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プロジェクトX
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 また「はがき通信」の話である。 上に転載したのは3月6日の朝日新聞に掲載されたもので、実は僕も小島俊太君同様、「プロジェクトX」が大好きである。 しかしなかには「プロジェクトX」を知らないという方もおられるかも知れない。 「プロジェクトX」は火曜日の夜9時15分からNHK総合で放送されているドキュメンタリー番組である。 その番組内容は次のようなものである。
 『20世紀後半、人類の歴史と文明を劇的に変えたのは「プロジェクト」である。 「プロジェクトX」は、熱い情熱を抱き、使命感に燃えて、戦後の画期的な事業を実現させてきた「無名の日本人」を主人公とする「組織と群像の知られざる物語」である。 今も記憶に新しいあの社会現象、人々の暮らしを劇的に変えた新製品の開発、日本人の底力を見せ付けた巨大プロジェクト…。 戦後、日本人は英知を駆使し、個人の力量を"チームワーク"という形で開花させてきた。 戦後日本のエポックメイキングな出来事の舞台裏には、いったいどのような人々がいたのか。 成功の陰にはどのようなドラマがあり、数々の障害はいかなる秘策で乗り越えられたのだろうか。
 番組では、先達者たちの「挑戦と変革の物語」を描くことで、今、再び、新たなチャレンジを迫られている21世紀の日本人に向け「挑戦への勇気」を伝えたいと考えている。』(番組ホームページより抜粋)
 実は僕、何を隠そうこの番組は第一回放送から欠かさず見ている。 新番組の予告として番組宣伝が流れ出した頃から楽しみでならなかった。 戦後の日本にひしめく大小様々なプロジェクトとそのブラインド・ストーリーに切り口を入れるという斬新さ、貴重な映像と当事者たちの証言で綴る45分間は実に濃密だ。 田口トモロヲのナレーションも申し分ないほど映像にフィットしており、「世界遺産」の緒方直人にこれを見てよく勉強してもらいたいと願わずにはいられない。 まさに大人のためのドキュメンタリー番組としては出色の出来だと思う。
 それだけに小島俊太君の「はがき通信」には唸らされた。 9歳の子供も楽しく見ているとは・・・。 しかし果たしてこの番組は9歳の子供が毎週楽しみにできる番組であろうか? 僕は自分が9歳だった頃を思い返すと、この小島君はなかなかに早熟な少年であると思う。 普通であれば裏番組の「開運なんでも鑑定団」あたりを見ているぐらいが関の山であろう。 しかし何だか活字というのは不思議なもので、この小島君の文面を見ていると「プロジェクトX」ファンの30代ぐらいの男性が「はがき通信」の欄に掲載されたいがためにわざと子供の文体で投書したようにも見えなくはない。 「子供も見ているプロジェクトX」というのはそれだけでもインパクトのある話である。 掲載される可能性は高い。 僕だったらそんな姑息な手段をすぐに思いつくところだ。
 このようなひねくれた見方をすれば、「伊東家の食卓」を見て、家族各々が自分だけの「裏ワザノート」を作製しているという外山家の食卓もつい覗いてみたくなる。 しかもそれぞれ常に最新最良の裏技に更新し続けているという。 番組プロデューサーが聞いたら涙を流しそうな話である。 外山家では一族郎党間で日々裏技が飛び交いまくり、既に通常の家庭生活に破綻をきたしているものと思われるが、それでも外山いく江さんは「年齢構成を考えると、子供とお年寄りも加えるべき」と指摘している。 このうえさらに子供発やお年寄り発の裏技も披露せよというのである。
 これはいささか酷な注文であると言わざるを得ない。 僕は、裏技とは経験値によって導かれるものであると考えている。 子供の場合はそれが圧倒的に不足し、お年寄りの場合、裏技的なものは既に醸成され過ぎて「おじいちゃん・おばあちゃんの知恵」といった形態になっているからである。 このうえそうしたものを披露するとなると別な番組を立ち上げる必要があるだろう。
 話は戻るが、プロジェクトXの「極寒・南極越冬隊の奇跡」は同番組のこれまでのラインアップのなかでも圧巻の物語であった。 「おじさんたちが、すごくやさしそうなかおをしていました」という小島君の感想には僕も100%共感を覚える。 近頃、そんな顔の大人たちに会っていない。(2001/3/10出稿を再録)

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by theshophouse | 2004-11-16 17:22 | Critique
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