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ヤンキーマーケティング
 みなさんは“ヤンキー”と聞いてどういう人をイメージするだろうか?
 こんなことを言うのは、先日友人から聞いた「ヤンキーマーケティング」という概念がとても新鮮だったからである。 この「ヤンキー理論」は決して新しいものではなく、2004年当時リクルートに籍を置いていた荒井尚英氏が提唱したもので、同氏は「日本人の7割は本質的に“ヤンキー”である」と定義する。
 もっともここでいうところの“ヤンキー”というのは広義のヤンキーであって、中学に入ると同時にグレて、珍走団に入るかもしくはその周辺でひたすら群れ、10代でできちゃった結婚して所帯を構え、ガテン系の職に就き、家や子供以上につぎ込んだカスタムパーツでドレスアップした“ヤン車”で矢沢や長淵を響かせながら街を流す人々のことだけを指すのではない。 これはあくまで様式としての“ヤンキー”なのであって、ここでいう概念としての“ヤンキー”は、こうした人々をコアな層として位置づけながらも、あくまでイデオローグとしての“ヤンキー”なのである。
 つまり一見してこのような“ヤンキー”の様式とは無縁ながら、その本質に“ヤンキー”的なものが多分に介在している場合、その人はもう“ヤンキー”なのである。
 友人は“ヤンキー”について、「それは“マス”と言い換えることができるかもね」と言う。 つまり「マス=ヤンキー」なのである。 こうなってくると、ほとんどの人はヤンキーであることから逃れられない。
 ヤンキーマーケティングの提唱者である荒井氏の友人でもあるフリーライターの三田隆治氏はヤンキー的な価値観について以下のように考察している。

 俺には、六本木ヒルズってどうしても「ヤンキーすごろくのあがり目」にしか見えないんだよね。 なんか笑っちゃうんだよ。 昔は趣のあった麻布トンネル付近の森を全部ぶっつぶしてできた、あの再開発のさまを見てるとね。
 ヤンキー的価値観、その最大の特色をなしているものは、「数量に転換できる価値」なんだよね。 スカートが膝上膝下何センチとか、学ランが何センチ。 車高が地上何センチ、竹やりマフラーがどれだけ高くそびえ立って「気合入ってる」か? 厚底ブーツが何センチか。 すべて数値で相対評価される美意識、その頂点にあるものが、オレの自宅は○億円とか、オレのカノジョはバストが○カップとか、オレの職場六本木から○メートル、みたいな、そういうのに終結していくんだろう。
 しかし、資産の多寡で評価するなら、そいつはビルゲイツより絶対的に「劣る奴」ってことになるし、カノジョのバストサイズにこだわったら、根本はるみでもカノジョにするしかないやん。 一体、自分の価値観がそんな相対評価の中にあるもので満足なのかい?

http://mita-mita.com/tipslogs/tipslogs0304.htm

 どうやら物質的な価値を追い求めた結果満たされるのがヤンキー的な価値観のようである。 こうして具体例を示されると、「あっ、自分って実はヤンキー?」と思った方もいるのではないだろうか? かくいう僕にしても自らをパートタイム・ヤンキーと認めざるをえない。
 さて、このヤンキーマーケティングが目指すのは、日本人の7割を占めるこうしたヤンキー層をビジネスのうえでいかに取り込んでいくかということに尽きる。
 つまり三田氏が言う「すべて数値で相対評価される美意識」の前段の部分、どうしたらその竹やりマフラーや厚底ブーツを買っていただくことができるのか、つまりはマーチャンダイジングである。 いくら頭でヤンキー的な価値観を理解していても、これにはまた別のアプローチが必要になる。 数値化できる価値に加えて、その商品やサービスのデザインや性質を決定づける何か。 その何かを定義することが求められる。
 僕自身は友人との会話のなかでヤンキーマーチャンダイジングの極意を「売るものが何らかの商品であれサービスであれ、それがあまりに洗練されすぎて一分の隙もないようなものではダメで、商品やサービスにどこか垢抜けない要素を加味しておくこと」だと理解した。 このどこか「垢抜けない」というのは「不完全な」と置き換えてもいいかも知れない。
 一般論として我々がどんなモノに惹かれるか考えた場合、完璧な美よりも不完全な美に心を奪われることが多い。 そうした不完全なパズルが、欠けたピースを求めるように消費者(ユーザー、コンシューマー、カスタマー)の関与を求め、惹きつけるのではないだろうか?
 こうした仮説を検証するには、ヒット商品といわれるものにそうした要素が存在しているかを調べてみればいいのだが、おそらくこの「不完全さ」というものはあくまで多く方法論のひとつに過ぎず、まったく別のソリューションも複数存在するのだろう。
 僕はいま「ヤンキーマーケティング」という未開のジャングル、体系化することが困難な市場を前に当惑している。


続・ヤンキーマーケティング
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by theshophouse | 2009-02-28 13:17 | Critique
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