にある感動という到達点に、両側から意識が線状に伸びてきて、それが繋がった時に起こる作用が「感動」というものなのだろう。
 
 ここまで書いて、前回はまだ五里霧中だったヤンキーマーケティングの輪郭がだいぶ浮かび上がってきたような気がする。 問題はどう感動に繋げていくかだ。
 ヤンキーが何に感動を覚えるのかという部分について、前回は「不完全さ」というものを挙げたのだが、先日僕にヤンキーマーケティングを教示してくださった友人から助言があった。 それは「ベタ」というキーワード。 「ベタさのさじ加減がヤンキー魂に呼応する」のだと言う。
 ヤンキーの感動を呼ぶベタさのさじ加減。 いつになるかわからないが、次回はヤンキーマーケティングの具体例を示しながら、さらに深くヤンキー魂に斬り込んでみたい。
[PR]
by theshophouse | 2009-03-06 00:24 | Critique
<< マスゴミ雑感 ヤンキーマーケティング >>



思うところを書く。
by theshophouse
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
カテゴリ
Critique
Asian Affair
蹴球狂の詩
Odyssey
Photographs
Iiko et Tama
Non Category
Food
Mystery
Design
アジア人物伝
Alternative
Books
Movie
Sounds Good
昭和
モブログ日報
F1
号外
Profile
以前の記事
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2001年 10月
フォロー中のブログ
国境の南
osakanaさんのうだ...
青いセキセイインコ推定4...
THE SELECTIO...
V o i c e  o...
わしらのなんや日記
90歳、まだまだこれから...
午前4時から正午まで
藪の中のつむじ曲がり
PISERO しゅうまい...
最新のトラックバック
エス東京オフィス
from はるの日常
才色兼備な「タイのセレブ..
from Boochanの宝探し
チベットでのジェノサイド
from わしらのなんや日記
経済別に選びたい放題!チ..
from Boochanの宝探し
IKEA for ママゴト
from わしらのなんや日記
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧